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教養と生活。
ということが、読んでいる間に何度か頭をよぎりました。
教養のある人生なんていうとどうにもこっぱずかしくて、胸はって言い切れないのですけど、きっと「教養」と呼べるものを持っている方が毎日楽しいのではないかなと思いました。
それは、生活ということと深く結びついているからです。
生活と深く結びついた教養でなければ、逆に持っている意味はない。
知っている、聞いたことがある、観たことがある、それだけ。
それだけでは何でもない。
それらが自分の指や口を通して、生活の中で生きてくるからこそ、私たちは教養を持っていて良かったということになる。
そんな、自分というものを大きく見せるためではなくて生活を大切にするからこそ、教養をもった人たちがヨシケンによって語られます。
どの人も、たぶん生きていることが楽しいのではないかと思いました。
この人はよく飲む。
お酒ばっかり飲んでいる。
でも、それはきっと相手のココロにしっかりと向き合って、その人柄すべてをゆったりと受け入れていきながらだったのだ。
素敵な人付き合いだ。
こんなにもたくさんの人と、こんなにも心を込めて付き合えていたことが羨ましい。
そしてまた、色々な人と人をよく会わせてるんだな。
そうしてゆるやかに輪が広がっていくのは、愉快。
「東京の昔」に描かれていた輪は、吉田健一の輪でもあるのだと分かりました。
私も、じゃんじゃん友達と友達を引き合わせていこう。