紙の本
光の種の短編集
2015/08/17 14:51
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
「冬のキリン」
南国から雪の降る国へ連れて来られたキリンに、人の生き方を重ねる。
「スピカ」
他人と違う生き方を選んだ人間の苦悩みたいなもの。野球選手とバレリーナ。
「ミドリの仔犬」
少年キオの探偵っぽいお話。ミドリの犬に待っている運命とは?
「はなのゆりかご」
少年キオの探偵っぽいお話。言葉の持つ力と愛。
「夕陽キャンディー」
高校の一場面。
「イノセンスを待ちながら」
押井守作品に対する作者の想いが語られる。
日常の一場面について深く考えて、そこで気づいたことを作品の中に織り込んでいるのが感じられる作品集。こういう要素が、長編作品の中でも煌くのだろうなと思う。
あとがきによると、この本の印税は東日本大震災の復興に寄付されるそうです。
紙の本
初期作品集
2023/10/31 15:44
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投稿者:ぽんぽん岩 - この投稿者のレビュー一覧を見る
好きな作家さんの初期作品は手にするかいつも悩みます。こちらも購入しないまま数年、忘れていた頃に旅先でフラリと入った本屋でご対面、ご縁ですね。
羽海野さんの作品から感じる優しさ、かわいさ、かっこよさが詰まっていて満足、ご縁に感謝です。
『イノセンスを待ちながら』一気に思春期に気分が戻りました、パトレイバーはリアルタイムで楽しんでたので。なんかうれしいです。
紙の本
かわいい絵に老成した雰囲気
2020/01/25 16:58
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
羽海野さんのかわいい絵に惹かれて読みました。
絵柄かわいらしいけど内容に歳を経て悟りきったような何かを感じる。
羽海野さんって本当に不思議な描き手さん。
電子書籍
初期?
2019/10/27 21:15
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投稿者:もんきち - この投稿者のレビュー一覧を見る
暑気短編集と言う事で、ぎこちないのかな?と思ったらとんでもない。もう、完璧に完成されています!
3月のライオンが好きすぎて、続巻が待ちきれずに作者買いですが、良かったです。
電子書籍
短編集
2015/10/12 01:52
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投稿者:☆ - この投稿者のレビュー一覧を見る
羽海野チカ 先生の、初期の漫画が詰め込まれた「短編集」です。
青春モノから~ファンタジーまで取り揃えられていて、いつでも気軽に読むことが出来てオススメです。
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3月のライオン読んだあとに読んでしまったから、どうも入りこめず。でも表題作の「スピカ」は大好きな世界観でした。スピッツだいすきだし。わたしも、乙女座ですから。←(´Д` )スピカは乙女座の一等星。古い星の光、という歌詞がスピカにはありますが、実はスピカは新星だそうですよ。スピッツの草野マサムネさん談。ふたりの対談とかみてみたい。世界観が近そう。だいぶそれましたが、乙女座万歳ということで。
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ハチクロや3月のライオンも好きなんだけれど、ハチクロに収められている短編とかもとても好きだったので、待望の初期短編集。
マンガで深くにも泣いてしまうのは、Slam Dankと宇宙兄弟9巻と羽海野チカだけかも・・。やさしいお話が詰まってます。
この人の描くマンガの登場人物は皆優しくて、自分の優しさで傷ついてるような・・たとえ小さな子供であっても。
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羽海野さんの短編集!
しかもかなり好きな頃のでした。博士の話何度も読んだなー!
しかし惜しむらくは薄いことですかね!
中表紙とか凄く可愛いんですが(書き下ろし??)頭のカラー漫画は白黒でもいいからもう一本何か…と思わなくもないです。
しかしそんなにこの頃の短編のストックがないのかな??
バレエと野球の話が好きでした。青春!
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よかったー。表題作「スピカ」特によかった。
羽海野先生は心のくすぐったいことを微妙に、ど真ん中ではなく微妙なとこをくすぐるから、余計にいろいろ感じるところがある。
目の前にいる人に真っ直ぐ向き合って大事にしていくことが、やっぱり何より大切だなぁと。
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大切な人を、大切な事を、大切に思う気持ちが詰まったお話集…
この方の描くお話はいつも
私の心の汚れをあったかい涙で少しきれいにしてくれます
またもや、泣いてしまった
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羽海野先生の作品が好きだ、と再認識させられた一冊でした。すでに読んだことのある作品もありましたが、ほとんどが初めて読むもの。
人の綺麗な部分・美しい面、かっこいいところだけではなく、苦しいことや辛いことずるい気持ちを真っ向から描いているからこそ羽海野先生の作品は好きなのです。普段だったら直視したくないものや理解したくない気持ちも作品を通して頭に入ってくる言葉でストンと理解できるような不思議な感覚。これはハチクロや3月のライオンにも通ずるものがあるように思います。素敵な作品に出会えて幸せです。
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ハチクロを描いていた2000年から2004年くらいの作品を収録した短編集。どの話も可愛かった。個人的には、表題作「スピカ」が好きです。本の印税が義援金になるそうですが、その事を表紙帯に入れなかったのか?という疑問。
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短編集。
収録作品の中では、表題作でもある「スピカ」がとても好き。
赤点確実でハートに二分刈りが必要な4番サード野球部部長がいいキャラ。
チュチュ着た美園さんが可愛すぎる。
「イノセンスを待ちながら」で好きな作品の事色々描かれてたからちょっと嬉しかった。
この本の印税は全て東日本大震災の義援金にするとの記載あり。
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羽海野チカは「ありふれた」幸せばかりを描かない。どんな立場の人間にも愚かさがあり、葛藤があることを教えてくれる。
短編の一つに登場する、『攻殻機動隊』のバトーよりも何よりも羽海野チカが描くキャラ一人一人が、そして羽海野チカ自身がとても人間くさい。だからこそ、魅力的。
薄い本なのに、泣いてしまった。一つ一つの話が、濃厚すぎるんだ。
期待通りの作品だった。
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羽海野先生の作品の魅力のひとつは、ギャップだと思う。
柔らかな優しく可愛い絵だけれど、登場人物たちは否応無しにリアルで、世界や人に巣食う闇を知っている。
それはやはり先生自身が、この世の中が美しかったり優しかったりそんな素敵なものだけで
出来ている訳では無いことを知っているからではないのかと思う。
だからこそ、時折出会う光輝くものは、儚くそこはかとなく優しく美しい。
このスピカも、美しく可愛い絵だけれど、それだけではない人の強さや弱さが描かれている。
ハチクロやライオンでも感じ取れることではあるが、短編だからこそその深さが
波のように押し寄せて揺蕩うように感じられる。
以下、一作品ごとに少しずつ感想。
<冬のキリン>
初めて私が動物園でキリンを見たとき、生身の迫力にとても驚いた覚えがある。
だからこそ、ハチクロで真山が言っていた台詞にはとても共感して印象深いシーンだった。
あのシーンと同じモチーフのものが、こうした短編であるとは知らなかった。
短い中なのに胸が痛くなる、優しく包んで抱きしめたくなる作品。
<スピカ>
表題作でもある作品。個人的にはこれが一番好きだ。
優香ちゃんにとても感情移入してしまう。
親という立場として、子供には”安定”した”幸せ”な生活を送って欲しいと思う。
それは当然の愛情なのだと思う。
だが、安定した平凡な生活、好きなことをただの趣味で終わらせて
片手間にやるだけの人生を、幸せだと思えない人間というのもいるのだ。
高崎くんの言う、泣いてもやめられないものがある人間。
そういう人間にとって、好きなものというのは趣味の範囲でおさまるものではなく
山があるから山に登る、というような、呼吸をするのと同じくらい当たり前のことで
それがなくては死んでしまう。生きている意味などない。それくらいのものだと思う。
好きなことをしていることは楽しいが、楽ではない。寧ろ辛くて苦しい。
その最中にあって、一番理解してほしい人に話せない、応援してもらえないことは
本当に辛くて、こんな思いをしてまで続ける必要があるのだろうかと悩み、
一体自分はなんの為に生きているのか、という人生論にまで発展する。
優香ちゃんのお母さんの、
「もしダメだったらどうするの!? みんなに笑われるのよ!?」
「バレエは趣味ていどにしといたほうがいいんじゃないかしら」
という言葉にはとても傷ついた。自分に重なるものがあったせいもある。
だからこそ、「舞台をみにきて」と伝えることができる優香ちゃんの真っ直ぐさが
眩しすぎて苦しいほどに感じられた。
しかし彼女の背中を押したのは、そんな台詞を声に出して伝えさせたのは
高崎くんなのかもしれないと思う。
彼の態度から、そんな過去を抱えているとは予想できなかった。
とても驚いたし、彼の辛さを考えると本当に涙が出そうになる。
試合に出るかわりに自分ができることを探そう、と決意し実行して
部員たちにこ��まで頼られるようになるまでに、
いや今でも、どれだけ悔しく辛い思いを抱いているか知れない。
それでも、やめられないのだ。
そこにいるだけで、息を吸い込むのと同じように。
優香ちゃんのお母さんが、ただ”嫌なお母さん”で終わらなくて
理解してくれたことが本当に嬉しかった。
もう、優香ちゃんは大丈夫だと思えた。わかってくれる人がいる。
それだけで、人は救われることがある。
<ミドリの仔犬>
キオの探偵ごっこの冒険はとても微笑ましく勇ましいのだが
ヤスダさんが犬の話をするところから明らかに怪しい態度とはいえ
まさかそんな理由で犬を飼っていたとは。
動物愛護のボランティア活動に携わっている自分としては、フィクションとして笑えない。
こんな可愛い話にこんなひどいエピソードがつまっているとは思わなくてとても驚いた。
ピーターラビットや101匹わんちゃんなどでも、動物を毛皮にするために捕まえる
というエピソードは出てきて、それは酷いこととして描かれるのに
実際に毛皮のコードや襟巻や手袋が、この世の中からなくならないことの不思議。
毛『皮』なのに毛を刈り取っているだけだと思っている人までいる始末。
毛皮がどうやって作られているのか知らない。知っていても毛皮を求める人は
自分で動物を飼ったり捕まえたりという労力すらはらわず買ってすませる分
ヤスダさんのような人間よりもさらにたちが悪いとすら思う。
犬がマフにされる行程を知っている自分としては本当に恐ろしく
キオが折角逃げたものを連れ戻してしまったと言うシーンがとても辛く
タミヤさんや部長たちの采配と心意気にはとても感謝だ。
ラストシーンで写真立てでこの後の明るい未来をたった一コマで描いてしまうところが
羽海野先生のすごさだと思った。
<はなのゆりかご>
犬がマフではなく、クルタンという名前をもらったことにまず安堵。(笑)
トゲ谷博士が奥さんと作った、という話はあながち嘘でもなくて
眼鏡にそんな機能があるとは思わなかったのでかなり衝撃だった。
ちょっと切なく、とてもやわらかくてふんわりと泣ける作品。
<夕陽キャンディー>
まず、タイトルと冒頭のモノローグに惹かれた。
素敵な言い回しだと思った。
兎に角田中先生がカッコよすぎる。
冬のキリンと同じくこれもとても短いが、深い印象を与える。
え?と思わせるラストも好き。
<イノセンスを待ちながら>
当時これを読みたいがために雑誌を買ったので、再収録が嬉しいような悔しいような。(苦笑)
私はパトレイバーも少しかじっただけ、
攻殻機動隊も興味がありながら中々機会が持てず今まで見たことない。
しかしながらこれを読んでとても優しく深い気持ちになれた。
パトレイバーを見ているときの説明のコマで、先生の形の器にちょっとずつ溜まっていく描写と
”光を絵で描くとき絵描きはカゲを描きます”という言葉にはっとさせられた。
人間らしさとは一番カッコワルイ所に宿っているという表現もとても納得。
恰好悪いけれど一生懸命。だからこそ恰好良く見えるのだと思う。
改めて攻殻機動隊.シリーズを見たいな、と思わされた。
あとがきと帯裏に書かれているが、
この本の印税は東日本大震災による被災者、被災地への義援金とされるそうだ。
知らなかった。もっと大々的にそう言ってもよいのでは、とも思ったが
控えめなところが羽海野先生らしいとも言える。
ツイッターでファンからの意見を聞いたり、帯に『ディガンズ』って書いちゃったり(笑)
いつまでもファンに寄り添ってくださる優しく素敵な作家さんだから
周囲のスタッフさんや本屋さんも素敵な人が集まるのだろうなぁと思った。
初期短編集というと通常結構もっと痛いものになることもある気がするのだけれど
先生ご本人は拙いと思っていらっしゃるようだが私は全くそんな印象がなかった。
絵も美しく、表紙や冬のキリンのカラーも綺麗で
そしてストーリーがどれもこれも素晴らしい。
買って損はない。羽海野先生の作品を今まで読んだことがないという人にもお勧め。