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本を買うスピードと読むスピードでは、前者の方がはるかに早い。結果積読本が部屋を埋め尽くすわけだが、買った限りにおいて、目を通したいと誰しも思うもの。しかしできない。これが多くの人の悩みではないだろうか。
また、仕事場の情報処理量は半端なく増え続け、メール、FAX、ハードコピーによる会議資料、回覧資料、プレゼン資料、得意先からの資料などが机を埋め尽くしているはずだ。
そうした現代社会の中で情報処理術は必須であり、中でも速読術を身につけたい方は多くいることだろう。私の経験からしても、佐藤氏が述べるp「…その本に書かれている内容についての基礎知識がなければ、そもそも読書にならず、指で本のページをめくっているに過ぎない。」(同著、p.27)ということに賛同する。世にある目を早く動かすとか、イメージで記憶するとかいう方法より、佐藤氏の方法の方が私は実用的だと考えている。
また、下記のような個所に私は囲み線を入れたが、こうした指摘に少しでも心を動かすものがあるとすれば、購入することをお薦めする。
「人間が一生の間に読むことができる本の数はたいしてないのである。この熟読する本をいかに絞り込むかということが読書術の要諦なのである。」(同、p.51)
「重要なことは、知識の断片ではなく、自分の中にある知識を用いて、現実の出来事を説明できるようになることだ。そうでなくては、本物の知識が身についたとは言えない。」(同、p.58)
「「時間は有限であり希少財である」という大原則を忘れてはいけない。…速読が熟読よりも効果を上げることは絶対にない。」(同、p.88)
「10冊の本を読み飛ばして不正確な知識を何となく身につけるより、1冊の本を読み込み、正確な知識を身につけたほうが、将来的に応用が利く。」(同、p.101)
☆を4つとした理由は、哲学・思想に関する手引きの部分がないことと、p.200から始まる【偏微分で鳩山元首相の行動様式も理解可能】という部分は理解しがたいからだ。一応ORも金融工学の基礎的な部分(マルコフ過程を含む)を学んできた身からしてもこの思考の飛躍はちょっと行き過ぎだろうと感じている。
フォトリーディングなどを試したけれど、全くうまくいかないと言った感想をお持ちの方には是非本書を紐解き、実践し、テクネーとして身につけるまで熟読されることをお薦めする。
(完)
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本書を一言で要約するなら「大学受験の勉強をやり直せ」という事だろう。という点で読書の技法というよりは知の技法というか勉強の技法になっており、読書家向けの本ではなく、読書を仕事に生かしたいサラリーマン向けの本になっている。特に現代文の受験問題を解くこと重要性については日頃から感じていた事なので、著者がこの点を強調しているのはとても納得。歴史や政治・経済の勉強も受験参考書が最適だろう。
1~4章は所謂読書法の紹介だが、特に目新しいものはない。多読の必要性については同意するものの、1冊5分の超速読の有用性には疑問があるし、そのために本を購入はしないだろう。速読の毎日3~4冊が限界としても、仮に毎月100冊購入するには15~20万円程度が必要であり、これでは家賃並かそれ以上になってしまい、非現実的である。著者は否定的なようだが、図書館利用を前提とした方法を提示すべきだ。6章の小説の読み方についての記述が少ないのが残念。代理体験の重要性についてもっと論じてほしかった。また全体的に引用が多く、やや冗長なのは難点。著者の読書量の多さに圧倒され溜息が出ると共に、人生は有限である、何を読むか?は非常に重要な問題であるというのを再認識した。
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この読書法をもっと早く知りたかった。
熟読と速読の使い分けや熟読する時の方法が説得力ある。
電子書籍版の熟読方法も知りたいが、著者は電子書籍読まなそう。
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他の人がどんな本を読んでいるか気になっても、どんな風に本を読んでいるかは知らないものだ。たくさん読むにはどうするかを語る本であり、たくさん読む方法を知るには良い本である。佐藤氏は月に300冊読むそうだが、ここまでは無理だとしても参考になる本だ。
昔、立花隆氏も自身の読書について書かれていたが、より実践的な本と言える。立花氏の方は、本の内容の紹介が多く読む本を探すのに役立った。
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最近仕事をしていて、メモをすること、ノートを取ることの重要性をようやく実感として感じられるようになってきた。これまでも様々な方からメモをとることの重要性を教わってきたし、また自分自身でも「メモを取ることは大切だ」と思っていたが、それは偏にそのように指導されてきたからであって、自分の実感に基づくものではなかったように思う。
社会人になると学生の時ほど時間に余裕がないし、またすぐに頭を(論点などを)切り替えなければならない場面が頻繁に出てくる。そのような経験を積み重ねる中で、自分の思考もある種の非連続的な側面があると感じるようになった。昨日の自分と今の自分は違うものだし、極端なことを言えばさっきの自分と今の自分もやはり完全に同じ存在ではない。であるとすれば、必要なものについては、今と異なる”自分”に対して何かしらの痕跡を残しておかなければならない。
また最近は、一つ一つのアクションに対して、学生の時とは比較にならないほどコミットしていることに気付く。つまり、意味のないことはしない、それぞれのアクションには、それ相応の覚悟を持っているということだ。
メモにしても、以前は漫然とメモを取っていたが、今は一つ一つのメモに「なぜその記述をするのか」という自覚を伴っているケースが多くなっている。
読書も同じようなものかもしれない。これまでは漫然と知的好奇心に基づいて読むことが多かったが、娯楽としての読書は別としても、目的を持った読書であれば、やはりもっとテクニカルに、多量に読みこなしていく必要があると感じた(精読すべき著書とのバランス、見極めも重要)。
著書を通して感じたことは、速読とは①前提となる基礎的知識を有した上での②高度な情報の取捨選択であるということである。決してごく一部の人間のみが有することのできる特殊な技能ではない(相応の努力は必要だけど)。速読をしている人はそもそも「本を読む」ということに対しての考え方が異なるのだと感じる。自分もこれまでの読書の仕方を少し見直してみたい。
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速読してその本の内容を理解するためにはその分野についてのある程度の知識が必要、ということには大いに納得でした。
正直なことを言うと速読というものは、何かテクニックが必要でそのテクニックについてが書かれているのか、と勝手に想像していたのですが、やはりそんな楽なものではなさそうですね(苦笑)
なかでも取り組んでみたいな、と思ったのが熟読法の話。これもテクニックの理論ではなく、読書ノートの作り方などのことなのですがぜひとも取り組んでみたいな、と思います。新書なんかたまに読んでもすぐに内容があやふやになって身につかないことが多いので……
初めのうちはこの本を読んで小説だけでなく勉強関連の本や、新書をたくさん読んでやろう、と浅はかな思いを抱いていたのですが、読み終えた後はまずは読んだ本の内容をしっかり理解できるよう「量より質」の読書をしようと思い直していました。速読についてはいつかはやってみたいですがまだ当分先のことかなあ。
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佐藤優氏の作品は好きなんでほとんど読む。どうしてあんなに本が読めるのだろう?という興味からこちらも読了。◆熟読、速読、超速読の手法は読むだけでなくあらゆる事に応用できそう。◆超速読するには、基礎知識がなければできない、というのが前提。◆大学受験レベルの知識は持っておきたい。◆積み上げ式の知識を重要視するジャンルは、中学・高校年代から戻ってしっかり復習する。◆佐藤さんが哲学書のどういう順番で読んだらいいのか?というアドバイスに、大宮の押田謙文堂さんが出てきたのは感動した。◆読書とは、寿命という有限の中で、何を読み何を読まないか?の格闘に思えてきた。
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著者の書かれたノンfフィクションを数冊読み、毎回知識の深さや情報の豊富さ、考え方には感心していたが、本書に書かれた読書法をみるとなるほどと納得しました。私は今まで多読することで知識を得ようと思っていましたが、多読するにも基礎知識をまず習得することが大切で、そのための良書を選択する必要があることを認識した。特に歴史の教科書については、今さら読もうなどとは考えてませんでしたが、是非読みたいと思いました。
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元外務省職員、むねお事件で逮捕された佐藤優氏の読書術。
月平均300冊読書しているんだとか。
俺と比べたらよほど知識が豊富で論理力に富んだ人なんだろうなぁ。
時間は有限だから、速読は大事なんだろうな〜
やけに高校の基礎知識獲得を説いているのが少し斬新。
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最近、本を読んでも頭に入らないことや覚えていないことが多くなり、実用に繋げられないことに少し焦っていたので、読書のあり方を見直したいと思っていたときに出合った本。
「基礎知識は熟読によってしか身につけることはできない。しかし、熟読できる本の数は限られている。そのため、熟読する本を絞り込む、時間を確保するための本の精査として、速読が必要になるのである。」
限りある時間の中で、良い(正しい)読書法を身につける方法を体系的に書かれている。
筆者の専門分野での事例ではあるが、具体的で丁寧に説明してあり、改めて読書の有用性を認識させられた。
若いころの習得方法が通用しなくなったと気づいてはいたが、この本で書かれていた手法を読んでいて、今が改める時なのだと感じた。
これまで読んだ本を含めて仕分けし、改めて自分の知識にしていけるように読み返そうと思う。
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正直言ってこの本に書かれていることをそのまま実行するのは自分にはとても無理って感じです。
ただ、正しい知識を身につけるために高校の教科書を再学習することがとても重要という点には思わず納得。
そして国語の現代文は数学と同じで論理的思考力を身に付けるための教科だというのはまさに目から鱗という感じです。今の今まで現代文というのはフィーリングで解くものだと思ってましたから。
筆者が外務省時代に行っていたブックレビューで、詐欺師の本からヒントを得るくだりや筆者逮捕時にブックレビュー仲間が徹底的に事情聴取されたくだりなど中々興味深い内容でした。
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昨今の効率重視のハック型読書の逆を行くようだが、知識の吸収・定着の確実さから見れば実は効率性の高い読書技法である。読書方法の紹介に加え、知識を身に付けるためには、基礎知識の欠損部分を客観的に把握し、欠落部分があった場合は高校教科書・参考書を活用し基礎知識をつけることを薦めている。(「現実を虚心坦懐に認め、自らの欠損を早く埋めた者が最終的に得をする。」p114)
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「人生で読める本は限られている」という根本的な所から真剣に考えて、自分なりの方法を確立させはったんやなぁ、と感じた。具体的&独特、骨太な読書方法で、こんなこと言っちゃアレだが読み物として面白かったです。
しかし骨太過ぎて並の人間にゃ無理です。
著者もその辺はやっぱりご承知なようで、対象をビジネスパーソンとかエリートとか、割とふわっと言ってますよね…。部分的に、大いに参考にさせて頂きますです。
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【出会い】
東洋経済の特集に新刊が出たとあったので。
【概要】
読書に充てられる時間は限られているので、熟読・速読・超速読の使い分けが重要。
基礎体力を身につけることが第一であり、それがなければ速読はできない。
【感想】
ただ量をこなせというはなしではなく、熟読と対になった速読という方法には説得力がある。
しばらく試してみたい。
基本的にアナログなやり方だが、これが今後のデジタル化時代にどう応用できるか。
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社会人の読書基盤として、高校の教科書を活用して知識ギャップを埋めるという方法。今の勉強に疑問を感じている高校生に読んでもらいたい。