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「すんきゃー面白かったさー」と、とりあえずウチナーっぽく書いてみる。
まず、設定がとても面白いですね。記憶喪失、沖縄、森の中、無一文の状態から世界が広がっていく感覚のでまずこの本の世界に引っ張られます。あとは刻々と変わりゆく主人公ギンジを含めた登場人物達の人格と言うか、明らかになっていくそれぞれの本質いうか現実というべきか。
最終的にクライマックス感はありませんが全体を通して飽きさせず、重たさと軽率さとか、闇とか能天気さが入り交じっててとてもとても楽しめました。700頁位ありますが一気読みできます。おすすめです!
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すでに単行本で1回読んでいた本ですが、本屋で文庫を見かけ、「あ、ズミズミの人が出てくるやつだ」と思わず購入。
序盤はやはり、「僕」が一体どこから来た何者なのか、というのがすごく気になる。
意外と要領よく所持品を増やしていくことに驚いたりして。
「僕」だけが語り手かと思ったら、昭光も語り手になる部分があり、結構いろいろ考えてたのね、と興味深かった。
釜田が出てくる辺りから、沖縄の政治がらみ…基地がらみのことが出てくるけど、北海道もそうだと思うけど、沖縄も移住者多そうだから、いろんな問題があるんだろうなあ、と思った。
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序盤から<僕>が僕自身分からないという、とても興味を惹かれる題材で、夏生の洗練された文章にただただ引き込まれていった。
そして、この記憶喪失の男と共に人生を漂流することとなる宮古出身の慈叡狗(笑)、いや昭光。
この全く正反対の二人が、同じ社会の荒波に揉まれ、現代における若者の抱く問題に直面していくという話。
沖縄を舞台にするのはとても面白いと思ったし、昭光章の四分の一くらい何言ってるか分からない感じも、かえって宮古という世界で生きてきた一人の若い男の吐露だとリアルに感じられて、深く心に残った台詞も多い。
だが、如何せん長すぎる気もしたのだった。
DV、集団自殺、低賃金労働する外国人労働者の現実、沖縄の政治、ネグレクト、ワープアなどなど……これだけ書けば長くなるのも当然かもしれんが。
工場での場面ではどうしても『OUT』のときの弁当工場を思い出してしまいいっそう鬱に。この逃げ場のない繰り返しの中で、どこまでも堕ちて駄目になっていく感じ……ギャー!
それだけ夏生は、そうした社会の光の当たらない部分に生きるものを描くのに長けているのだと改めて感じる。
果たして昭光が闇を抜け出し、新たな自分に少しだけ成長したラストがこれでなくてはいけなかったか? と少々納得がいかなかったが、これはきっとどちらかというとギンジの物語であり、ギンジが新しい身体を手に入れるために(新陳代謝的な意味で)必要な儀式だったのだろうと無理やり思い直した。
それでもやはり全体を通して詰め込みすぎな印象があり、どの問題も表面的なところしか浚えていないという印象を受けてしまう。
確かに生きていく中で、たった一つの何かに囚われて変化していくのが人間ではないけれど、どことなく消化不良な感覚が残ってしまった。
今後はこの社会的側面のどれか一つにどっぷり浸かったものを読ませてもらいたいなと思う。
もっともっと内省的な、どこまでも深く潜っていくようなものを。
これのおかげで読み終わるまで「ズミズミ」だの「フラー」と言わずにはおられん病を患い、日常生活に少々支障が出たでござるよ。オゴエッ!
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『僕』が何者か分からない青年が何かに追われる序盤と、正体が見え隠れする中盤から、何ともやり切れない終盤ほぼ全てに絡む、能天気で無責任、女の子大好き!の宮古青年が繰り出す宮古弁が唯一の救いのよう、、、。ズミズミ、上等!
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700ページ弱。一気に読めた。東京島以来の桐野作品。基本的に彼女の長編はすべて買って読んでいる。文庫化してからだけど。
僕の中でグロテスクを超える桐野作品は未だ出現していないのだけど、今回のメタボラも同様だった。なんだろうな。彼女独特の毒々しさが突き抜けないというか。正直東京島が谷崎賞取ったのも疑問。今後の長編に期待。
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旅は死に似ているというフレーズの通りに死に向かっていくかのように転がっていく若者たちのお話。ラスト、ギンジは光を取り戻したのか、死の影から逃れられないのか。。
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なんだか、まだ余韻が残っている感じ。残り1/3くらいからは、クライマックスに向けてグイグイ引っ張られた。そして予想だにしなかったラスト。さすがだなあと思いました。
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この人の作品、やっぱりあんま好きでない。。。
最後どうもっていくのかなーと思って一気に読んだけど、
うーーーんって感じの本。
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沖縄を舞台にした作品は、4冊目かな?でも、今まで読んだ本よりは、現代の沖縄って感じも垣間見ることができます。
でも、やっぱり少し暗いお話なので、なかなか進まなかった。
暗いというのは、人間のエゴというか本心というか、そういうのが結構深く描かれていて、朝から読むには、凹むのです(苦笑)
記憶喪失になった主人公が過去を思い出すのだけれど、
自殺した父親の最期を何度か思い出す場面が、
なんとなく人間というか、私もそうなんかなあ〜って思うのです。
暗いけれど、ジェイクの宮古言葉は、素適でした。
ちょっとうつってしまった。
あれこれ考えるより、素直が一番ですね。
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重くてずっしり響いた
生きるって、多少ずるくて貪欲になるものだけどこんな悲しいように必死にならないと生きられないこともあるんだよな
とにかく生き延びる為に色々行う主人公ですが、
自分の中の真実に目覚め、過去を振り返る場面から“事実”という別の重さが胸に残ります
現代社会の生き辛さ、重さをずっしり残した作品
いつ、何に絶望してこんな風に進んでいくかなんて誰にもきっと分からないんだろうな
最後の場面が不安で終わった
出来るだけ遠くに、逃げ延びて欲しい
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なーんか、好きじゃないわ。
ストーリーがいろんなものをプラスして構成されてる感じ。デブな構成の仕方だと思った。
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沖縄に移住する若者、ドロップアウトした若者、家庭崩壊、ゲイ、ネット自殺。暗いとにかく暗い。だが深い。現在の日本の日陰部分にスポットをあてた問題作といったかんじだ。
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分厚い本でしたが、サクサク読めました。
桐野作品は数多く読んでますが、
何だかいつもとは違った感じがしました!
主人公が男の人だったからかなー?
しかし、桐野夏生が描く女の人って
本当ムカつくヤツが多い!
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記憶を失った青年としがらみから逃げ出した少年の物語。
葛藤、悩み、憤りなどがそれぞれの視点から語られる。
さすが桐野さん。
単なる成長記だけでは終わらせない。
とにかく暗い。
そして救いようのない話でした。
でも読み終えたあとのもの悲しい気持ちは好きでした。
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重かったですなぁ~。
途中なんでか私がヘコみました。
でも沖縄弁のリズムが心地よく。
アキンツのキャラが読書を前進させてくれました。