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むかしの言葉でわかりにくい表現が多いけど、本人の文書は響く。何を考え、なぜ行動したのかがよくわかる。
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1. 概要
渋沢栄一が講演会で述べた生い立ちをまとめた本。本人談の貴重な内容となっている。
2. 感想
論語と算盤を読み、渋沢栄一についてもっとしりたくなったために手に取った本。
勉強不足から渋沢栄一という人物について知識がなくとても興味をひかれたのだ。
この本では、渋沢栄一が子供の時からどのような生き方をしてきて、幕末から明治までの激動の時代にどのような人生を送ったかを知ることができる。
1人の人間としてとても尊敬できる方だ。今まで知らなかったことが恥ずかしい。
さて、渋沢栄一という人物は、近代日本を語るうえで避けては通れない人物だろう。あらゆる大企業の発足に関係している。
読みながら感じた渋沢栄一という人物については、質実剛健で実直である反面、納得のできる意見には柔軟に耳を聞き入れるバランス感覚のとても優れた人であるということだ。また、歴史の行く末に対して先見の明を兼ね備えており、それに対する実行力もずば抜けている。マネジメントする上では、しがらみなどは無視して適材適所を貫く、自分より優れいている者を登用する見識の広さ。
内には「剛」と「柔」が共存し、時代や人を見抜く「目」があった人物ということがひしひしと伝わってきた。
幕末から明治に生きた人物としてもう少し注目されてもいい人物だ。
3. 総合評価
近代日本の発展、その中で活躍した人物の熱い思想や行動力、その時の感情などを知りたい人にはぜひおすすめしたい一冊だ。
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渋沢栄一の回顧録。渋沢栄一の幼少時代から大蔵省を辞職するまでのさまざまな経験が語られます。(第一国立銀行にはじまる実業界での活躍は含まれません)
この本で面白いのは、なんといっても人生の大転換です。尊攘倒幕に命を懸けると意気込んでいた青年が、反対に一橋家の家臣となり、幕府の衰亡したあとは大蔵省、そして実業界へとめまぐるしく変転する。それは、時代の流れを糧として自分を作り上げ、多大な功績を遺したと言うこともできるでしょう。
一人の偉人の人生を通じて、時代の激動ぶりが感じられます。
もうちょっと中身に踏み込んだメモ:http://dolce-sfogato.hatenablog.com/entry/2016/02/18/185217
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渋沢栄一の自伝。学生時代城山三郎のゆうき堂々を読んだ時のことを思い出しながら読んだ。渋沢は確かに経歴だけ見ると天候を繰り返しているようにも見えるが、この回顧談ではその時その時で彼が誠実に考え悩み決断していったことがうかがい知ることができる。
ちょくちょく面白いエピソードがあり、高崎藩襲撃計画とか、三島(みちつね)とけんかになりそうになった話とか、新政府における人間模様とか。ただいろいろ気を使っているのか、そんなに悪口や裏話がぽろぽろ出てくるわけではない。そんなところも彼の誠実さであり、結局は成功の背景なのかもしれないが。
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2021年大河は渋沢栄一を描く「青天を衝け」主演は吉沢亮さん。
新一万円札の顔としても注目される渋沢の生涯に注目が集まります!
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2019年4月の読書会 課題図書。渋沢栄一の語りを文字に起こしたもの。商業界デビュー前の幼少期・尊攘倒幕・一橋家仕官・フランス留学随行・大蔵省で制度づくり→辞職 まで。
はしがきより
・ゆづりおく このまごころの ひとつをば なからむのちの かたみともみよ
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栄一の少年時代から明治6年に大蔵省を退官するまでを、栄一が口述したものを弟子が筆記したもの。
とつとつとした語りで、攘夷論に高ぶる空気や、高崎城焼き討ち計画、一転京都での一橋家仕官、そこでの仕事などが詳しく語られている。一橋家で兵を整える案が通り領地の備中などで隊員を募るもなかなか集まらず、村の学者と話し剣術家と手合わせするなどして隊員を集める話や、フランスへの随行中に随身の幕臣と水戸家で意見が違うと仲裁してうまく収める。そのやりかたがうまい。どちらも納得するようにしてはいるのだが、基本はけっこうバッサリ、いやなら帰ってもらえばよろしいのです、というのが基本姿勢。
明治2年10月から明治6年5月まで政府に出仕し租税、大蔵関係で働くが、「量入為出の方針により各省経費の定額を設けその定額により支出の制限をさだめようとした」「理財の要務は、まず第一に大蔵省において国庫の歳入総額を鮮明に調査したうえで政府は歳出を議定すべきものであるが」各省から政費を請求するのが多くなり特に司法省、文部省が「激請」するのを拒否、だが政府は許可、という事態に辞職。今の各省の財務省への予算ぶんどり合戦はもうこの時に始まっていたのだなあ。
仕事の話が中心。父の話は出てくるのだが、妻子の話は2,3行あるのみ。京都での一橋家時代、上司が芸者を夜の伴に配したのを、こんなつもりで仕事をしているのではないと部屋を飛び出した、と語っている。その後「渋沢家三代」を読むと、京都・祇園の名門のお茶屋が孫敬三とは昭和8年頃からのつきあいだ、というくだりで、「この店は幕末からつづいていて、なんでも栄一さんがその頃からひいきにしていたそうです」という話がある。
この口述を読む前に「渋沢家三代」をちょうど明治に仕官するまでを読んでいた。なので事項をより詳しく確認する形だったのだが、この「雨夜譚」を読んだ後、「渋沢家三代」を最後まで読んだ。息子、孫だと、偉大な栄一の影響が大きく影響している。基本父を愛してはいるのだが、うまくゆかなかった。
口述は、栄一自身からみた栄一の生き方。表の栄一の姿。家の中、妻や子からみるとまたまったく別な人なのかもしれない。
1984.11.16第1刷 図書館
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渋沢栄一版の福翁自伝的な本。口述が昔のままだからとにかく読みにくくて内容がほとんど伝わらなかった。久々途中で断念しそうになった。現代版にやさしく編集し直した本がもしあったら改めて読んでみたい。
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渋沢栄一が話したことを聞きとったものである。話しとして面白いので、このまま大河ドラマのストーリーになっている。すべての足跡を説明しているのではなく、自分の青年期で、徳川から明治の移り変わりのなかでどのように行動したかを描いたものである。
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大河ドラマを観て渋沢栄一の生涯をもっと詳しく知りたいと思った方にオススメです。
所蔵情報:
品川図書館 289/Sh21
越中島図書館(「日本人の自伝」1巻に収録) 281.08/N 1/1
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渋沢栄一の自伝的著作。渋沢栄一が自身の歴史を語り、弟子がそれを書いてまとめたものである。
明治時代の自伝としては福沢諭吉の福翁自伝が有名だが、それに劣らない面白さがある。
福沢諭吉が「封建制度下では、上の者は傲慢に、下の者は卑屈になる」とを批判していたが、渋沢栄一も同様の批判をしている。
渋沢栄一の自伝が面白いのはそんな封建主義的な時代に、近代的な理性を持った人間が、その中で葛藤して道を切り開いていくからだろう。
私は大河ドラマを見ていないが見たくなった。(その前に論語と算盤かな。。)
雨夜譚が扱っているのは渋沢栄一の出生から大蔵省退官まで。
併録されている「維新以後における経済界の発達」という維新後の渋沢栄一の仕事が語られているのも興味深い。