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現在大躍進を遂げている中国のたった50年前の「大躍進」政策。餓死、拷問等々で4500万人以上の死者が出たと言う。何でも中央でコントロールする計画経済の陥る最悪パターンの集積。中国市場スゲーと関心するだけでなく理解しようと努力するとき避けては通れない歴史。
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大企業病と良く似てるな、と感じた。程度の酷さは、中国の方が遥かに上だけど…。
数値目標を掲げて、トップにノーと言えない空気で進めると、何が何でも計画遂行するコト自体が目的になってしまう…。
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アクセス可能となった中国共産党の文書に基づいている。
当時の政治情勢もよくわかる。
本書では少なくとも4500万人が本来避けられたはずの死を遂げた、少なくとも260万人が拷問死あるいはその場で処刑と推察。
大躍進の結果、毛への批判が高まり、それを回避するため、文化大革命をは発動。
大躍進は、ソ連への対抗から、15年以内、イギリス(鉄鋼生産)を抜くと1957年11月に公言してから。
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中国では、「天安門事件」でさえ検索しても情報統制されており、中国の一般人が知ることはできない。
人災規模では、天安門事件がかすんで見えるこの「大躍進」という毛沢東の失政については、まだ当時を知る生存者がいるはずなのだが、その実態がよくわかなかった。
著者は残された公文書を読み込み、その阿鼻叫喚の状況をつぶさにレポートしています。
ここで素朴な疑問ですが、なぜこれほどの餓死者を出した明らかな失政に途中で歯止めがかからず、さらに党内で問題視されなかったのか、それは毛沢東の個人権力が強大すぎて、反対者が弾圧されたからに他なりません。
当時の権力闘争の中では、反対者が粛清され、従順な側近しか生き残れなかったというのはわかるが、今でもなお毛沢東が多くの中国人に支持されているのは、やはり歴史教育のせいだろうか?
そして今また、長期政権の習近平国家主席もまた自己の個人崇拝への道を進んでいるかのようで、歴史に学ばない中国の悲惨な歴史は繰り返すのか・・
本書はもちろん中国では禁書扱いなのでしょうが、大躍進の後起こった1966年から10年続いた文化大革命までを大きな権力闘争による人災(20年弱の期間であわせると1億人以上の死者なのでもはや虐殺?)としてみれば、その恐ろしさと凄まじさがよりわかります。
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1958年から62年まで毛沢東の政策である「大躍進」によって、大量の食料が失われ、数千万の市民の命を奪った大飢饉が発生した。個人ファイルを保管していた部署の記録から、その実態を解析したのがこの本。 毛沢東が権力を拡大していくきっかけとなった政策は、中国人民に多大な負荷、犠牲を払わせた。 亡くなった人は4000万人以上と推定され、一人の指導者によるものとしては前代未聞のスケールだった。なぜこのような事態になったのか、その経緯と結果をいくつかのカテゴリーに分けて考察する。
毛沢東の政策推進の裏で市民を弾圧する残酷な事例が沢山出てきて、読み進むのが辛い感じがあった。指導者が自分のメンツのために多くの人たちを犠牲にする。一人の命は、単なる統計上の数字として語られる。共産主義という理念が至上命題とされ、現実を見て見ぬふりをする。数字をよく見せるために粉飾は当たり前、ウソがまかり通る社会。共産主義の実態を見ると、様々な不具合を抱えていることがわかる。毛沢東は、世界の偉人の一人とされていた時代もあったが(中国では今でもそうだが)真実を知ると、ヒトラーやスターリンと同じレベルの独裁者であった。この時期の時代背景もあるけれど、それにしても酷い人権侵害で、現代の視点で見るととても耐えられない。それから60年経って、現代の中国に通じるところがあり、基本的に毛沢東の時代と今も変わっていないようだ。この本を読むと、日本に住めることの幸せを感じる。
追記:戦争を仕掛けたプーチンのロシアも似たようなものだろう。国民は情報統制され、既に「情報の大飢饉」に見舞われているような感じがする。