投稿元:
レビューを見る
表題作から引用させてもらったが、確かに日本人はそうかも。
余暇をたくさんキープしてだらだらしたいもんです。してるか。
投稿元:
レビューを見る
リアル。医療文献をコピーしてお客さんに提供する会社に勤める主人公がひとりで2年間アメリカ赴任。同僚も友人もいない環境でアジア系、日本人、と括られつつ地下鉄サリン事件に揺れる日本からは切り離される。かといってアメリカ社会に馴染めるわけでもなし。医学図書館、事務所兼自宅、娼館、日系スーパーを巡る、どこまでも自由で孤独な日々。
投稿元:
レビューを見る
意図してそうしているのか、そうでないのかはわからないけれど、「船に乗れ!」の残像を求めて読むと、えらいしっぺ返しにあう。
「新潮」掲載の3作収録。
「我が異邦」は、「ヰタ・セクスアリス」なのか?と思いながら読んでいくと、エミリ・ディキンソンに着地。
「ふける」は逃避行の顛末をなぞっていく。偽悪か?とふと疑ってしまうほどなのであるが、いやいや。
「日本私昔話より じいさんと神託」の語り口はコミカルでもあり、ちょっと斜に構えた感じもあって、私はこの3作の中で一番面白く読めた。
ま、確かに「私には仕事もあれば、酒もあれば、他人への罵倒も、喫煙も、昔の女もある」わけで、彼の全体からすれば、「船に乗れ!」のほうがむしろ青春寄りの異質な作品なのかもしれないが。
描く対象やテーマがなんであれ、一貫して正直であること、真摯であること、が、この人の特徴なのではないか、と思う。
正直さ、真摯さは、時に、小説家としての意義と矛盾するものかもれしれないけれど。
この人がこの先どこへ向かおうとしているかは皆目わからないが、どこへ向かうにしても、この真摯さは武器として持っていたほうがいいのではないか、と思われる。
投稿元:
レビューを見る
中編の「我が異邦」と、短編二つ。「我が異邦」で扱われた医療関係の論文のコピーサービス会社に勤めていたというエピソードは、別の短編でも取り上げられていた。おそらく作者の実体験なのだろう。日本社会から遊離した人間嫌いの男が、会社の派遣によるアメリカでの一人きりの職場で孤独に暮らす中で、人とのかかわりを求め始めるというような話。人嫌いと人間関係への飢えという葛藤がとてもよく描かれていた。のこりの短編はシュールすぎてついていけない。
投稿元:
レビューを見る
名前も知らなかった作者の短編小説集、バーカウンターを描いた表紙に引き込まれ、まるで見知らぬバーで一杯飲むように読んだ。主人公(作者?)の感じ方が自分と似ているところがあったり、ある一文に少し考えさせられたり、なかなか面白かった。
投稿元:
レビューを見る
「船に乗れ!」を書いた人だと思って読んでみたがリアルというかシュールというか。3つの短編の中では2つ目の「ふける」が良かったかな。新宿の南口から突然、逃避して金沢に行き着き、まあ何はともあれ風俗店を探すが最後にはメンドクサクなってラーメンをすするというような意味不明なストーリーだけど、昔の自分みたいで気分が悪くなる。
藤谷治さんは、多分、普通の男のそのままを、えぐるように書くのが好きなんだろうな。自虐作家と呼びたい。
投稿元:
レビューを見る
Washington,DCの,また世田谷の風景があちこちに出てくる短篇集だ.支離滅裂な生き方をしている主人公のようだが,何か好感が持てる不思議なキャラクターを彷彿とさせる.
投稿元:
レビューを見る
仕事でアメリカに赴任した短い数年の出来事。
日本では地下鉄サリン事件が起きた年で、ワシントンD・Cは大雪が降ったなかで
友人もいない異国での、たった一人での静かな生活。
国籍も様々なそっけない国で誰もが差別に敏感で
風俗店で知り合ったエミイは店を逃げ出して
日本の知り合いはオウム真理教に皆が傍観者だった。
その他短編。
新宿から金沢まで逃亡劇。
メタボ解消のためのサイクリングと、その途中で出会った世田谷の壁を見つめる老人。
最後のじいさんの神託はちょっと不可思議で不気味だった。
村上春樹の影響受けすぎかな~。
カッコつけている感じが鼻持ちならないけど
嫌いじゃあないよ)^o^(