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シーボルトの息子を主人公にした新しい幕末青春小説。実際の主人公は欧州で革命を主導し、ロシアで収監されシベリアに流刑、その後幕末開港横浜を経由して欧州に戻り全世界を相手にしたロシアの「革命家バクーニン」。 後年シーボルトの息子が書き残しているものから、点と点を繫いで列強側からの視点で幕末の動きを見ているのが新しいが、歴史小説としての評価はなかなか難しいか。
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追放されたシーボルトのその後や、家族のことをまったく知りませんでした。
老年のシーボルトが再度日本に戻り、息子たちが日本で活躍していたことも、本書によってわかった程度。
幕末へと進む時代の物語は、私にとってはなじみがなく、そうだったのかと、当時の人々の動きに感心しました。
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シーボルトの息子であるアレクサンダーが、父に同行して日本を訪れた際、ロシアの革命家バクーニンらとの交わりが描かれている。
革命家とは、やはりとてつもなく魅力的な人間でなければ、できないものなのだろうなぁと感じた次第。。。
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葉村麟の小説を買うのは初めてで楽しみにしていた。
シーボルト事件の30年後、黒船来襲に沸き立つ時代にシーボルトは13才の息子を伴い再来日し幕府の外交顧問となる。対馬を占領しようと目論むロシア海軍、イギリス公使館襲撃事件を梃子に日本に食い込みを図るイギリス、日本の革命を先導しようとするロシアの革命家などなど多彩な人物が織り成す物語のようだ。
ようだ、と言うのは本書を最後まで読み続けることが出来なかったからだ。その最大の原因は性に合わない文体だ。シーボルトの息子の独白という形で綴られている本書なのだが「わたしは・・・です」「わたしの・・・です」「わたしには・・・・です」とまるでどこかのお嬢様が革命の話をしているかのような生理的嫌悪感を引き起こす感じだ。
言い方を変えるとその言葉使いはあたかも中学生が英語を和訳したかのような違和感というほうが判りやすいだろうか。ひょっとすると作者は外国人であるシーボルトの息子であることを強調しようとして敢えてこうした翻訳調文体を選んだ可能性もあるのだが、残念ながら自分には相性が悪すぎた。
読んでいて苦痛であり、最初の30ページで止めようとしたが必死で頑張り何とか半分くらいは読んだのだがそこで断念。葉村麟の評価は次作に持ち越しだ。
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「KENZAN」連載の単行本化。
50歳を過ぎて遅咲きデビューの作者だが、『銀漢の譜』を始め、厳かな感動を覚える作品群は、直木賞に近いと感じさせる。
私はこの本を読むまで、寡聞にしてシーボルトが開国後に息子を伴って再来日していたことを知らなかった。
作品は息子アレクサンダーの一人称で書かれている。
30年を経て追放を解かれたシーボルトは幕府の外交顧問に迎えられるが、この物語の真の主人公はシベリア流刑から脱出してきた革命家バクーニンで、アレクサンダーは彼を探るように父から命じられるが、しだいに彼の生き様に惹かれていく。
バクーニンは世界に革命を広げる一環として、攘夷派の日本人に反政府運動を焚きつけ、イギリス領事館を襲撃させる。
外国奉行小栗忠順(上野介)は、ロシア艦隊の対馬占領の陰に、ロシアのスパイとしてのバクーニンの存在を感じ交渉材料にしようとする。
米欧を視察してきた小栗は、列強に開国させられた日本が植民地化されないためには、造船所を作って軍事力を強化し、藩を全廃して将軍を大統領とする共和制に進むしかないと、ある意味で革命をしようとしていた。
この二人は横浜で会い、その場にアレクサンダーがいた。
明治維新を世界の革命運動の影響によるものと見る大胆な見方を、この二人の考え方を切り口にして描いて見せている。
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シーボルトの息子が語る幕末の話。ロシアのバクーニンがよくわからんけど大変な人物らしい。みんながバーで話してるとドアを開けて入ってくるパターンが多い。かぎつけてくるみたいな。あったことを淡々とかくので読んでいてしんどい。
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「異人斬り」が横行する幕末。全世界を相手にしたロシアの大革命家が、横浜の地に降り立った。妖しい光を放つその男に、日本の若き学命家たちは吸い寄せられていく。そして同時期、30年ぶりの来日を果たしたシーボルトと、息子アレクサンダーもまた、危険な革命家と出遭う。父から託された一挺のピストルを手に、アレクサンダーは決意する。わたしは、バクーニンと対決しなければならない。
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幕末の日本に戻ってきたシーボルトとその息子。
各国が日本をめぐる利権を狙ってうごめく混乱の中で、外国人向けのホテルで出会ったロシア人の革命家や、幕府側の交渉者、尊皇攘夷派の武士や浪人たち。
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時は幕末。日本を再訪したシーボルトと、息子アレクサンダー。
滞在した横浜のホテルで、ロシアの革命家・バクーニンと出会う。剣吞な雰囲気を持ちながら、抗いがたい魅力もある彼に振り回されるアレクサンダー達と、日本が抱える外交問題を絡めて話が展開します。バクーニンの狙いは何なのか・・。淡々と話が進み、淡々と終わる印象です。
因みに、“バクーニン・カクテル”は、絶対に真似してはいけないけどストレス解消に良さそうだと思いました。