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内容紹介
いま、自分が呼吸し、生きているのが、この人生でよかった――。
尽果(つきはて)に暮らす人々とそこに流れ着いた青年が
“終点”から引き返す勇気を得るまでを描く、感動の成長小説。
東京・神楽坂の老舗料亭「吟遊」で修行をしていた及川紫紋は、料亭で起こったある事件を機にすべてを失った。料理人としての夢、大切な仲間、そして、後輩・悠太の死……。後悔と自暴自棄な気持ちを抱えて、職場から逃げ出した紫紋は、人生の終わりの地を求めて彷徨い、“尽果”(つきはて)という名のバス停に降り立った。行く当てもなく歩くうちに、崖っぷちに佇む小民家「まぐだら屋」にたどり着く。戸を開けると、鰹の香りがいっぱいに広がる店内とカウンターのかたわら作業する女性に紫紋は目を離せなくなる。その女性は、皆からマリアと呼ばれ、店に訪れる客たちに素朴であたたかな食事を振舞ってくれるのだった。マリアとの出会いで紫紋の頑なに縮こまった心と体が解きほぐされていく。所持金も、行くあてもない紫紋は己の過去を隠してまぐだら屋の手伝いをするようになる。マリアに惹かれながらも、自身の過去が枷となり葛藤する紫紋。だが、そのマリアも聞いてはいけない大きな秘密があるようで……。彼女の左手薬指の切り落とされたような傷、一人暮らしの部屋に置かれた2つの位牌、まぐだら屋の老女将が残した言葉――彼女の過去に秘められた壮絶な事件とは。そして、紫紋は再び未来へ踏み出すことができるのか。まぐだら屋に集う人々と人生の目標を見失った青年が、“終点”から引き返す勇気を得るまでを描く、感動の成長小説。
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超有名料亭で働いていた男性が、料亭である事件にまきこまれて死に場所を探してバスに乗り、たどりついた場所「尽果」。
そこにあった料理屋で「まりあ」と呼ばれる女性に出会い、生きようと決心する。
今回のマハさん作品は結構ダークでした。
しかし、最後まで救いがあってよかったーー!
料理の世界での暗い部分と、素敵な部分がミックスしていて考えさせられました。
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マグダラが鮪と鱈とは…
マリアが有馬りあとは…
意表をつかれました。
全体的に、
おとぎ話っぽいというか、
現実と非現実のはざまにあるような雰囲気で、
ディズニーのアニメを見るような心持ちで読みきりました。
料理がどれもおいしそうだった。
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それぞれに苦しみを抱えているのに、一生懸命に生きて行こうとする姿に勇気づけられた。薬指が無い理由には驚かされたが、赦すということについて、考えさせられた。
前だけを見て生きようとする、登場人物たちには拍手を送りたい。
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いろんな意味でいやされる物語でした。少し不思議な世界が漂っていてストーリーに吸い込まれるよう・・・。
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尽き果てる寸前の命を、温かく受け入れ、救ってくれる場所。
『まぐだら屋』の店主マリアと、ある事件でいろんなものを失った料理人紫紋の話。
いつも笑顔でふるまう姿からは想像もつかないほどの、壮絶な過去を持つマリア。本当の愛を知った女性の強さ、か。
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マハさんにしてはダークなお話。
登場人物の名前にキリスト教を絡めたのは
『贖罪』的なものを描きたかったからかな。
ちょっと大げさじゃないかというところもなくはなかったけど
ダークなのはダークなりに最後にちゃんと救いが用意されてる辺りは
やっぱりマハさんだなーと思った。
とはいっても手放しでハッピーエンドとはいえなさそうなところは
いつものマハさんとはやっぱりテイストが違う。
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【まぐだら屋のマリア】 原田マハさん
念願の高級料亭「吟遊」で働けることになった及川紫紋。「吟遊」に勤めていた、というだけで料理会では一目もおかれるような老舗料亭だ。紫紋はココで料理を学び、いつか母に自分の作った料理をご馳走したいと思っていた。数年勤め上げ、やがて後輩も出来た。しかし、その後輩・悠太は「吟遊」の暗部を内部告発し、自殺してしまう。「悪いのは及川さんじゃありません、自分です」という言葉を残し・・・
悠太は自殺をする直前、紫紋に何度も電話をかけていた。悠太が死と生との間でゆれていた頃、紫紋は仲居の晴香と会っていたのだった。
悠太の「死」を目の当たりにし、紫紋は絶望し彼自身も「死」を求めさまよい、「尽果」という地に降り立った。その「尽果」で紫紋は「まぐだら屋」という料理屋と、そこを切り盛りするマリアという女性と出会う。マリアは紫紋のコトは何も問わずに食事をご馳走してくれ、宿までも世話をしてくれた。話に聞くと「尽果」という地は元来、行き倒れや罪人が流れ着く街であり、そういった人々を受け入れる風土が人々にも根付いていた。
やがて紫紋はこの地でマリアの手伝いをするコトになり、「尽果」の人たち
とも馴染んでゆくが、紫紋の心には「吟遊」でのわだかまりが残ったままだった。
☆
この本もGood。。人生に絶望し、罪悪感に打ちひしがれた人たちがたどり着く「尽果」。この地の人々は責めもしなければ慰めもしない。マリア、紫紋、丸狐・・誰もが「死」を願い「許し」を乞うて、この地に引き寄せられ、そして立ち直りふるさとへ帰っていく。希望のあるいい本でした。。
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様々な過去を抱えた人々が集まってくる"尽果"の村。
紫紋もそんな一人だった。
行き着いた[まぐだら屋]という定食屋。
そこで働くマリアや周りの人達との生活で紫紋は大事なものを取り戻していく。
切なく、時に衝撃的な感動の一冊。
2012.9.16
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原田マハの物語は、救済の物語だ。いつも傷つき疲れ果てた人を、同じように傷ついた人が包み込み、癒していく。
暖かくて大きくて、そんな人ばかり出てくるのに、嘘くさくなくて、寄り添ってしまう。
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またちょっと泣けた。もう原田マハはそういうものなんだな。ちょっと続けて読みすぎて食傷気味だ。割烹の使い回しは例の事件を受けて思いついたんだろうか。料理長と不倫し、悠太とも付き合い、紫紋とも寝るなんて、晴香はかなりひどい女だと思うけど、それも弱さとして許せるものなんだろうか。私だったら嫌だけどなー。紫紋の人生も、マリアの人生も、女将の人生も、ほんと切ない。なんて辛いことが起きるんだろうと思う。不倫するのってこんなに悲劇を生むのか。マリアがまだ高校生で教え子だったからそうなったのか。しかし女将はよく許したよ。代々罪人を受け入れてきた家柄だったのに、娘は夫を許せなかったのか、とちょっと思う。娘が悪いわけじゃないけどさ。道連れにされた娘がかわいそうだ。丸孤のお母さんからのメールがどんどん入ってきたとこは泣けた。
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絶望、逃避、出会い、成長、別れ
「尽果」という地域には、人生を終わらせようとした人がやってくる。
そこに暮らす人々は、お互いの過去を無為に詮索せず、しかし温かい付き合いをしている。
そこにやって来た、紫紋も死のうとしてこの土地にやって来た。
美味しそうな匂いに惹きつけられて入った定食屋「マグダラ」。
そこで出されたご飯が紫紋の心を癒した。
店主のマリアに惹きつけられ、彼女の手伝いをし始めるが、彼女も過去に。
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人には色々と抱えているモノがあり、その抱えているモノを少しでも楽にしてあげられる、人の優しさや包容力、そして食。死んで詫びるより、生きて償うことの息苦しさが、少しミステリアスに書かれた作品でした。
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いい人しか出てこない話は基本的に苦手なんだけどそこは目をつぶるにしてもアイコン的なエピソードの羅列が軽い言葉で続いていって、なんというか肉の入ってないはりぼてみたいな小説だった。登場人物全員がどこかしら被害者然とした構えなのも気に入らない。
あったかい系の話なのにぼかぼか人死ぬし。
何にも感情移入できない話だった。
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尽果村の定食屋に係わる人たちの話。
いつもとはちと違って黒原田な感じ。
紫紋の母ちゃんからのメールには泣けた。
母の愛は偉大だなぁ。。。