紙の本
泣いてしまった
2019/12/21 20:50
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投稿者:つきたまご - この投稿者のレビュー一覧を見る
このシリーズも最後かと思うと、悲しいです。
Zでかなり老いてしまっていて、心配したレーンさんでしたが、今回は元気そうにでてきて嬉しくなりました。ペイシェンスのことをすごく応援してくれますし。
シェイクスピアの話を絡めながら物語も進み、謎解きも面白かったです。
最後は、泣いてしまいました。
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事件や推理自体は正直地味。悲劇四部作の最終章としての意味合いが強いか。結末は賛否両論ありそう。
Zと本作はペイシェンスへの継承という意味合いから、セットな気がしますね。
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サム警部のもとに現れた七色のひげをした依頼人。託された封筒の中の暗号。
盗まれたシェークスピアの1599年版『情熱の巡礼』、代わりに置かれた更に貴重な1606年版の謎。
荒らされた容疑者の家、目覚まし時計に隠された謎。
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ドルリー・レーン氏に敬意を表して。
四部作最後の作品ということで、感慨深かった。ラストにも、うーん。。。と、しばし浸ってしまったし。
謎解きも比較的馴染みやすかった(真相にはたどり着けなかったけど)し、カップルの微妙な関係とお父さんの困惑っぷりが大変微笑ましかった。
エラリー・クイーンの描写は繊細にして余すところがなく、知的な文章であると思う。読むのに時間がかかるけど(クリスティーはわりとさくさく進む)
【以下ネタバレ】
レーン氏の犯罪に対する捉え方は、現代の警察的思考とは一線を画すものであるように思う。独自の善悪基準があり、裁くのもまた自分自身であったりする。それは、長くシェイクスピア劇の中に生きてきた中で培われたもので、最後まで貫き通した姿は、劇的な神々しさを放っていた。とはいえ、実際にレーン氏が生きているのはシェイクスピアの時代ではないのであって、そこに周囲の人々との感情的な齟齬も生まれてしまうのだろう。あんなに可愛がり、その知恵を賛美していた、愛すべきペイシェンスに、つらい思いをさせるべきではないと思う。彼女なら真相にたどり着くと、きっとわかっていたはずなのに。
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平凡な印象。
忍耐ちゃんが、自分の気がついてしまった真相を明らかにする場面はドラマチックだった。
この物語の登場人物、特に探偵たちは「自分>罪」な価値観を持っているように思えて仕方がない。
彼らの物語の前提として独善があることは分かっていたけれど、自己愛もリストに連ねなければならんことには読了まで気がつかなかった。
それは探偵たちの性格要素に過ぎないと思っていたよ。
思えば、二人ともナルシーなのは不自然だよなぁ。
そこを念頭に読み進めれば、良質のサスペンスとして楽しめる。
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「X」「Y」「Z」につづく最後。アラ、本当に最後なのね・・・
泣けてしまうわ、一途さに。
ペイシェンスってこんなにいい子でしたっけ?一緒に泣きました。
古書をめぐる学術的な記述など、シェークスピアネタが調所に。
深身のある一冊でした。
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頭が真っ白になる衝撃の結末。
まさか、、、、
『Xの悲劇』、『Yの悲劇』、『Zの悲劇』、『レーン最後の事件』の順にあまり間をおかずに読めたことを嬉しく思う。
前の3冊はタイトル通りの「悲劇」だった。
たぶんもう読み返さないだろうと思っていた。
面白かったけど、結末が分かっていて読みたい類の本じゃないと。
でも、『レーン最後の事件』を読んで、主人公について私が信じていた人物像が粉々に砕けたことで、このシリーズがより恐ろしく、だからこそより魅力的なものに感じられるようになってしまった。
「あれ」もそうだったんだ…。
「あれ」も演出だったのか…。
シリーズ全体の色合いが、レーンの推理と言葉から受ける印象が、ガラリと変わってしまった。
頭がぼーっとしてしまう。
たぶんまた読んでしまう。
このシリーズの輝かしい探偵役である名優は、今度は全く違う顔を私に見せてくれるだろう。
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レーン四部作の最後の作品。
前作Zでは、あまり登場しなかったレーン氏が、今作ではかなり登場するシーンが多く、ラストだからかと一抹の寂しさを覚えながら読み進めた。
四部作の中で最もどんでん返しが酷く、最も残酷で、最も悲しいストーリー。
サム警視の元を訪ねてきた奇妙な客から、ストーリーは始まる。
いたずらに見えたその依頼が、歴史を揺るがす大きな事件へと発展。
あまりにも混乱する内容だったが、ラストは本当に本当に悲しい終わり方だった。
しかし、四部作の中でこれが一番推理が難しく、一番面白かった。
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ミステリーというより、稀覯書をめぐる小説として楽しむ。シェイクスピアは改めて、西洋文明においては知識階級の教養なんだな〜と実感。今年2016年はシェイクスピア没後400年!
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サム警視の元へ舞い込んだ奇妙な依頼。
一通の封筒の保管、警備員の失踪、
観光バスに紛れ込んだ2人の男。
いずれの調査も徒労に終わる。
更に、博物館からシェイクスピアの
年代物の貴重な本が盗まれ…。
幾つもの不可解な謎を、
ドルリー・レーンはどう推理するか。
四部作のラスト。
世間一般の知名度は、X、Yの悲劇が
抜きん出ているが、
読み物としての面白さはこちらの方が
抜群に魅力的に感じられた。
派手な殺人事件は殆ど登場しないが、
非常に不可解で「面白い」幾つもの謎が
次々に提示され、
これらがどう結びつくのか
楽しみでならない。
シェイクスピアにまつわる美術、
歴史ミステリといった趣である。
そして衝撃の結末。
後半で気づく人は少なくないだろう。
だが、気づいたから何だというのだ。
このシリーズにあの結末を用意する
エラリー・クイーンの凄さ。
パズラーとしては今ひとつの物語
かもしれないが、読み物として
ドルリー・レーンという稀代の
名探偵を描いた作品として傑作だった。
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警備員の失踪と稀覯本盗難というシェイクスピアにまつわる小さな事件のその先に
1933年当時の読者たちをきっと大いに震え上がらせた悲劇が待っていた。
精緻なパズラー。
シンプルで強く衝撃を伴うロジック。
息を詰まらせるその衝撃の只中に投げ出され、閉幕。
四部作の一つ一つが「起」「承」「転」「結」の一つとしてちゃんとターニングポイントになっていてその構成に惚れ惚れする。
終点まで辿り着き
それぞれのターニングポイントの意味を噛み締める。
誉れ高きレーン四部作の完結編。
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自分の中で大切なモノは何か?その大切なモノを守るための選択が、時に過ちを犯してしまうのかもしれない。
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2018.9.29
衝撃。
過去作の感じと流れで後半から大体予想はついていたけれど、それでも読後、全身の体温が上がったように興奮が収まらなかった。
これを有名どころのX.Yで終わってしまった人は、悲劇シリーズの醍醐味の4分の1ほどしか味わえていないのでは。
4部作として完成されていた。ここまで読まないのはもったいない!!
というか、XやYばかり有名なのが理解できない!4作で圧倒的に衝撃なのは本作以外にない。
正直、過去3作は流れが綺麗で展開も上手いけれどありがちな内容だと思っていたが、これを読んでこのシリーズの印象がガラッと変わった。私の中で大変記憶に残る本となった。
作者の潔さ!気持ちいい!終わりも余計な説明なく、潔い幕引き。
ただこの興奮で忘れそうになったが、中盤終わりくらいまでは相変わらずの秘密主義にモヤモヤしたり、ロウがペイシェンスの推理を頭ごなしに嘲笑うところが鼻についたり、そらそうやろ!ってことをペイシェンスが得意げに語って賞賛を受けるところが腑に落ちなかったりした。
そこまでは前作に引き続き、エラリークイーンは合わないなあとか、最後までこの感じかあなどと冷めた気持ちで読んでいた。
こんなにモヤモヤしていたのに、後半で一気に4作の印象を覆したのだから、それほどの衝撃だったことは間違いない。犯人が想像できていても緊張や興奮が味わえる。
この興奮を味わうのに3作半かかるってのが痛い。今にしてみれば、もちろん4部作だから得られた興奮であることは分かるのだが、、、
もう一度一作目から読み返したい!
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ついに終わってしまった。
なんとも言えない最後に言葉を失ってしまった。
解説でもあったが、これは「Xの悲劇」「Yの悲劇」「Zの悲劇」を読んでから是非読むべきだ。
こんな素晴らしい作品が昔からあったなんて。
見事な4部作だった。
タイミング良く新訳で読めたのは非常にラッキーだったようだ。
あ〜、面白かった。
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【シリーズ】というものの醍醐味が初めて分かった気がします…(´;︵;`)
全てがあって完成品。
これはもう芸術です!
ドルリー・レーンシリーズ最終巻。
私立探偵となったサムの元に、カラフルな付け髭で変装した怪しい男がくる。
その男は、ある封筒を預かって欲しいと依頼。
一定期間自分から連絡がこなければドルリー・レーン立ち合いの元、封筒を開封しろと言う。
この奇妙な依頼を皮切りに事件に巻き込まれるサム元警視とペイシェンス。
レーン四部作の完結編。
「好きだから早く読みたい」気持ちと「好きだから最終回は読みたくない」気持ちが鬩ぎ合う。
昔ポワロ(私の読んでたシリーズはポアロではなくポワロだった)の最終巻「カーテン」を読むのが悲しくて、でも好きだから読みたいけどでも…と、未だに読めていない(^▽^;)
数年前に観ていた大好きな米ドラマも、最近ようやく最終回観たくらい。
話を元に戻して、
思えば「Xの悲劇」からこの完結編に向かう要素はあったのかもしれない。
「X」「Y」「Z」があっての「最後の事件」だ。
全てに共通しているが、細かく散りばめられた疑問点全てに意味がある。
その「意味」の傾向にとてもセンスがあり、もうすっかりエラリー・クイーンの虜になってしまった…(′;ω;`)
ミステリだけではなく、様々な観点から総合して最高傑作です。
私の目の奥にはハムレット荘の美しい光景と、庭園で日光浴をしているレーン。
傍に立つサム警視とクエイシー。
走り寄るペイシェンスの笑顔。
すごく愛おしい作品に出会えました。
私の好きな小説10選に入ります。
ネタバレしたくないから多くは語りません。
私が言いたいのはひと言。
「最初から全部読んで。絶対後悔しないから!」
(>□<)