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電子書籍
江戸時代の奴良組
2023/12/30 00:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ao - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸時代の奴良組のお話で、百物語組との因縁の始まりが描かれています。それにしても鯉伴が格好良すぎて痺れます。山吹も可愛らしい…!この二人が既にいないなんて悲しすぎます。現在もリクオの側にいる明治以前の側近の中で最後に奴良組に加わったのは黒田坊なのかな?この頃の首無は口が悪くてなんか可愛いです(笑)山ン本の執念怖っ!
紙の本
妖怪すら生み出す人の闇
2012/01/24 12:47
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
奴良リクオ率いる三代目奴良組が敵対する百物語組の起源は、二代目・奴良鯉半にまで遡る。時は五代将軍・徳川綱吉の頃。開府以来、繁栄の一途をたどる江戸の町には、その光に比例するように、色濃く影も落とされていた。
奴良組のシマの中に現れる、人間を傷つける妖怪たち。その存在を、畏れを生み出しているのは、山ン本五郎左衛門という豪商だった。百物語を行って妖怪を生み出し、それに人を襲わせることで畏れを集める。それに賛同する人々を権力者の中に見出し、それを拡大していく。
そんな現状を江戸の町を遊び歩いていることで覚った奴良鯉半は、その根源を探る中で、百物語の妖怪を守る黒田坊に命を狙われるのだった。
このシリーズは、妖怪が悪さをするのではなく、その力にみせられた人間の欲望が最悪の妖怪を生み出していくという含みのある構成で、そのために山ン本五郎左衛門はちっぽけな人間らしい人間として描かれている。その落差から妖怪を産み出す心の闇が凄まじいのだ。
安定した売上があるからこそ許される、主役が登場しない展開。でも、羽衣狐の依代として利用された山吹乙女が幸せだった頃が見られるので良いかもしれない。
おまけもたくさん収録されている。
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