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紙の本
中世譚と庶民の哀歓
2017/07/15 07:42
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投稿者:弥生丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
中世に題材をとった中編『ハーデルスレフフース砦の婚礼』、人生の明暗を描いた『桶屋のバッシュ』が、特に面白かった。
この第四集には、庶民の哀歓を活写したものが多い。中でも『桶屋のバッシュ』は、実直な桶屋親方の晩婚と子の誕生、妻の死、子の成長と自立、老年の孤独、彼を支える庶民の人情があますところなく描かれ、温かな読後感が残る。
一方『ハーデルスレフフース砦の婚礼』は、政略結婚をした騎士ロルフと少女ダグマルとの悲恋物語である。この物語では、心ない最初の夫を毒殺したロルフの奥方が印象に残った。ロルフと再婚するや彼に夢中になるものの、若く清純なダグマルに見返られてしまう女の悔しさ、悲しさは如何に。悪女として描かれている彼女だが、憎めないのである。
魔女狩りに題を得た『レナーテ』も、異色の作品である。宗教と迷信、教義と良心との葛藤が描かれる。円熟期のシュトルムを堪能できる巻である。
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