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「われわれグレイシー一族にとってマサヒコ・キムラは特別な存在です」、「木村の前に木村なく、木村の後に木村なし」と謳われた、柔道史上最強の男、木村政彦の生涯を描いた一冊。昭和天皇天覧試合を制するため師牛島辰熊との想像を絶する猛稽古、力道山とのあの一戦、世界中を彷徨うように戦い続けた日々、その後の人生など、波乱に富んだ生き方に圧倒された。700ページの超大作ながら、夢中になって読めた。少しくどいかな?と思う章もあったけど、こうした中身の濃く、じっくり読める本が日本にも増えて欲しい。
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ただの格闘ノンフィクションにあらず。
戦前戦中戦後の武道史です。
かなり勉強になりました。
とにかく前半の、物事の取り組み方がハンパ無い…
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700ページにも及ぶ超大作。
タイトルはなぜ殺さなかったかと書いてあるが,
内容は木村政彦の生涯を述べたものである。
三倍努力。
木村政彦の柔道にまさしく命を懸ける姿にほれぼれする。
いい作品でした。
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内容、重量とも、非常に重く、なかなか読み進めなかった。本書の特徴は、圧倒的なデータ量にある。昨今ではプロの書き手による書籍でも、データはネットでちょこっと検索したレベルが散見される中、本書では当時の文書および当時の目撃者、当事者の言葉を中心に、組み立てられている。情熱と冷静の狭間で揺れる筆者の心情すら読者にさらけ出す。提示されるデータは、質、量とも、徹底的かつ圧倒的。ノンフィクション大賞候補、さすがである。
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すごいです。
プロレスも柔道もまったく知識はありませんが、楽しめます。
作者の柔道に対する思い入れがもの凄く伝わってきます。
ネットで試合の動画も見ました。しかし、私が一番興味を持ったのは、前三角絞めと袖車絞めの講習動画でした。今度、甥っ子にでも試してみたいです。
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木村政彦という名前も知りませんでしたが、話に引き込まれ一気読み。
圧倒的ボリュウムですが細かいヒアリングの上での柔道経験者である筆者が書き綴った本です。
ユーチューブでエリオVS木村、力道山VS木村を観ましたが、全盛期の木村政彦だったらどんだけ凄いんだ?とも思った。
真実なのかはこの本だけでは判断できないが、文献としても必読であろう。
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木村政彦は戦前から戦後直後にかけての柔道の日本チャンピオン。当時の柔道は現在の柔道に比べると、武道・格闘技としての要素が強かったようで、当時の柔道の日本チャンピオンは武道家・格闘家としても日本チャンピオンであると考えられていたようだ。
木村政彦はプロレスに転向した後、1954年12月に、力道山と試合をする。そこで不意をつかれた形で敗れた木村政彦は残りの人生を、その時の屈辱を抱えながら生きていかなければならなくなる。
この本は700ページに及ぶ大部の本だ。僕自身は、柔道やプロレスや格闘技に興味があるわけではない。力道山は僕よりもずいぶん前の世代のプロレスラーだし、木村政彦の名前は、この本を手に取るまで全く知らなかった。それでも、700ページの本を楽しみながら読めた。はっきりとした答えがあるわけではないけれども、書名になっている問いに答えるには、それだけのボリュームをもって、丹念に木村政彦の生涯を追っていく必要があった、ということだ。
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素晴らしい!の一言。著者が徹底的に取材し、木村政彦の人生を解き明かす。牛島辰熊との師弟関係、ライバルたちとのしのぎ合いで投げ技、寝技を磨いていく。そして、海外では、あのグレイシーと対決。そして、プロレスの道へ、力道山との運命のリングへ・・・。戦前・戦中・戦後とめまぐるしく変わる世界で強さだけを求め、世界で一番の格闘家であったであろう木村政彦の天国と地獄をリアルに描き出す著者の世界に引き込まれ、思わず悔し涙・・・。700頁が決して苦にならない。
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現役の動きを見たかった。
この本を読む限り、多分地上最強だったどろうと思う。
吉田豪が作者にインタビューした話をキラキラでしていた。
本には載せられない話が面白い。
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久々にまとまった読書時間を確保、正月に読みかけたままだった本書をやっと読了。丹念な取材に裏打ちされた構成に唸る。ノンフィクションとして間違いなく最上ランクの一冊。大推薦。
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木村政彦の事だけでなく、色々な人たちのエピソードや、本人が生きた時代、柔道史、プロレス史など、幅広く書かれています。
一見、分厚くて読むのは大変そうに思えますが、連載していた事だけあってか、章立てになっていて少しずつ読むことができます。
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一ヶ月半かけてようやく読み終わりました。
この一ヵ月半の間に、僕の中で木村政彦が生まれ、死んでいきました。
『鬼の木村』と呼ばれていても、ひとりの人間としての一生がこの本には書かれています。
読んでいる間だけですが、木村政彦の一生に触れられた事は良い思い出になりました。
また、この本は色々な事を教えてくれました。
その一つとして、牛島辰熊に始まり、木村政彦、岩釣兼生へと後世に受け継がれる『師弟の絆』と『強さを求める思い』が一番印象に残っています。
キレイ事ではなく、とても人間味が溢れ自然と生まれた『絆』と『思い』に、憧れを憶えました。
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タイトルの疑問の答えは、読めば自然と浮かぶはずです。
ちなみに、僕は、木村政彦だからだと思いました。
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木村政彦という不世出の柔道家の壮絶な一生を読むことができた。タイトルが際物っぽいが、素晴らしいノンフィクションだ。プロレスは武道ではなく芸能であることがはっきりと書かれている。その芸能で稼ぐことにより愛妻の病の薬を買い続ける木村の姿が琴線に触れる。力道山はつまらぬ男である。
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ロンドンオリンピックの柔道をテレビで見ていて感じた”違和感”は、自分でも何が原因か解らなかったのだが、本書を読んでその原因のうち、何点かが明らかになった。
オリンピック柔道は、日本の柔道と違うというのは、素人の自分がテレビで見ていても感じた。オリンピックの柔道は、明らかにスポーツである。
では、なぜ、スポーツ化してしまったのか?本書によれば、それは日本の柔道の大組織である講道館が自らスポーツ化を進めた結果であるという。
終戦直後のGHQの政策により、柔道は日本的なもの、帝国主義的なものとして廃止や組織の解体に追い込まれる。戦前の3大勢力のうち高専柔道と武徳会は消滅に追い込まれていた。その中で、講道館は、GHQの批判を避けるために”スポーツ”としての柔道を前面にだし、生き残りをかけたのだ。
そして、スポーツ化したことでさらに、世界中に普及しオリンピック競技として採用されるようになる。この普及により、スポーツ化がさらに加速する。
西洋的な意味でのフェアプレーや公平、スポーツマンシップが重視される。武道としての精神性や伝統はそぎ落とされていくこととなる。
数々のルールの変更の際、日本柔道界は武道としての柔道に反するとして、抗議し阻止しようとしたらしい。しかし、その抗議は受け入れられることはなく、徐々にスポーツ化される方向でルールが変更され現在にいたるのである。
では、なぜ柔道の祖国である日本柔道の抗議は受け入れられなかったのか。そもそもが講道館がスポーツ化を進めたのだから、当然受け入れられるはずはない。本当はスポーツではないとの訂正をいれれば、あるいは状況は違ったかもしれない。しかし、欺瞞を続けたのである。
その結果が、今回のロンドンオリンピックの違和感の原因であると思う。
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増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』読了。史上最強の柔道家、木村政彦を語る超力作。読んでいて「なんという人間がいたんだ!?」と驚愕。その知名度の低さにも。時代に翻弄されていく武道家たちの悲哀と高潔と素晴らしい人間的魅力。日本には武道という精神があることを知りました。
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700頁も有るので一気読みと言うわけにはいきませんが読み応えはあります。木村政彦に多くの章をさき、次に力道山、次に大山倍逹の記述が続き、あの巌流島の決戦に収斂していきます。私も「空手バカ一代」を読んで育った世代なので、こんなに複雑な背景が有るとは全く知りませんでした。作者が木村政彦を愛しぬいている事はひしひしと伝わってきますが偏愛と思える部分も。ラストで少し救われます。