投稿元:
レビューを見る
人を本気で愛して憎んだエドモンだからこそ、開けたラストシーン。これから先苦しみ、憎しみがあったとしても、それも含めて円熟していく人生でありますよう。
投稿元:
レビューを見る
復讐が遂げられてよかったと思い、ちょっと勝ちすぎではと思い、いやエドモンの苦しみはこんなものではなかったと思い、いや子供まで死ぬのはひどい・・・・ぐるぐると、思考が永久ループにはまる。
こんなことが起きない世の中がいいね。
投稿元:
レビューを見る
テンポよく進むので,7冊もあるのに飽きない
最後,若干ベタな終わり方だったように思うが,間違いなく娯楽小説の傑作
投稿元:
レビューを見る
所蔵する文庫が古すぎて、まだカバーも無い頃のもののため、ずっと岩波文庫だとばかり思っていたが、実は角川文庫だった。
角川版は全6冊。今もまだ文庫に入っているのかもわからないが。
当作品を通じての楽しみの一つに、主人公の常識はずれの富豪ぶりがある。
スーパーカーブームの子供の頃、「こち亀」中川の家には色違いのカウンタックが12台もあることをうらやましく思ったことを初めとして、古今東西の作品中のお金持ちたちの行動に、そうではないわが身を照らし合わせながら楽しむ感情はよくよく理解できるものだろう。
最終巻、魅力あるサブキャラの一人である、山賊ルイジ・ヴァンパが、人質に対して高額の食事代を請求する場面。先日読み直した「怪人二十面相」の一シーンを思い起こした。
つながりがあるかどうかは定かではないが、そんな「もしや?」を想像するのも、こう言った古典を読む面白さではないか。
投稿元:
レビューを見る
すべての終わり。待て、しかして希望せよ。
そこまでやる必要があったのか、当然だった、何がしたかった、何を得られた
ここまで来ても一気に終わりに進むのではなくいまだに葛藤が描かれる、最後まで一気に読み切ってしまった。
読み切った!達成感がすごい!同時に終わってしまったという無気力感もすごい!
エデ、マクシミリヤン、それぞれが幸せに暮らしていけるかと思う。
伯爵は今後も葛藤することがあるかもしれないけど、エデがいれば大丈夫かと思わせてくれる。
最後数ページ、読了の翌日も翌々日も余韻がずっと続いていてなんども読み返してしまう。
きっとまた最初から読み返すんだろうなあ…
全7巻、なかなか手を出しにくかったものの読んでよかったと思える長く愛される名作。
投稿元:
レビューを見る
エドモン・ダンテスの復讐劇完結。
新聞の連載小説だけあって読者の興味を失わせないための工夫がされていて大変な長編だが最後まで夢中で読み通すことができる。
しかし、今ではさすがに翻訳が古すぎると感じる。
残虐な場面や差別的表現などをどう翻訳するか難しい課題が多いが、新訳ができれば再度のブームになると思うのだが。
投稿元:
レビューを見る
ダンテスによる復讐劇もいよいよクライマックスです。
長かったですが、ようやくここまで来ました。
残りのターゲットはダングラールとヴィルフォールです。
ヴィルフォールに関しては予想通りといえば予想通りの結末でした。
もっとも、娘のヴァランティーヌに関しては予想通りというわけにはいきませんでしたが。
まあ、注意深く読んでいれば気付きそうですけどね。
ただ後にダンテスが後悔しているように、ヴィルフォール一家に対してはやりすぎの感はありました。
特にエドゥワールは、悪童だけれども犯罪に手を染めたわけではなかったわけですし、気の毒といえば気の毒でした。
思い起こせばダンテスに対する一連の謀略を首謀したのはダングラールでした。
当然どれだけ凄い復讐でお返しするんだろうと思っていましたが、4悪人の中で一番寛大な結末となり、ちょっと意外でした。
ダンテスの中でヴィルフォール一家に対する贖罪意識が尾を引いていたことが一番の理由でしょう。
最後に回されたおかげで命拾いしたのですから、何とも皮肉なもんです。
ただダングラールに関しては、信号機事件の時もそうでしたが、モンテ・クリスト伯の掌で踊らされるピエロのような描かれ方をしているようにも感じられ、確かに死をもって償うという展開はふさわしくないのかな、とも思えました。
そして最終章。
ヴァランティーヌを亡くし、失意の底にいるマクシミリアン。
彼にモンテ・クリスト伯はどういった手ほどきをするのか。
そしてエデはどうなるのか。
ラストの有名な一文はまさにダンテスの生きざまを表しているようで、読み終えて深い余韻が残りました。
完璧なフィニッシュです。
最後に岩波文庫版の山内義雄訳について。
一般では名訳と評価されており、これはこれでありだと思いますが、私にはあまり合わなかったです。
きっと素直に直訳したんだろうなあと思える箇所が散見され、総じてそれらの文は日本語として違和感があり、個人的にはもう一工夫して欲しかったです。
第1刷が60年以上前なので仕方ない面もあるのかもしれませんが、とっつきにくくて内容を理解するのに時間がかかったことは告白しなければなりません。
自分の読解力の無さは棚に上げつつ、歴史に残る娯楽作品の傑作であるからこそ、21世紀の言葉による新訳を出して欲しいなあと思いました。
光文社の古典新訳文庫なんてぴったりだと思うのですが。
投稿元:
レビューを見る
絶望と希望の第七巻!
ヴィルフォールへの復讐は、思わぬ命までも奪うこととなった。
悩めるモンテ・クリスト伯が訪れたのは、
あのシャトー・ディフ。
ヴァランティーヌ、マクシミリアン、メルセデス、そしてエデ。
彼らの運命は?そして最後の一人、ダングラールへの復讐は?
フランス版大河小説は、これにて完結。
ボヴィル氏(意外と登場回数多し)、ペピーノ、ルイジ・ヴァンパ、
そしてジャコポと、1,2巻での登場人物が再登場します。
最終巻は多少退屈に感じる場面や独白が多いのですが、
超人的だったモンテ・クリスト伯の人間としての部分が
ここで噴き出しているようにも思われます。
復讐について懐疑的にもなった彼がシャトー・ディフで
見出したのが、あのファリア司祭の著作!
過去は未来への指針というべきか・・・感動してしまいました。
ヴィルフォールの絶望は、自らが犯した罪・・・子ども!
ダングラールはの絶望は、積み上げた富の喪失。飢えの恐怖。
マクシミリアンの絶望は希望へ。
メルセデスの希望はアルベール。
モンテ・クリスト伯とエデは・・・「待て、しかして希望せよ!」
今回は世界地図帳を側において読書しました。
実在するモンテ・クリスト島とマルセイユ、
コルシカ島の位置関係、
ノルマンディーのトレポール(ル・トレポール)や
ノワルティエ氏の待つリヴールヌ(リヴォルノ)の場所等を
確認しながら読むのも面白かったです。
投稿元:
レビューを見る
壮大な復讐劇も幕を閉じた最終巻。伯爵の復讐の目的も明らかにされ、腑に落ちた感じである。復讐劇や結婚のことなども、メルセデスの存在が伯爵に影響を与え、出会わなければまた違っていたかもしれない、出会ったことで大きく良い方へ向かったこともあったし、伯爵にとってメルセデスの存在は大きいと感じた。人は日々成長し、気持ちの変化や出会いによってまた違う一歩を踏み出すなど、絶えず変化している。伯爵の困難に立ち向かい、出会った人たちから吸収し、壁を砕く勇気を持つことが大切だと感じた。
投稿元:
レビューを見る
モンテ・クリスト伯爵の復讐が終わった。ただ、ダングラールへの復讐の方法が他の二人に比べて甘くないか?おそらく、この人は痛い目に会っても全然反省しないで、翌日からケロっとまた金だけが生き甲斐の俗っぽい暮らしを繰り返すんじゃないのか?
それにしても、ダングラール家は男爵も夫人も娘も、揃いも揃って低俗でしたたか。この人達はいかなる環境でもするっと蛇のように生き抜いていくのだろう。それはそれで天晴れだ。
反対にヴィルフォールへの復讐は最も過酷だ。他の二人が嫉妬から来る単なる嫌がらせなのに対して、彼自身はダンテスに何の恨みもなく、立場上最も罪が重いのは間違いない。にも関わらず気の毒に思えてしまう。
勧善懲悪である意味出来すぎで突っ込みどころ満載ではあったけど、キャラクターがなかなかいい味を出していて、ストーリー展開も波乱に満ちていて一大絵巻物として楽しめた。
投稿元:
レビューを見る
最後の言葉「待て、しかして希望せよ!」が胸に刺さる。
素晴らしい作品だった。
終わってしまうのが嫌でページをめくるのが遅くなっていく程だった。
しばらくはこの余韻に浸っていようと思う。
投稿元:
レビューを見る
意外と(?)面白かった。後半主人公が割と無敵化するので、それが気にならなければいいのではないかと。ただ、「ヘレスを一杯」とか、現代の一般的な訳語とは違うものがちらほら (「ヘレス」=「シェリー酒」)。その代わり、というわけではないけど、大量に訳注が入っているので、当時の風俗に疎くてもなんとかなるようにはなっている(件の「ヘレス」にも「葡萄酒の一種」となっている)。
興味深いのは、1840年代の作品ということで、ナポレオンに関するごたごた (と書くと語弊があるか?)がまだ歴史になってない頃に書かれたということ。いわゆる百日天下がせいぜい20年前でしかない、というのはなかなか興味深い。物語もその辺りのことに微妙に絡んでるし。今読んでもなかなか面白いけど、当時読んだ人はさらに面白かったんだろうなあ、というのは容易に想像がつく。
後笑った、というか、1950年代の訳なので、「気ちがい」連発なのは歴史を感じたり。
投稿元:
レビューを見る
長いようで短かく次へ次へと駆け抜けた旅路の終わり。鮮やかな復讐劇もさることながら、幸せを掴む資格のある者にも死ぬほどの苦しみを!も必要だったのかと。結果、希望を捨てず生きることの大切さを教えてもらった。翻訳の山内先生の注意書きがとても親切で、知識の深さを感じ物語と共にすごさに脱帽。読むにあたり、Wikipediaの登場人物は大変役に立った。これから1巻に戻って「あとがき」再読。
投稿元:
レビューを見る
全七巻にわたる19世紀フランスの復讐劇。
圧倒的なモンテクリスト伯の人物像と、散りばめられた復讐の種、伏線が少しずつ芽吹いていく様子は極上のエンターテイメント。
他方、復讐もまた希望の一つであるとしても、それが果たして正しいことなのか、幸福をもたらすものなのか、問いは突き付けられる。
“待て しかして希望せよ!”
最後に送られた言葉がモンテクリスト伯、そしてデュマの答えでしょうか。
読み終えてしまって悲しい。
投稿元:
レビューを見る
「この世には幸福もあり、不幸もあり、ただ在るものは、一つの状態と他の状態の比較に過ぎないことだ。」そうなんだよ、自分も含め人は幸・不幸は誰かと比べて評価するが、その比較こそが不幸や格差を生むんだ。モンテ・クリスト伯を取り巻く憎悪はまさしくこれだった。デュマさん、降参だ!あなたはとても素晴らしいことを私に教えてくれたよ。今自分が愛するものは何か?今したいことは何か?これは他人と比較して決めるということはしてはいけないんだ。何故ならば、唯一無二の自分の人生なのだから。全7巻、今日からの活力になったよ!