紙の本
大正から昭和にかけて数々の作品を世に送り出してこられた山口瞳氏の興味深いエッセイ集です!
2020/06/01 12:17
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、大正から昭和にかけて数々の作品を発表してこられた男性作家であり、エッセイストの山口瞳氏によるライフスタイルについて書かれた随筆です。同書に収録された作品は、「私のライフスタイル」、「私の初月給」、「打てば響く、味のよさ」、「いい酒場とは」、「美しさと安堵と」、「絨氈と私たち」、「里は根びきの別世界」、「スケッチ旅行」、「上座と下座」、「盗人猛々しい」などで、山口瞳氏が愛された国立や尊敬されている有吉佐和子氏などが登場して、なかなか面白いです。
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タイトルがいかにもナンだが、別に人生論の本ではなく、山口瞳の単行本未収録エッセイを収めた本。本にまとまった比較的手に入り易い山口瞳のエッセイをあらかた読んでしまった自分には有り難いが、寄せ集め感はあるなあ。というより、なぜ初出の記載が一切ないのかそれが大いに不満。河出文庫たるものなにをやっておるのか。
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この作者は怒っている。
「平和そのものが、重く重く伸し掛かり、悪い感じて私の周辺をとりかこんでいる」ことに。
常識を知らない若者に。
粋でないものに。
その怒り方、お話が、読んでいて、なるほど・・・と
思わせられるのが、山口瞳さんのすごいところだなぁ。
と、思わせられる。
茶目っ気もある。ユーモアもある。
読んでいて、文章の妙味に酔いしれる。
向田邦子さんとのエピソードも、いきいきとしてすばらしい。
「山口さん、わたし、もう駄目なの。遊んでばっかりいるの」
そう、そっと体を寄せて、耳許で囁いたという邦子さんは、
読者の知らない向田邦子さんの姿でもあり、
そんな弱音ともとれる一言を言わせる山口さんの信頼できる
お人柄なのだろうと感じられた。
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どんな人か知らず、読み始め。
確か角田光代の書評本に出てきたから。
女性かと思ったら、違和感があって、誤りに気がついた。
大きな絨毯を買ったから、敷けるような居間がある家しか住めなくなったとかそういう話にほんのり。
そして女性のセーター姿はいいというのにも激しく同意。胸のところが張りつめてるとなおいいよねと語りたくなる。
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山口瞳。ちょっとこだわりがあって、そのこだわりはそれほど窮屈でないので、なかなかリラックスできるのだが、いつもすっきりと書いているところが好きで、とくに文章の終わり方がいいと思っている作家である。本書は、わりと柔らかく、なかなか楽しめた。
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人生は見たり、聞いたり、試したりだが、一番大切なのは試したりである。
この言葉を、忘れないでいよう。