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かわいそうだね?、はありえないだろ! と思いつつ、きっぱり捨てられない弱さもわかる気がした。
ラストはあまりに清々しくてぱたりとページを閉じてしまった。
亜美ちゃんは美人、はこれでいいのかなと思いつつ、女女性の心理描写が丁寧だなぁと感心。
名久井さんの装幀がまた良い。
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かわいそうだね?
余震が続くなかばりばり百貨店で働く28歳樹理恵。の、アメリカ育ちの隆大が突然元カノのアキヨと同棲し始めた。
最初はまぁ普通じゃんって思ったんだけど、隆大の携帯を盗み見て、アキヨからのメールを発見してから格段に面白くなった。そしてあたまの中でなにかがつながる音がした。ぶちギレるのではなくつながった瞬間、吉本新喜劇のちんぴら役の男性が使う大阪弁でまくしたてる樹理恵は凄まじい。まぁそんなもんだ、しゃーない。
亜美ちゃんは美人
美人な亜美ちゃんの傍らで陽を浴びないさかき。
ただの亜美に対する嫉妬でどろどろして終わるのかと思えばそうじゃない!
亜美が恋をし、それがまたとんでもない男でその男の影響で刺青までいれちゃうんだからすごいすごい。
亜美がさかきのそばを離れない理由、とんでとない男を好きになり結婚までしちゃう理由。
ちやほやされるのがあたりまえな亜美の孤独さが、そしてラストさかきのスピーチがよかった。
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「元カノと現カノとカレ」という三角関係と、「華やかな友達と引き立て役にされちゃう自分」という異なる2種類の女性関係を描いた小説二編。
デビュー作に比べると「大人の女性らしく」なったなーというのが印象。このまま恋愛小説家になっちゃうのかしら。男の人にとっては「ふれられたくない」とこなんだろうな、という小説。
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綿矢りさの『かわいそうだね?』を読み終えました!
いつもの「書き出し」、序章からして切れ味、毒舌が無く、おとなしいなぁ~??っと思ってたら、それは大間違いで、彼氏が元カノと同棲を始めると言う事態に悩み、葛藤する序盤の感情が、驚愕!の進展に向かう前の必然的な静けさだった事に過ぎない訳です。
『~憤慨は動揺の裏返し、疎外は怯えの裏返し~』
ある出来事を境に物語は突然佳境を迎えるやいなや
一気に綿矢節が炸裂して、切れ味どころか、
『オイオイ!マジかよ~~∑( ̄[] ̄;)!ホエー! 』
みたいな展開に!
ヤバイです...ヤバすぎる傑作です!
つづきはブログにて
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「女の子」純度100%の小説。
確信的なイタイ描写の中にはっとするような
一文があるので見逃せない。
あと
「亜美ちゃんは美人」
毅のいう他の「女」って亜美ちゃんなんじゃないかな?
本文中にどこにも出てこないけど…
違うかな?
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綿矢りさの言葉に対する鋭いセンスは健在ですね。
勢いにのって読まされてしまうのだけれど、ゆっくり読み返すと深い味がでてくる文章は著者の才能だと思います。
結末については、せめてフィクションの中では天然キャラの腹黒い本性に男性キャラが気付く展開が見たかったかな。
でもそうなると、最後の一文にある悲しいような、楽になったような、虚しいような、すっきりしたような読後感はないですね。
華奢なヒールがボキッと折られた表紙も可愛いけど毒のある内容に合っています。
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『亜美ちゃんは美人』のほうがすき。
わたしをふくむブスは、やっぱり「美人もなんだかんだ不幸」って安心したいんだよね。
プラスがあればマイナスもあるってすごくまっとうだし。
じっさいは、そもそもはたから見てるからプラスかマイナスかなんてわかんない。
でも外からみて幸福そうかどうかで私たちの感情は、嫉妬とかくやしさとか絶望のほうに勝手に動く。
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文章が緻密。考えられてる。そして、私や作者世代の女の子の葛藤みたいなのがリアルに表現されてる。すがすがしい。誰しもおなじようにに悩むんだって、ちょっと安心する。戦え、恋するオトメ!
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この人は、ほんとに目の付け所が上手いというか、日常で普通にやってしまってることが、ものすごく残酷なことなんだってに気付いた。みんな意地悪な親戚のおばさんなんだ。
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途中で一気に爆発する感じはさすが綿矢りさ。
設定はそんなにリアルじゃないかもしれないけど、女の気持ちがリアルすぎて驚かされた。
なんていうか、綿矢さんの”童貞っぽさ”がすごく現れた1冊だと思う。
もちろん最上級の褒め言葉です。
たぶん、ハマる人にはハマるけど、そうじゃない人にとったらまったく面白くないのかもしれない。
まぁ単純な言い方だけど、「モテる人にはわからん」小説でしょうね。
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二つめの方を読んだだけだけど、なかなか好き。
女子として気持ちが分かる描写。
単純に復讐という結末じゃなかったのがいい。
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111104with『勝手にふるえてろ』
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私の彼は元彼女と同棲中……週刊誌連載時から話題を呼んだ表題作と、女子同士の複雑な友情を描く「亜美ちゃんは美人」の2篇収録。
同情は美しい、それとも卑しい?美人の親友のこと、本当に好き?誰もが心に押しこめている本音がこぼれる瞬間をとらえた二篇を収録。デビューから10年、綿矢りさが繰り広げる愛しくて滑稽でブラックな“女子”の世界。
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女性の気持ちが丁寧に書かれていて良かった。
わかるー!って何度思ったことか。
彼が「元カノ」が困ってるからと
自分の家に居候させるだなんてありえない。
男が情けないし、思いやりないしなんてやつだと思ったので
ラストはすかっとした。
2作目のさかきちゃんの
美人の親友という立場のつらさもわかる。
どちらも良作でした
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「かわいそうだね?」…アキヨさんと隆大の無神経さが恐ろしかった。
「亜美ちゃんは美人」…超絶美人って、なるほどこういう顛末を歩むのかもしれないと思える、小池くんの説得力。
…ただ、どちらも後味の良いお話ではない。
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なんとなく緩やかな流れで話が進むのかと思いきや、
終盤は突然爆発が起こったかのごとく畳みかけるような展開に驚愕。
主人公が我慢と葛藤の末に解放される感じ、よかったです。
もう少し「ブッッッチーーーン!!!」といってしまってもよかったのではと
ちょっとだけ物足りなさを感じたけどなんだかんだ面白かった。
もう一作の『亜美ちゃんは美人』も、
女同士の付き合いにまとわりつく厄介さがリアルに描かれている。
なかなか男性には理解しにくい世界なのかも。