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中村氏の本を初めて読みました。
んん~、面白いのは確かなんだけど、何となく不足感も否めない。
多分問題は一人称の表現にあると思う。主人公がストーリーを進行しているので、どんなに危険があってもまぁ、死にはしないよね・・とか思ってしまうんだけど、それってこのての作品だと致命的な気がする。
「怖さ」という意味では主人公の友達の女性の話の方が怖かった・・。
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「一番欲しいものは手に入らないと気づいたのは、いつの頃だったろう。」
「今もわたしは欲しいだろうか。もしも手に入れたら、何をするだろう。」
中村氏の、その月の光の、人間のつかもうとするその手の先の、「その先」を追い続ける、作品が好きだ。
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揺ぎ無く穢れないほどの「悪」そのもの。それと対峙するにはあまりにも弱いと思われる「美」。執着し呪い続ける「生」の理不尽さ、「運命」を作るかのようなグロテスクで低俗な神の振る舞い。 一番欲しいものは手に入らない。けれど、一番欲しいものとは、なんだろう。果たしてそれは本当に一番欲しいものだったのだろうか。舞い戻っていく、原点に。帰ることは出来ない、だけど止まることも出来ない。 やっぱり読むと苦しくなる。でも救われる。中村さんの書く物にいつも救われる。ありがとう。
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「掏摸」の姉妹版ということで、読んでみました。
主人公のユリカに降りかかる運命…。何というか壮絶。前回、「掏摸」を読んだときにも感じたけれど、決して良いことをして生きているわけではない主人公が、それでも平凡に生きているところに、生死をかけなければならない出来事が、突然降ってわいてきて、懸命に生きようとしている。その姿を、様々な事件と組み合わせて描いていく臨場感の凄さ。今回の「王国」のユリカも同じ…。最後まで、ハラハラしなければならない。。。
彼らをコントロールしているかのような、悪魔のような「木崎」。彼は、いったい何者なんだろうって、そっちも気になってきます。次回は、コントロールしている「木崎」の物語が読んでみたいなと思いました。
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前作「スリ」の兄弟作らしいけど、前作あまり覚えていない。読みなおそうかな。
この作者の作品は好きなんだけどあまり記憶に残らない。
本作は男を騙して、弱味を握る女が、実は人生を操られている、そんな話。
世界観はでかいけど、終わりかたが小さいような気がしたなぁ。
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期待が大きかっただけに残念。
正直、この作品のどこが?ってな感じでした。
う~ん、どうなんでしょ。
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この手の作品は私にはよく理解できない。
「月」というキーワードだけで「IQ84」を思い出した。
良く理解はできないけど、「掏摸」もよんでみようかな?
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「大丈夫。毒じゃないから。」
私のなかの今年の流行語になりそうです。
「掏摸」のほうを、だいぶ忘れてしまっていて、
思い出したかったけど、
よく思い出せなかった。
共通点はナイフをすった男と木崎?
木崎っていう名前には聞き覚えが。
「掏摸」はすごくおもしろかったけど、
こっちはそうでもなかったなー。
ただ、ユリカの生への執着がどんどん尊いものへとかわっていく感覚が、
感動的でした。
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娼婦の女性が裏の人間と出会い、様々な仕事をしていく話。
前作とリンクするところもありつつ楽しめた。
男性作家なのに女性主人公の心情描写が妙にリアルに感じた。
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好きな人は好きなんでしょうが、私はあんまりかな。
文章がうまいからすぐ読めてほとんど何も残らない。
エロと感傷とタナトスと、暴力と、恵まれない幼少期。これはよくあることで、そこが悪いわけではないけれど、ユーモアがたりないところが私好みではないのかも。
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月の周期の方が、太陽の周期よりも人間と合っているということや憑きの語源が月とかが面白かった。
変に宗教を持ち出しているところが、どうしても共感できず。
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なんだか…息がぐぅっと苦しくなるような小説。こちらも。
理屈は理解したけど、共感はない。
とにかく理不尽に落ちていく感覚が怖かった。
帯にあった『絶対悪』の言葉の強さが印象的。
恐ろしい本でした。
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「掏摸」から2作目の中村作品だったが。出来はいまひとつ、「掏摸」にあった鬼気迫る緊張や不条理に生命の危険に直面する主人公の葛藤みたいなものはさほど感じられなかった。女を武器にし闇世界で生きる今回と掏摸と言った芸術的技術をもった犯罪を犯す主人公との違いかな。結末も自力で切り開いた訳でもないし。でも、まあそれなりに、それなりだな。中村作品はもう少し読んでみよう。次は「遮光」
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『掏模』の姉妹編というか、ヴァリアント。『掏模』を読んでからこちらを読むとだがキーストーンになる木崎というキャラクターと主人公とのやり取りがよりスリリングに楽しめる。いずれは前作と合本にして出してほしい。人の運命と人生のすべてを握ることに無上の喜びを感じる木崎というキャラクターは、中村文則第一級の発明で、今作でもその真髄を堪能できる。クールを装っているかのような木崎だが、主人公に対しては「今日は気分がいい」とべらべらとおしゃべりになるのもご愛嬌。恨みとすべきは木崎がフィクサーとしてコミットしている政治経済がらみの事象が完全に背景としてしか描かれないところか。そういう政治的な話をするほどの力量がないということを、わざわざ公言しているようなもの。キャラクターに深みはあるが、空間の広がりに乏しい印象が否めない。
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久々にハードボイルドな小説で息をするのを忘れました。緊迫感があって一気読みでしたが、「掏摸」を読んでから読めば良かったかも。どちらから読んでも良いそうですが、もっと立体感が出たかも。今度読んでみたいと思います。