前半は統計確率の原子力事故への応用、後半は東電に対する正しい処理方法
2020/12/26 10:31
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投稿者:もちお - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトル通り、統計・確率論で使用するロジックを本書が発刊された当時の大問題であった福島第一原発の事故に対する対応に当てはめて、当時の民主党政権の対応を手酷く批判する一冊。後半は財務会計の観点からこの事故を踏まえた東電の処理について、あるべき姿を論じている。前半部分だけでも一読の価値あり。
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放射線散布におけるシミュレーションデータの重要性、主観を考慮に入れた「ベイズ確率」の意義、政府、日銀や財務省の発言のカラクリなどを実例を交えつつ解説。
お上が述べる理屈の根拠になってる数字が、何を基準にして何を対象にしてるかを確かめろ、というのはよく分かった。
景気の伸び率や、対GDP比でカネがいくらか、などと言った話しはその典型例。
一方で、後半半分は確率云々の話と言うより、日本の財政や政策の話に終始してた。
4%成長の必要性、日銀直接引き受けの話、各種埋蔵金の活用など、話自体はとても面白かったが、それは本を改めて語って欲しい。
統計・確率のもっと突っ込んだ実例や、扱い方を知りたかった。
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前半は統計や確率、シミュレーションを通したリテラシーの重要さを訴える内容。後半は、東電問題、復興財源問題を数字で考えることの例?か。
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本書のタイトル通りなら1章だけでいいかと…
1章に書かれている事はわかっていても忘れてしまう、つい勘違いしてしまうようなこともある。例えば統計の取り方、質問の仕方で結果が変わっちゃうとか。
うっかりどんな質問をしてその集計結果が出たのかまで頭が回らずに、結果だけ見てその解説を読んで「そうなのかー」って思いこんじゃうことはありがち。
「増税に賛成ですか?」と「復興のための増税に賛成ですか?」では集計結果が異なるだろう。でもどちらも「増税に賛成か?」なんだからグラフタイトルはそうなっちゃうとか。
「可能性は極めて低いが0ではない」が「ないとは言えない」と結論付けられたり。
1章はベイズ統計以降も面白く良かった。
しかし、2章以降は東電と政府の問題とか復興財政案とかのお話。一章でも原発事故の話は引き合いに出されているが、2章以降はタイトルにあり、1章で色々な事例を出して説明している統計や確立の話はほぼ関係ない。
この本のタイトルなら別の本にした方が良いのでは?
と思える。内容の良し悪しと関係なく。
2章以降の復興案なども同意できるかどうかは兎も角、著者の考え方がわかりやすく説明してあり文としてはいいのだが、いかんせん本書のタイトルを考えるとちょっと…
上述より、タイトルに対する内容からすると★2つとしたいが、1章の内容が面白かったので★3つ。
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帯には「数字トリックを見破る、数字で説得する」とあるが、中身は原発事故の情報公開姿勢や復興税制についての自論を述べているだけで、統計・確率については付け足し感が強い(原発事故によって原発に対する信頼感が失われた、というのを主観確率で説明したりしているが、これ、信頼感のグラフまで出すほどのことか?というような内容が多い)
・国債の日銀引き受けについて、償還される分を10兆円ほど日銀で買い入れるということが昔から行なわれてきている、ということは初耳だった。ただ、残存期間1-2年のものに限定しているようで、現在議論されている直接引き受けとはちょっと意味合いが違うようにも思うが、、、
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あまり有益な本ではなかった。ベイズ理論の部分は確かに興味深かったが、他の主張との結びつけ方がわかりにくくて飛躍が多い。1章は脱線が多く、脱線は自分の主張や経歴の弁護、2章は脱線しかない内容だった。この作者はおそらく「私の主張をきちんと理解するにはこの新書で紹介されている本を読んで欲しい」というスタンスなんだろうが、この新書からは他の著書を読むほどの魅力を感じない
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著者の持論と彼の他著作の宣伝色の強い本。これで740円は高い。ベイズ統計などの統計・確率について主に語られているのは1章のみ。復興政策や東電救済について触れている2章以降は読み物としては面白いが書名につられて購入したら少々だまされた気分になるだろう。
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第1章で、確率・統計の基本的な考え方をベイズ理論をメインに説明している。
ただ、本のタイトルのうち、前半部分とマッチするのはこの章だけ。
ベイズ理論は主観確率をその中心におくが、伝統的な統計学に馴染んでいるとやや頭の中を整理するのにワンテンポ必要かもしれない。
第2章以降は東電問題や復興財源の話など、どちらかというと政策論に近く、タイトルの後半部分に相当するのだろう。
ただ、第1章と第2章以降のつながりが見えにくいのは残念に思う。
政策論のことは、著者が従来より主張してる内容をより一般向けにしたものといえる。
多くの部分で賛同できるところもあるのだが、自身の他の著書を参考にすべしというような、いわば宣伝が文中に多々出てくるのは、読んでいて決して愉快な気分にはならない。
新書であることを考慮したとしても、ちょっとやり過ぎなような感じがした。
ただ、シミュレーションの重要性や特性を述べているあたりは、マスコミ等を含めてあまり理解されていない所で、自分も実際にやっていてもどかしく感じる部分でもあったので、このような書籍のなかで述べてもらうことは非常に助かる。
また、補講で述べられているよくある誤解と間違いは、経済学の知識をあまり有していない一般の人たちが陥りやすい内容を指摘しているので、こういう形での啓蒙がもっとあっていいのではと心強く感じた部分でもある。
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厳密にはこの本は読み終わっていない。「さらば財務省」というちょっと前に評価の高かった経済書の著者で、最近は官僚という職業の人がどういうふうに論理思考しているのか、に興味があったので読んでみたけど、この人がそもそも話が下手な人なのか、編集が悪いのかは知らないが、本のタイトルと内容があまりにあっておらず、ひどかった。前半は福島原発・東電問題の持論と政府筋への愚痴の正当化のために、統計と確率の話を小道具として使っているにすぎず、後半は統計・確率の話すら出てこないので、途中で読むのをやめました。地震の混乱の後に出た本ということで、元々無理のあった企画なのかも知れないが、5年後このタイトルを見て本書を手に取った人はきっと大いに混乱するはず。というわけでこの本はお薦めできません。
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題名と内容があっていない。
内容そのものは悪くはないけど、題名とはほとんど関係ない気がした。
復興財源や東京電力の話題が中心でなんか肩透かしを食った気分になった。
残念
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ほんとに初めて統計に触れるって人にはわかりやすくておすすめ。
数字から正しく情報を読み取る事の大切さ難しさがわかる。
ただ、確率・統計の話は最初の方だけ。
残りは震災後の政治批判などに終止している。
これはこれで面白いのだけれど、統計の理解を深めようと思って読んだだけに少し残念。
自著の宣伝多すぎ(笑)
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数字の発表は、絶対値の説明が大事。
客観確率とベイズ確率。
記述統計と推測統計。
借金を返すためにさらに借金をしてそれを懐に持っているお金、国債整理基金。
国際金融のトリレンマ。
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統計、確立などかどのように使われているかのさわりを知るれる。若干話がずれるが面白く読めた。
著者の今まで書いた本に繋がるって多角的に理解出来る。並行して他の作品も読むのをお勧め。
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内容に取り立てて新しいものはないが、確率統計、東電問題、マクロ経済の復習として斜め読みするにはよかった。
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小泉政権下で竹中平蔵のブレーンとして知られた高橋洋一氏が、確率・統計的な思考について解説する。
本の構成としては、前半が統計と確率についての基本的な考え方の解説。後半が東電問題や復興政策についての話。
読んだ感想を一言で表すと「前半部分を掘り下げたほうが面白いのでは?」というものだ。
特にベイズ確率やモンティ・ホール問題の話などは、日常的に生活していて「八割がた大丈夫」みたいな言葉の理論化という意味でとても興味が湧いた。今、日本で確率や統計について、一般の人々にも皮膚感覚で分かりやすく解説できる希有な存在だと思う。
一方、おそらく著者の主眼であると思われる後半については、著者がいろいろな媒体で語っていることをまとめたもので、あまり新鮮味が感じられなかった。統計や確率をからめて書いてはいるものの、ちょっと主題から外れているようだ。ネット上でも『現代ビジネス』などで東電問題や復興政策について慧眼を語られているので、著者の東電問題や復興政策についての提言を知りたければ、そちらを読んだほうが経済的にも優しいかと。
評価的には星3が妥当なところか。考え方の訓練として面白く読むことができると思う。