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暇と退屈の倫理学 人間らしい生活とは何か? みんなのレビュー

2011紀伊國屋じんぶん大賞 受賞作品

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みんなのレビュー217件

みんなの評価4.4

評価内訳

215 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

「退屈」は人間の自由の証しか?

2011/11/03 19:13

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:碑文谷 次郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

長年、「暇=退屈」と思ってきたが、哲学者はそう単純には考えないものだ、ということが分かる本。ハイデッガーの分類に従い、「退屈」には「暇があって退屈している」状態の第1形式と、「暇がないが退屈している」状態の第2形式があり、人間はおおむねこの第2形式の退屈を生きている、というのが先ず本書前半の幹となる考察である。この幹に至るまでに、本書前半で著者は一万年前の人類に起こったという大変化(遊動生活から定住生活へ)の中に「退屈」の発生源を見出し、「退屈」の正体を突き止めようとパスカル、ルソー、マルクス、ガルプレイスなどの論考のみならず、フォード大量生産方式や映画「ファイトクラブ」などにも言及する。その説明は「退屈」の解明に向かって手際よく、説得力を持つ。そして、著者自身「退屈論の最高峰」と位置付けるハイデッガーの『形而上学の根本諸概念』をベースに「退屈」の考察を深めることによって、人間が「正気」で生活していくとは、「気晴らし」と「退屈」とが絡み合った上記第2形式を生きることではないかーと、人間の生の本質に迫るハイデッガーに共感を寄せる。

本書後半は、そのハイデッガーの結論ー人間は退屈できるからこそ自由である。だから決断によって人間の可能性である自由を発揮せよーへの疑問が提示されるところから始まる。ハイデッガーは人間を動物から何とか区別しようと腐心しているのではないか?と考える著者は、日向ぼっこするトカゲ、哺乳類の血を吸うために18年間待つダニ、満腹になるまで延々と蜜を吸うミツバチの行動を分析しつつ、彼らが一つの環世界に浸っていることが得意であることを丁寧に検証する。一方、人間もこれら動物と同じく各人固有の環世界を生きているが、一つの環世界にとどまってはおられず、環世界間を自由に移動する存在であり、その自由こそが人間の退屈の根拠であることを説く。我々人間は、そういう人間であることを楽しみ、時として、トカゲやダニにように「動物」になることを待ち構える存在である、と。

確かに「退屈」は人間の自由の証しかもしれないが、毎日毎日、時間に追われる身からは、「退屈」な時間とは贅沢以外の何物でもない。一度、徹底的に「退屈」な一日を過ごしてみたいと思っていたが、どうやら「退屈」も遭遇してみると、なかなか厄介な荷物らしい。”時の経つも忘れる”ということは、人間にとっては最も幸せな時間かもしれないと思った。



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紙の本

「俺」の悩みを深堀りした一冊

2012/02/12 08:43

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:わ☆たぬき - この投稿者のレビュー一覧を見る

暇と退屈は、人類が遊動生活から定住生活に移行せざるを得なくなった一万年前からの問題なのだそうです。この大きな問題が、哲学的な知見のみならず、人類学、経済学、社会学などにも言及され、パスカル、ラッセル、ガルブレイスなどの考察も、結構ボコボコに突っ込まれて、否、批判的に検証されています。ワタシのような素養のない者にも、その先賢の権威に惑わされること無く、難解な言い回しをせず平明な言葉で考えてみることが大切だと勇気付けられました。
“退屈論の最高峰”(P198)ハイデッガーを論じた第五章は、個人的には少々難解でありましたが、「暇」と「退屈」を4つの類型に分けて検討し、読者をハイデッガーの結論へと読者を導きます。また、巻末にある36ページに及ぶ注も、読み応え充分。
“倫理学とは、いかに生きるべきかを問う学問”(P338)なのだそうです。我々が、暇と退屈から逃れられない以上、手にとってみるのによい一冊だと思います。

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紙の本

教育というプロセスの実践

2012/02/02 17:33

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hharu - この投稿者のレビュー一覧を見る

“結果よりプロセスの方が大事”といったことを述べる本はいろいろあるわけだが、それを自らここまで実践してみせた書物は珍しいのではないか。著者も書いているように、本書の「結論」だけを読むことにはあまり意味はない。1ページ目から順に読んでいき、著者と一緒に考えていくプロセスじたいが醍醐味となるように書かれており、その意味でも正にこれは「教育的」な書物と言える。
内容としては盛り沢山だが、例えば、論じられている「浪費」と「消費」の区別というのは、「財」と「サービス」の区別に通じると思う。とすれば、無限に消費されるだけのサービスではなく、提供することが楽しみでもあるサービス(ボランティア?)というものが、やはり重要になる気がする。
ところで、本書で批判の対象の一つになっているハイデガーの「決断」という言葉は、創文社のハイデッガー全集『形而上学の根本諸概念』では「自己封鎖解除即決断」と訳されている。「鍵をあけて開く」という語源や、「自分を開く」という意味を訳語に反映させるために、このような異様に長い訳語を作ったらしい。つまり単純な「決断」ではないので、そうした点も踏まえて再読してみたいものだ。

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2011/10/21 01:41

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2011/12/28 23:55

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2011/11/18 00:34

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2012/02/13 20:18

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2011/11/06 22:11

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2012/01/07 22:56

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2012/01/25 19:58

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