紙の本
訳者コメント
2011/10/14 11:38
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:風間賢二 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2010年に全米で話題騒然となったTVドラマシリーズがあります。タイトルは『デッド・ウォーキング』、製作総指揮はフランク・ダラボン。そう、感動の名作『ショーシャンクの空に』や『グリーンマイル』、あるいは『ミスト』などの映画で知られる監督です。
『ウォーキング・デッド』が評判となったのは、お茶の間に初めて登場した本格的ゾンビ・ドラマだったからです。だが、そこは名匠ダラボンのこと、単にこわくて気持ちの悪いホラーを製作するわけがありません。ゾンビを素材にしたヒューマン・ドラマだったのです。
実は、この生ける屍が徘徊する終末後の世界を舞台にした群像劇には原作があります。それが今回刊行されたロバート・カークマン作『ウォーキング・デッド』です。このコミックが登場したのは2003年のこと。それが今日まで継続して創作されていることからもわかるように、本国アメリカでは絶大な人気を誇っています。
ジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ映画の古典にして原点とも言うべき『ゾンビ』の世界観や形式を守りながら、「極限状況における人間の言動およびそのような出来事が人間をどのように変化させるかを探求」(ロバート・カークマン)しているところが、コミック版『ウォーキング・デッド』の評価の高さと人気の秘密です。
文明が崩壊し、たえず死の脅威と隣り合わせで生きなければならないとき、人はどこまで獣と化すのか、あるいは人間性を保つことができるのか? これは絵空事ではなく、わたしたちの近い未来、いやある意味ではすでに起こりつつあることではないでしょうか。
『ウォーキング・デッド』はハリウッド映画の娯楽性とアメリカ文学の有するパイオニア精神と思索性とを合わせ持った、単なるコミックの領域を超えた傑作グラフィック・ノベルです。
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ゾンビ映画愛に満ち溢れた作品。特に御大ロメロの映画に多大なリスペクトを感じる。やっぱり怖いのは、『人間』。
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期待以上の完成度を誇る、素晴らしいゾンビマンガでした。
ゾンビが単なる怪物ではなく、天災や猛獣に近い扱いで、気を抜かずにちゃんと対処すれば対応できる存在として描かれている。むしろ、天災に近い猛獣(しかも強毒性ウィルス持ち)に襲われる極限状態において、人間はどう生きるかを描いている作品。
311の震災後の状況を知った身で、さらに家族を持つ身からすれば、この作品で描かれる内容は他人事ではなく、自分は極限状態で冷静に家族を守れるかという部分を問われ続けるところに引きつけられる。
コミックスとしては第1巻の位置づけで、物語はいいところで終わるが、続きが気になって仕方がない感じ。ゾンビを題材にした作品の中でも、群を抜く完成度なのではないかと。
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ドラマはみれてないのでマンガで
人間ドラマがしっかりと描けているいいゾンビ漫画でした。
日本のI AM A HEROと読み比べてみるのも、また面白そう。
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この本は全三章という体裁になっているけれど、単行本三巻分を一つにまとめて単行本で章を区切っており、実際は月刊で発売されたコミックス十八話分が収録されている。つまり十八回の引きがある話であり、こういう風にまとめて読むのと毎月追っかけるのとではまた印象が違うのだなあと一時期原作コミックスを毎月買っていた身としては思う。話自体はゾンビの恐怖というよりもゾンビ出現以前は普通の人間だった人たちが徐々に狂っていくその過程を見せつけられる恐怖がある。
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私はドラマ版の第1シーズンを観終わった状態で、この本を手に取りました。なので、あのキャラがまさかあんな結末に、ドラマ版との展開の違いを楽しめています。内容は人間が文明社会を失ってどうなるかのシュミレーションとして、細部に気を配って描かれています。ゾンビ映画のその後というコンセプトの看板は伊達じゃない出来です。序章にすぎないのが恐ろしいところです。
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ドラマ「ウォーキング・デッド」の原作本、第一巻。ストーリーはドラマで言うところのS1~3の辺りが描かれている。
ドラマ版をS3まで観終えてから読み始めたが、ドラマ同様読み終えるまであっという間。300ページを越えるボリュームも凄いが、ドラマ版と絶妙に違うストーリーが凄く面白い。一部登場人物の違い(メルル、ダリルなど登場しないキャラもいる)や人物像の描かれ方や展開の違いも含めて、ドラマ版から観た人も存分に楽しめる内容。
少し気になったのは、日本の漫画と違って文章が横書きなのは最初は凄く読み辛かった。文章量も多いので、最初は吹き出しを追いかけるだけで精一杯。ただ描写が激しいものになっていくに連れ、自然と慣れていた。
あとがきで明かされる当初この作品タイトルが「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」になる予定だったというエピソードやラフ画、カバーアートなどおまけも素晴らしいです♪買う前は漫画に3000円?って感じが拭えなかったけど、充分お値段以上の素晴らしい作品でした!次巻、次々巻も期待!
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Graphic Novelとは良く言ったもので、小説のような読書感覚。お腹いっぱいのサバイバル。アメコミ式のコマ割りよりも日本マンガの「間」を持ったスタイル向きな気はするけど、それだと何十巻あっても足りないんだろうなあ。緻密で端正な画のトニー・ムーアの降板はちょっと残念。
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ドラマ版との最大の違いはダリルがいないことだが、他の全ての違いがダリルがいない、相棒が定まらないことから生じているといっても過言ではない。
荒事を任せられて信頼できる。そんな奴は崩壊後の世界ではとてもとてもレアである。特にドラマより縛りのゆるいグラフィックノベル版では下関係のゴタゴタもリックの頭を悩ますため、タフで誠実な上に性的にドライであることが求められる。そんなパーフェクト男の中の男はダリル以外にはタラハシーさんくらいしか存在しないので、結果リックが背負い込む重圧と負担がドラマ版の3割増しになり、早々に心を病むし、人間性をどんどん手放すはめに。むごい。ただし、その結果としてアンドレアが戦力としてチームに居場所を得たり、ドラマ版でパッとしなかった人々が脚光を浴びる機会が多い。
かなり忠実に再現されてるし、エピソードもほとんど回収されてるのでどっちか片方見るならドラマ版の方がいいと思うけど、続きが気になって仕方ない人はさっさと原作買って先に読んじゃえばいい。抵抗むなしく獣に近づく一方だったリックたちに転機が訪れる6巻を早く映像で見たくなるはずだ。
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読み終わるのにすごい時間がかかったが、2話と3話はすぐ読了した。ドラマのほうも途中まで見ていて、それなりに活躍してたシェーンがこっちでは第1話で死んでいてびっくりした。リックに必要なのは頼りになるナンバー2だと思うのだが、ドラマでは副リーダー的なダリルがいないしその役割はタイリースが担うわけで、なんだかんだ生き残ってくれてよかった。殺人を犯したといってもデクスターが一番囚人ではまともに見えるのだが。頼りになりそうなので穏便に終わらないだろうか?
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BOOKMARK2から。ゾンビものか~。ま、タイトルからして明らかで、それを分かって手にした訳だけど、やっぱりいまひとつ好きじゃないかも。本サイトで検索すると、まだまだ以降続刊みたいだし、本書の最後も、いかにも次を含ませるものなんだけど、もういいかな、って感じ。