紙の本
「企画=記憶の複合」と説く人気プロデューサーの発想術は「気づき」力のことだ
2012/01/25 16:21
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る
「気づき」の感度を高めるために何をすべきか、どういうマインドセットをもつべきか、どういう生活習慣をつくりあげるべきかについて、人気プロデューサーが随想的に記した本である。
著者は、「成功する人は一秒前に気づいている」と言う。「企画は記憶の複合」であるというのは著者がよく使うフレーズのようだが、ここでいう「記憶」が「気づき」の「記憶」のことであるならば、いい企画をつくるためには、人より多く「気づき」を積み重ねなければならない。なぜなら、小さな「気づき」と別の小さな「気づき」を組み合わせ、複合させることで誰も思いつかなかった画期的なアイデアが生み出されることになるからだ。それがひいては「成功」につながってゆくのだ、と。
人より多く「気づき」を「記憶」としてアタマになかに蓄えておくためには、「気づく」ための生活習慣づくりと、さまざまなツールやテクニックがあると著者は書いているのだが、一つ一つをみれば、いずれも突飛なように見えても絶対にマネできないというたぐいのものではない。ただ、これらすべてを実行するのは難しい。
著者が書いているなかでわたしが面白いと思ったのは、そうした生活習慣よりも「ものの見方」にかんするものである。著者が成功したプロデューサーであるのは、なんといっても「ものの見方」が人とは少し違うからにほかならない。
第2章で「寄り」と「引き」で世間をザッピングすると書いている。「寄り」と「引き」というのは、カメラ撮影のズームインとズームアウトに該当するものだろう。日本人は案外、この「寄り」(ズームイン)をふつうにやっていながら、同時に「引き」(ズームアウト)ができていないのではないかと思うのだが、ある意味ではのめり込みつつ冷めているという二つの異なる態度を取る修練が必要なのかもしれない。
このほか「タイムテーブルは「円」ではなく「球」をイメージ」など独特なものの見方も含め、まずは通読して自分に刺さってくるものから、どんどん積極的に盗んでみることだろう。自分にフィットするものは自分に定着し、そうでないものは忘れ去る。本書の読み方はそんなものでいいと思う。だが、読み捨ててはもったいないものの見方が散りばめられているのは確かである。
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仕事の参考に購入。気づく力の大切さを痛感。特に一般消費者向けにモノ、サービス、アプリとか作っている人は参考になる良書。
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人気プロデューサーが日頃習慣付けしている「気づき脳」の作り方・生かし方のご紹介本。
・企画を生み出す3ステップは、「き・づいて」「か・んがえて」「く・らべる」ことだと思います。気づくことはその最初のステップ。
・「気づき脳」は毎日の日常の延長線上にはありません。いつもと同じ考え方や見方をしていては決して動いてくれない。
・「本当の自分」に対する感度を保つこと。本当の自分とはすなわち、ほかの人とは違う自分。勇気をもってさらけ出していかないと、気づきが遠ざかる。
・「ポジティブプランニング」と「ネガティブシミュレーション」
・何でもやるのではなく、あえてやらない、あえていかない、あえて選ばない。「お決まりコース」から意思を持って外れることで、人とは違う気づきに出会える。
・毎日いろんな角度から、自分に突っ込みをいれて、自問自答して原点回帰してみる。当たり前になっている自分を疑う。
・企画は合気道である。制約を合気道のように生かして、一人だけで考えたものよりも遠くに飛ばす。
・浮かんだことをそのままにせずに、妄想をどんどんと広げていく。
・初対面の人には、突っ込み嫌いかどうか見極めるところから。褒めつっこみで反応を見て、タイプを見極めよう。
・「あきらめる」=明らかに見極める。何をあきらめる・捨てるかを選ぶことこそ、企画なり。
などなど。
わかっちゃいるけどついついおざなりになってしまうマインドセットをもう一度思い出せた一冊。こうやっていろいろな高みにいる企画術の本なりお話なりを伺ってきているここ1年間だけど、共通点が見えてきました。来年はそこを、自分でも突いていきたい。
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ポジティブプランニングとネガティブシミュレーション。
旗印は数字ではなく理念。話にタイトルをつける。 『要するに』力。
相手の想像を超えるタイトルをつける。
あきらめる=明らかに見極める。
→常にアンテナを張っておくということ。
運転中の、ランニング中の、シャワー中の、何気ない思いつき的な・・・。
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あえて一言で言うならば、先入観にとらわれずに色んな視点から見てみようよという内容。
ほんとそういう視点って大事だと思う。そう思って色々観て見るけど、なかなか新しい気づきを見出すのは難しい。本書内に書いてあるけど、常にそうやって考えてないと自分の物にはならないなと思う。
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・小さな気づきの組み合わせで企画ができるという点は賛成。気付きは記憶の集合体。(だからEverNoteのようなアプリを活用するのが良い)
・以下、共感したこと。
・ポジティブプランニングとネガティブシミュレーション
・目指すべきは数字ではなく理念
・寄りと引きでザッピング。鳥の目、虫の目、魚の目。
・タイムテーブルは球。(昔、ながら族はだめだと言われたが、社会人になるとどれだけマルチタスクをこなせるか(=ながら)が問われる。)
・デティールにこだわれ。
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『気づき』で人生かわる。
『気づき』の研修を受けたのは
15年ほど前。
そこのとはまた違った見解で面白かった☆
気づかない人生より、今の人生のが確かに楽しいし、充実してる。
タイムテーブルは「円」ではなく「球」をイメージ
って、まさに、その通り(^ ^)
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わたしも最近やけに流行っている「気づき」という言葉がキライだ。
何か非常に「あいまい」なことでも「気づき」といえばサマになる、というような風潮。
『たくさんの気づきを得られました!』
それって、具体的にはどんな?
何が身に付いた、得られたのか?
これと同意語が「インスピレーション」。
この本のレビューとは少し離れてしまったが、文中にたくさんのこの「気づき」ということが使われているので、このイメージがつきまとってしまい、大きな雑音の中で大切な話を聴いている、そんな印象があった。
この著者の言う「気づき」とはもっと平たく言えば『ヒント』であり、次の具体的な行動につながるひとつの原動力と言っても良いものである。
いちいち脳内で置き換えながら読み進めて行くのだが、それでもこの書の内容は非常に濃く、興味深いものであった。
どうやって、アイデアを引っ張り出す、ひねり出すのか、しかしこのアイデアというのは実際、「無」から「有」を産み出すのではなく、「記憶」の組み合わせとその化学変化なのだ、ということ。そのそれぞれの過程で、それぞれの訓練の仕方があり、この書で紹介されており、その多くは誰でもすぐに実行可能レベルのもの。
わたしはこの書から多くの気づきを得られました。
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ぐんぐんと読んでしまいました。この本の内容に惹きつけられて読んでいるんだと思いました。「気づく」ことにもっと気を遣うと、新しいことが発想できる。日常生活の中で意識的にやっていかないといけないけれど、意識すれば大きな成果が得られる。気づいたことを、発信して、そこからまた何かに気づくことができたらいいなと思います。Twitterをもっと活用しよう。
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「気づき」は大事ですね。
この本で気になった言葉―
・「語れるレベル」までディテールを意識する
…アウトプット出来るとこまで意識を向けることが不足していることに反省。
・あえてやらない。あえて行かない。あえて選ばない
…当たり前という既成概念にとらわれないことに対する考えは同感。
まこは「普通」と「一般的に」という言葉が嫌いです。
時々まこの行動や思考にたいして、「普通は…」とか言われるけど、逆に、“普通”ってなんですか?と聞きたい。
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印象的だったことは、
①「自分は世の中があったく見えていない」という認識を持つことが、とても大事だと思います。自分自身をいつも疑ってかかるのです。
→日常生活でも新しいこととかを探しがちだけど、こういう考えをすると見ている日常も変わってくるのかも
②人はいろんなものを見ているようで、実はしっかりとは見ていません。ただ見ているだけで、まったく「気づいていない」のです。
→よく会う人でも、日によっていろいろな変化があるのではないか。それを敏感に感じられるようになりたいものです。
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・「自分を疑う」ことが「気づき」の第一歩。自分を疑うことができたら、いかに自分が、世の中を、物事を知らないかが見えてくる。
・気づき力を高めるために意識してほしいのは、「こをやなの、仕事にはまったく役に立たない」「今度の企画づくりにはまったく関係がない」というものにあえて興味をもったり、頭を巡らせたりすること。役に立たなそうなことが、役に立ちそうなことと結びついたときに、爆発することもある。
・寄りすぎているなと思ったら、引いてみる。引きすぎているなと思ったら、寄ってみる。
・「第ゼロ印象」が大事。第ゼロ印象をつくってから会えば、それをうまく"利用"することで登場を演出できる。最初の印象をうまくつくることができれば、相手との関係性が変わり、「気づき」を変える。
・失敗したり、予期せぬ事態に陥ったりしたときには、これを逆手に取れないか、と考えることにしている。逆手にとるクセをつけておけば、気づく力を高められることはもちろん、何より人間的に強くなれる。
・すぐれた経営者は総じて考えるのが早いのは、日頃から考える経験を積んでいるため。考える時間は短ければ短いほどいい。
・リスクヘッジに対して、根拠なき自信が勝たなければ気づきや企画はけっして日の目を見ることはない。リスクをとる勇気を常に持たなければいけない。時には失敗もあるかもしれないがらその失敗が力をつけてくれる。