紙の本
二人の考え方が驚くほど似ている
2020/01/24 22:41
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
鶴見俊輔はいくつか読んでいた。小田実はそんなに読んでいない。ただ、鶴見俊輔のエッセイ等には頻繁に小田実は出てくる。この本では、鶴見俊輔の章と小田実の章が交互に載っている。続けて読むと二人の考え方が驚くほど似ていることに気づく。立ち位置が一般民衆の側なのだ。徹底している。この人たちの書いたものをもっと読みたいと思った。
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小田実さんが面白い
71p~の「小さな人間の位置から」
が 秀逸
ギリシャ神話、ギリシャ悲劇、喜劇
その 名前の売れた大物
アガメムノン、アキレウス、アポロン
そんな輩を糞味噌に解釈しているのは
さすが 小田さん
俺たちは 所詮
なんの力もない そのへんのおっさん、おばはん
つまり その他大勢のデモスなんやから
どこに 自分を位置づけて読むかは
大事だよ
と それはそれは 説得力のある文脈
「源氏物語」で言うと
牛車を引っ張っている男が私よ。あなた方よ。
ほんとうに その通りだ!
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・自らのものの考え方を、弁証法から出口を見出す。反・反共という思想。
・民衆の思想はWhatからはじまるのでなく、Howから始めるとよい。Howから考えて、Whatに至る思想形成が必要。Whatから始めると、強制を伴って、失敗する。地道に動くことによって認識し思考すること。思考は自由だから。
・認識と思考が重要。事柄をできるだけ正確に客観的に見定める。認識の上に、自由に物事を発想する。
・運動が広がり、伸びて行くウラには、市民運動の不文律がある。自分のやりたいことをやる、人のやることに文句を付けるな、文句があるなら自分でやれ、と。そして、必ず自分でやれ。自主的に自分が動くことが市民運動の一番基本の原理である。
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オリジンから考える
小田実 の生前に企画され 死後に出版された本。小田実の講演、鶴見俊輔の2011年東北大震災直後の哲学エッセイなどで構成。
小田実 は魅力的。国と個の流れを常に見ている。日本的なのに世界的でもある。小田実の本を あまり見ないが、なぜ 評価されていないのか わからない
小田実の人間観に共感する
*人間はみなチョボチョボ〜自分も他人もチョボチョボなんだから間違いを犯す
*小さな人間が 世直しをしないと大きな人間がはびこる〜民主主義のあるべき姿
*共生〜異なる価値観を認めて差別をしない
人間はみなチョボチョボ
だから 自分も他人も間違を犯す。それなら 間違いを指摘した人と一緒に行動すれば間違いは減る という考えは 人間の大きさを感じる
民主主義のあるべき姿
小さな人間には戦争を起こす力はないが、戦争をやめさせる力はある という信念と 小さな人間が 世直しをしないと、大きな人間がはびこる という危機感に 民主主義のあるべき姿を感じた
共生を co-habitance of different values (異なった価値を持った者が一緒に生きる)という造語で表現。おそらく共生は 平等で対等な関係を前提としている。仲良くというより 異なる価値観を認めて差別をしない という意味に捉えた