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大変に良心的な本だと思う。一般向けだがデータや引用の出典を明示し、参考文献表、索引もついている。専門的なものをきちんと読み込んだ上で、フルカラーの図表、イラストも用いてわかりやすく説明している。最近の脳の生成に関する説明が特にわかりやすい。著者は若手動物学者。惜しむらくは、2か所で言及されているフェミニズムについての浅さ。さすがにそこは専門外なのだろう。
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これは面白かったです。あまりに面白く、読みやすかったため、ずっと「インチキ本」(面白さ・読みやすさ優先のいい加減本)を疑っていたほど。「性同一性障害の人々は、心と体の性の一致しない人々のほんの一部」だけでも読んだ意味がありました。
とても面白い本。性分化について自分が何も知らなかったことを知った。「ヒトはメスに生まれてオスになる」くらいの知識はあったが、性には4つあること(性腺、外性器、内性器、第2次性徴)も、XY染色体の役割も、男性ホルモンの役割も知らなかった。サブタイトルにあるように「性染色体だけでは決まらない」模様。今、片思い@東野圭吾を読み返すと、もっと深く楽しめるような気がする。
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絵は漫画っぽくて中高向きかと思ったが内容は大人が読んでも面白いレベルのものであった。
性の決定というのものにいかに自分が無知であったかがよくわかった。
とにかくいろんなパターンがあり、一概にこれだからという理由で性別の掛け違いが起こるわけではないと知った。
(自分メモ:正しいかは自信なし)
遺伝子的男子ー性器分岐時は男性ホルモンあり、心の性別分岐時に男性ホルモンがでなくて女性化
内性器は男性だが・外性器は女性化しており、女性として育てられ生理がこなくて初めてわかるという例もあり。
遺伝的女子ー男性ホルモンが多く出る病気によりが心が男性化
本当ささいな胎児期の男性ホルモンや性決定遺伝子の掛け違いによって様々な性が生まれるということを学んだ。
教養として読んどくべき。
またトランスジェンダーを含め、性別で悩む人々にたいするだいぶ見る目が変わるのではないか。
男性ホルモンが体・心の性別をきめるのに重要な役割をしているため、男性の方がかけちがいによる影響がでやすい生態のようだ。
自分の知らない病気があって、苦労をしている人々がいるのだとおもった。
ペニスが事故でなくなり、赤ん坊のうちに切除、女の子として育てられてしまった例は不憫であると思った。性別決定は大人にならないと答えが出ない長いスパンの問題であり家族と本人は大変であろうと苦労がしのばれる。
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カラーだし図やイラストも付いていて可愛くて読みやすい!中高生でまだジェンダー論がよく分からなくてもこの本なら入門的に読めると思う!
男、女という定義はとても曖昧で、性器で分けようとしても染色体で分けようとしても、完全には二分できないのがよくわかる。
また、女子は数学が苦手というのも、周りから数学ができないと言われ続け自分自身で思い込んでいる部分も大きいというのは納得した。
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またしても知らん麻生先生からもらいましたー。2011年10月より長浜バイオ大学准教授だそうなおめでとうございます。ダイアモンド先生の弟子らしい。
これもジェンダー/セックス関係者必読。性分化とか性指向とかそういう話から「「女は数学ができない」という固定観念で得点は下がる」とかフェミニスト好きなネタも参照文献きちんとしながら満載。とにかく生物学フェミニストはがんばってほしい。全力で応援。
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ライトな学術論文のような感じで読みやすかったです。
表と数字の関係の説明や、著者の主張が少し分かりにくいところがありますが、保健体育で習わないようなことを知れて勉強になりました。
Sexual Identityを性同一性ではなく「性自認」の和訳を使っている点、Gender Identity:ジェンダー との違いなどから始まり、見た目だけでは分からない性差や、本人でさえ気づかないパターンがあることを知り、改めて「自分は◯◯だから男/女です」と自信を持って言えるのか、考えるキッカケになりました。
最後の方の胎児期のホルモンの影響で性別が分かれていくこと、「体の四つの性 -性線•内性器•外性器•第二次性徴-」へとつながっていく部分が、知らないことばかりで面白かったです。