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紙の本

江戸城内、見てきたような描写見事

2012/02/05 21:16

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 上田秀人の三田村元八郎シリーズの第5作である。三田村は時の将軍徳川家重に仕える御家人であるが、滅法腕が立つ。腕とは剣の腕である。となれば、用心棒といいたいところであるが、そうではない。家重に代わって全国の国情を調査するという重い役を担っている。当然、命を狙われることも度々なので、三田村のような剣の達人が選ばれたわけである。

 冒頭から江戸城城内の様子が詳しく描かれている。まるで見てきたように自信をもって描かれている。この角を右に曲がり、長い廊下を行き着くと、今度は左に折れて・・・などと記されている。上田の時代小説の特徴のひとつは、これである。あまりに詳細に描かれているので、妙に現実感がある。

 それは城内の間取りや構造だけでなく、職位やお役目なども詳細を極め、数冊読むとすっかり頭に入っている。上田は親切にも新しい読者のために繰り返し書いている。そのために上田の愛読者は、江戸時代の将軍と旗本、御家人の関係や、お役目と石高などについても詳しくなっているはずである。小普請組といえば、何やらお役目を担っているように聞こえるが、そうではなく窓際族のたまりなのである。しかも、給金をいただくのお役目ではなく、自腹を切って幕府に献金しなければならないという辛い役目でもある。こういう解説が始終現れるので、愛読者はすっかり詳しくなる。

 このシリーズではとくに朝廷との関係も描かれている。朝議の様子や宮家の暮らしぶり、公家と武家の橋渡し役など遺漏がない。上田の時代小説の面白さはこういう点にもある。ストーリーや剣劇の面白さだけではないのである。

 サービス精神旺盛な上田は剣劇のサービスも忘れてはいない。主人公は必ず何らかの流派の免許皆伝で、向かってくる敵をばったばったと切り倒す。時には負傷もするが、練成を重ねてより強くなるという具合である。

 この三田村元八郎シリーズもこれが第5話である。これ以上続くと登場する人間の種類も限界に達し、どのシリーズも似たようなものになりかねない。それかどうか次の第6話で終幕を迎えるようだ。将軍家見聞役とは気が利いたお役目で、描く方としては何でも描けるし、情報の入手も自由自在なので、書きやすいであろう。

 繰り返しは飽きも産むが、定番として型が出来てくる。型ができるとそれを楽しみにする読者も出てくるのである。本書でも忍者だけでなく、いよいよ僧兵も登場してきたので、他のシリーズとさらに区別がつきにくくなってきた。仕える将軍の個性を出すというのも一つであるし、時代を全く変えるという手もある。いずれにしても今後の上田の時代劇の進展が楽しみである。

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