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☆
旦那と別れたときに思ったんだ
当分、前に進むのはやめようって
結局、ずっと自分と言う人間を受け容れないできたのが良くなかった気がしたの。
自分が何をしたいのか分からないって言うのかな、
ずうっとそんな感じで自分をやってきちゃったから。
立ち止まってちゃんと自分を知ろうって思ったのよ
☆
過去だとか自分の体験だとかは、一体何なのだろうか?
それより何より、過去の記憶とは一体何のだろう?
私はずっと母の死に苦しめられてきた。
母が若くしてがんを患い、進んでいく症状や増して行く苦痛に絶望し
ほんの数行の走り書きのよなものを残して、
おそらくはほとんど発作的に死を選んでしまった事実に私は悲しみ、
うちひしがれ、
またそれと同じくらいに憤り、
そして何倍もの強さで懺悔してきた。
それらは確かに過去にあった現実であり、
それらが私を拘束し続けているのも明白な事実であるが
しかし、前者の「現実」と後者の「現実」とをつなぐ肝心要の
「過去」の方が、当の私自身の記憶から砂がこぼれるように失われているのだ。
このもう一つの新たな現実にはたと気づくと、
母や父、関谷に対するありとあらゆる感情がどうにもバカらしいものに感じられてきたのである。
過去に拘泥することによって結局、
私自身が私を苦しめ続けてきたに過ぎないのではないか。
ふと、そう思い当たったのだ。
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時空を超えて手元に現れた自分のバーバリーのレインコート。謎めいた始まりと好きなキーワードが出てくるので続きが気になってそわそわしながら読みました。神保町、本好き、iPad、スタバ、カフェ、28歳の主人公と震災後の生と死について一緒に語り合っている感覚で読みました。実際の作家の本川達雄先生の本が出てきますが、エッセイの著者の梅枝母智夫は架空の作家ですね。実在の場所も出てくるのでフィクションじゃないような気がする不思議な小説でした。
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ストーリーよりも思索を展開した、「この胸に・・・」の路線となる本だと思う。ところで、引用されていた「人の死の実態を数学的に展開した」著作って、実在の書籍なの?
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郷里にあった古びたレインコート。買ったばかりのものが今手元にあるのに。時間の観念がずれて起こるさまざまなこと。
不思議な小説。
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とてもおもしろく読みました。
イリュージョンの考え方はしっくりきたし、
SDカードや携帯のミステリー要素も気になって、
すいすい読んでしまったよ。
堀江さん魅力的でした。
自然体で生きてる感じがよかった。
私堀江さんと同い年なんだなー
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白石さん特有のくどくどとした文章に辟易しつつも、なお読後感は良かった。作者の作品にしては珍しく癖のない爽やかな青年が主人公になっているせいだろうか。東京と長崎を舞台にし震災後の作者の死生観を余すことなく描いている重い作品ではあるけれど、武夫とるり子の恋愛作品として読むこともできる。
二人が時を超えて再会する展開は、1Q84の天吾と青豆を彷彿とさせると感じたのは私だけだろうか。
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あまり口に合わず……
とりあえず読み切った。
登場人物と同じようなことを考えた時もあったので共感する面もなくはなかったけれど、何か私の感覚とは違っていた。
そんなこと、今更言われなくてもわかってる。
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タイムスリップ的な時間の織りなす不思議な出来事。結果的にはボーイ・ミーツ・ガールになるのだろうが、なるかも、で物語は終わっている。
途中で出てくる白石一流の緻密な数字を並べた考察や、時空についての捉え方が面白いが、ややキツイ。
物語の展開が面白そうだったのに終わり方があっさりしているので、何となく物足りない気分になった。いろいろ展開は自分で考えろということだろうが、もう少しベタでもよかったかも。
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白石さんの作品は、時間があるときにじっくり読まないと、すんなり入ってこない。震災後に発表された今作は、多分にその影響を受けている。というか、この作品の背景に、震災についての白石さんの想いみたいなのがぎゅっと詰まっている気がしました。
永遠に続く命。
過去も現在も未来も(それは死後も)
果てしなく続く幻の中の一コマに自分がただ存在している
ということを実感。ありがちでいて、有り難い、白石さんらしい、
深く考えさせられるお話でした。
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震災後に白石氏が考えたことを作品にしたという。未来のSDカードと携帯が表れ、男女の出会いを再現させる。ファンタージなところもあるがよく分からなかった。
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白石一文の震災後の作品。誰もがいつか死を迎えるこの世の中だが、時に思いもかけず予想より早く死を迎えてしまう人がいる。それを怖がったとたん世の中がイリュージョンとでも思わないとやりきれなくなる。死こそ不滅で厳然としてある事実だと思い知ったとき人との出会い、関係をどう捉えるかといったことがテーマになっている小説。自分はどう思っているんだろう。流されていないか?逃げていないか?ゆっくり考えてみよう。
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永遠のループ
この世界は無限にループしている
本書を読み終えてそんな感覚を覚えた
白石さんの描く人物はどこか達観していて、
世の中を斜に見ている
こんな言い方をするとおこがましいが
自分もそういう生き方をしているので、そんな登場人物たちとシンクロしながら
読み進めることができる
今回の主人公 武夫も達観しているにはいるのだが
酒屋の老夫婦の人生を「素敵だ」と感じれるところに
なんだかほっとする
武夫とるり子の未来を見守りたい
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そうなるようになっていた。
何故写真を取る必要があったのか、とか、なぜ、それをそのままトレースしようとしたのかとか、謎はたくさんある。
わざと反発しようとしたらどうなったのか、とか。
でも、そうしなかった。
そうならなかった。
それはきっと、そうなるようになっていたからなんだろう。
それが運命というものなのかどうかは、よくわからない。
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自分のクローゼットにあるレインコート。それが郷里で見つかり、母親から送られて来る。なんともミステリアスな始まり方。
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これは何とも不出来なSF的ストーリー作品。
途中までのパラレルワールド的世界がどう収束していくのか思いきや、あまりにいい加減な言葉「イリュージョン」の連発で誤魔化されてしまってはひど過ぎる。
掲載された雑誌が雑誌なだけに、適当に力を抜いたのかもしれないけれど、竜頭蛇尾もいいところ。得意の性的描写も、極端に特殊な方向に走ると興味が薄れていく、、、