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紙の本
まるごとの人間としての上野千鶴子論
2011/11/23 22:39
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まむ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「泣く子も黙る」、「ケンカの強い」、「おひとりさまの」、そんな形容詞がつきそうな上野千鶴子を特集した雑誌が出た。まるごと一冊、上野千鶴子についての本だ。
執筆陣は、日本のフェミニズム(女性解放運動)の先駆的役割を果たしてきたころからの仲間(女性)たち、また鶴見俊輔、見田宗介、樋口恵子ら重鎮たち、ジェンダー論を共に牽引してきた江原由美子、あるいは社会学の俊英・立岩真也や小熊英二といった研究仲間。『逝かない身体』の川口有美子、『リハビリの夜』の小児科医・熊谷晋一郎に至るまで、50人ちかくにも及ぶ人々より構成されている。
研究者としてだけでなく、教育者としての上野。教え子たちの座談もある。教え子、あるいは上野と接近遭遇した執筆陣それぞれの上野への「思い」みたいなものも加味され、著作だけからでは伺い知れない「まるごとの人間として」の上野千鶴子像も浮かび上がる。そういう私的側面を垣間見ることができ、私みたいな私淑の徒(というよりもファン)にとっては、たまらない一冊でもある。
もちろん上野の公に出版された著作の位置づけや、裏話あるいは、その著作の目的といったことも語られたりする。例えば、ベストセラーになった『おひとりさまの老後』だが、その狙いは、「ネガティブ一色だった単身高齢女性イメージの転換」をはかることで、「確信犯的に恵まれた層をとりあげた」ということが、小熊英二との対談によりわかったりする。
つねに「戦略的」「挑発的」「論争的」「確信犯的」に発言したり書いたりする上野なので、誤解や批判も多いが、この特集が今後、学問分野を超えて、ジェンダー研究やフェミニズムに大きな力を与えるとともに、上野千鶴子を正当に評価する一つの材料となることを願う。
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