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藤子・F・不二雄の世界 〈完全作品リスト〉データ追補!! 改訂新版 みんなのレビュー
- 藤子・F・不二雄 (著)
- 税込価格:1,540円(14pt)
- 出版社:小学館
- 発売日:2011/11/29
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コミック
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紙の本
「SF漫画家」としての藤子・F・不二雄
2012/03/26 08:21
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
藤子・F・不二雄さんは代表作である「オバケのQ太郎」や「ドラえもん」によって子供向けの、時にはそれは幼児の範囲まではいりますが、漫画家と思われている向きがあります。
しかし、実際には「SF漫画家」と称すべきかもしれません。
本書は藤子・F・不二雄さんの世界を多面的に網羅的に収めていますが、「傑作セレクション」と題された、数多くの作品から選び抜かれた漫画数篇を見ると、藤子さん自身、「SF」にとても興味をもっていたことを窺い知ることができます。
本書に収録されている昭和51年に発表されたSF短編「みどりの守り神」は、飛行機の墜落事故で一命をとりとめた少女と青年の物語です。
墜落現場の山合いから町をめざして歩き始めた二人はいつしか全世界から人間の姿が消えていることに気がつきます。核戦争? やがて、二人はジャングルと化した東京にたどりつきます。実は生相物の急激な変化によって人類は死滅していたのです。青年は狂気に陥り、少女だけが歩き始めます。
そんなストーリー性は、「ドラえもん」では表現できない世界観といえます。
藤子さん自身、SFが大好きだったようです。だから、SFもどきまんがが作品の中で圧倒的に多いといいます。 「ドラえももん」は「生活ギャグまんがですが、SF的要素も多量に含まれてい」ると、自身語っています。確かに「ドラえもん」の中に出てくる小道具はそういう要素がないわけではありません。そんな「ドラえもん」だけでなく、「オバケのQ太郎」も「パー、-マン」にも形は違ってもSFの要素があるというのです。
もちろん、SFとはサイエンス・フィクションのことですが、確かに異次元のものと遭遇し、それを解決していく成り行きは、ギャグまんがとはいえ、「オバケのQ太郎」にも「パーマン」にもあります。
藤子さんの多くの作品がそういった異次元なるものとの出会いと交流を描いているといっていいのではないでしょうか。
そういう点では、「漫画の神様」手塚治虫さんが初期に目指したものと、とても近いように思います。
そんな藤子さんの「完全作品リスト」も付いて、藤子さんファンにとっては貴重な資料編ともいえる一冊です。
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