紙の本
最終的に
2017/08/08 19:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
紫の上は妻にして育てた娘であり源氏の手で磨き上げられた作品でもあり 最終的には源氏の母親代わりという源氏の願望全部乗せにされてしまったように思った。そりゃ紫の上も疲弊する。彼女は病で死んだわけじゃない、源氏相手の戦死のように思える。
投稿元:
レビューを見る
「御法」が凄い。紫の上を失った源氏の虚脱感がこれでもかというくらい描かれています。
「引きちぎられた御法の果て――紫の上は、死んだのだ。」このフレーズが一際耳に残ります。これだけでなく、橋本氏の源氏物語は印象に残るフレーズがとても多いです。歌の解釈も、気に入らないのもありますが(笑)概してわかりやすくて好きです。
「雲隠」以降も嫌いではないですが、やはり一人称源氏の死後は魅力が薄れてしまうかも。
投稿元:
レビューを見る
横笛・鈴虫・夕霧・御法・幻
最後の最後で現実から目を背けてしまう六条の院に涙。
うかつにも(源氏で初じゃないかな)泣いてしまうほどでした。
哀愁というよりも、寂寥という言葉でしょうか。
もっとふさわしい言葉があれば教えてください。
投稿元:
レビューを見る
横笛、鈴虫、夕霧、御法、幻が収録されていました。
全然性格が違う源氏親子が可愛いです。夕霧くん本当可愛い。
ついに紫の上が亡くなってしまいました…。源氏の悲しみがひしひしと伝わってきました。
投稿元:
レビューを見る
夕霧と落ち葉の宮の恋がのっぴきならない感じになってきました。夕霧ストーカーですよね…。子沢山の雲居の雁が腹を立てるのもさもさありなんですよね…。落ち葉の宮を口説くときも的外れ感が漂います。雲居の雁と夕霧の夫婦喧嘩はなんだかかわいらしかったです。
「横笛」が何とも情緒のある文章で、今は梅雨時なのに秋のつめたい空気を感じてヒンヤリしました。
大病の末、紫の上がとうとうはかなくなってしまいました。ヒロインとしては最高に輝いていただけに、晩年の女三の宮降嫁のことなどて心痛が溜まっていたのでしょうね。悲しいです。源氏も後悔しても遅いよ!源氏主人公の物語はここに完結しましたが、子・孫世代が気になります。これが長い作品を読む醍醐味ですね。
投稿元:
レビューを見る
橋本治 窯変 源氏物語 横笛〜幻
紫の上、女三宮、冷泉院の后...出家者が続く
*現世の罪を 出家して 洗い流し 来世で幸せに
*出家は 源氏の孤独を導いているかのよう
*光源氏から夕霧へ世代交代し 物語も転換させている
紫の上の死=源氏の孤独→源氏の死
*小さい頃から 源氏に愛され、明石中宮や 孫の女一宮 まで育てた 紫の上は 物語の中では 一番幸せ
「物思うと 過ぐる月日も知らぬ間に 年も我が世も今日ぞ尽きぬる」
投稿元:
レビューを見る
10巻では横笛、鈴虫、夕霧、御法、幻までが収録されていました。
とうとう源氏の帖が終わってしまった。
紫の上が亡くなってしまい、源氏と一緒に私も虚無感に襲われています。
しみじみと悲しさが溢れ出てくる感じ。
彼女の死後、二条の院で三ノ宮(匂宮)が私の梅♪とはしゃぐシーンでは何度も読んでいるのにこらえきれず涙が・・・
住む人を欠いた屋敷にもかかわらず今年も紅梅の香りが漂い、温かい懐かしさで満たされているその屋敷の情景が、紫の包容力そのものとしか思えず、あらためて亡くなったことが悲しくなりました。
彼女の幸せとはなんだったかなあ、とか月並みだけど彼女の人生に思いを馳せずにはいられません。
極楽浄土では彼女の悩みが取り除かれますように。
と、美しく感想を終わりにしたかったのだけど。
その前の帖である夕霧と落ち葉の宮のこと。
どうでもいいと思いつつ二人について膝を打つような表現があったので、それだけちょっと書き留めておきます。(どうしても夕霧さんとその一派が気に入らない)
「真面目という名の不決断と、慎ましやかという名のたぎる硬直が、心を通わそうという事の前で無様に対峙をするというのだから、これは並大抵のことでは成らぬだろう。」
という一文。
そうなんですよ、こんな二人だからいつまでもめんどくさくって情緒がなくってイライラ。
ついでに言うと落ち葉の宮のことを「さすがに女三ノ宮共々、はばかばしいところの何もない朱雀院の血を引いた内親王だけあって、することはひとつ。よよと泣く」だって。
うーん。辛口すぎてシビれたわ!橋本源氏最高。
さて、心機一転宇治十帖に入りますか。
投稿元:
レビューを見る
源氏の息子である左大将(夕霧)が、源氏に降嫁した女性に手を出してしまったが故に源氏に疎まれて、それにびびって早死にした友人(柏木)の未亡人に一人恋焦がれる、嫌われて余計に焦がれるという話。なんかこう書くとつまらなく聞こえる、、、
後半はとうとう紫の上が亡くなり、源氏の傷心と憔悴。
投稿元:
レビューを見る
かみ合わなさすぎて、何がどうしてこうなんだろうと読み返したが、不思議な振る舞いばかりの夕霧と女二の宮の恋。
押し入れに立てこもる女二の宮と、ちゃっかり形式的に結婚のようなことをした。
本妻に気を遣って慰めのようなことを言ってくるくだくだしい夕霧に、雲居の雁は死ねよと言った。
自分は七人もの子育てで年老いた、自分だけ今風に着飾っていい気ね。
「何ごと言ふぞ。おいらかに死にたまひね」
ほんとに言ってる!言霊を恐れる時代じゃなかったのか。
「二三年ばかりの末に世を背きたまひし嵯峨の院」
光源氏は死んでしまった
紫の上が亡くなってからは抜け殻のようだった(幻の巻)