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劇団を主催している大輔と瑞穂は、家族のふりをする仕事、派遣のために養護施設にいるひなたの週末家族を申し出ます。
ひと癖あるひなたは、演技は完璧ながら掴みどころなく、瑞穂は不安を覚えます。
大輔、瑞穂、ひなたの三つの目線で書かれているこのお話は、家族ってなんだろう、相手を思いやる気持ちは家族だからって変わるものなのだろうか、と考えさせられます。
家族はいつも一緒にいなくてはならない、気持ちは通じていてあたりまえ、親はどんなことをしても子供を育てなければならない、親に育てられるから子どもは幸せ、それらは思い込みなんだと教えてくれます。
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小劇団を主宰している瑞穂と大輔夫婦と、二人が副業でやっている「派遣」の仕事のために週末預かるようになった児童養護施設で暮らす少女ひなたの3人の話。
こうあらなければならない、という「思い込み」を捨てて、少しずつ3人がチームになっていく感じがいい。
読んでいるこちらの既成概念までもほぐしてくれる。
ひなたちゃんが可愛い。
さらりとした文章なのに、泣けたな。
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まさに『思い込み』にふりまわされている自分や周りに気付く。決まった形にこだわる必要なんてなくて、それぞれがそのチームに合った形を作っていけばいいんだ。読了後すっきりした快晴の青空が広がる感じ。
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作者である桂さんの本は毎回「なるほど」って思わされます。
きっとテーマを決めて、そのテーマを表すのに最も適した設定・環境を用意し、肉付けしていくっていう書き方なんだと思います。
だから、きっとテーマがぶれないんでしょうね。
今回は「世間の思い込みに囚われるな」っていうテーマでした。
主人公は、打算的に友人関係から夫婦になった二人と、そこに週末だけ子供として家族になる女の子。
こうやって書くと、ドロドロしてそうな話ですが、内容はカラっと爽やかです。
普通とは違う主人公たちは3人とも、世間と外れていることに悩んだり、ストレスを感じています。
でも、そんなことで苦しむ必要はないんだ!っていうのがこの本の結論。
人生楽しんだもの勝ちっていうのは、頭では分かっていてもなかなか難しいですよね。
勉強になりました。
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通勤本を探しているときに、そういえば「嫌な女」で割りと気に入ったのに、それから読んでいないな、桂望実、と思い、手にした1冊。
(あまり売れない?)劇団主宰者大輔と、その妻(というより同志か?)瑞穂と、母親が14歳で妊娠出産後、育児放棄で児童養護施設に入っているひなたが主人公のお話し。
40歳になっても”シェイクスピア”に心酔し、どっぷり浸っている大輔と、無性愛者である瑞穂のいわゆる夫婦関係の希薄(欠如?)さと、その夫婦が最初は打算から週末だけ預かることにした施設の子ひなたの関係性について、それぞれのとまどいを織り交ぜつつ、最後には「いいチーム」としてまとまりつつあるあたりに、ほろり。
現実的に見れば、恐喝まがいのことにひなたを駆り出すなどいかがなものかと思うけれど、このチームを通して、それぞれがこれまで希薄だった”家族愛”について、無意識のうちに目覚める様は応援したくなりました。
さらりと書かれた小説ながら、いろいろ難しいテーマを織り交ぜて、ちょっと考えさせられた。
そういえば、「嫌な女」の際には、改題前のタイトルの方がいいと書いたが、今回は改題前(しかめっ面の少女)よりは、断然『週末は家族』の方がしっくりした。が、この人は改題することが多いのはなぜ?大人の事情?
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男性も女性も愛することができない瑞穂は,事情を分かっている友人でシェイクスピアに傾倒して劇団を主宰する大輔と戸籍上は結婚している。大輔は,子役にするというよこしまな目的で,児童養護施設で暮らす少女ひなたの週末里親になると言い出す。
夫婦でもなければ親子でもない3人が徐々に「チーム」として絶妙の関係を築いていく,という展開が,ややできすぎな感じもするが,わかりやすくて楽しめる。
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いいチーム。家族、連れ、いろんな形があっていいと思う。瑞穂にお土産を買う場面がなごんだ。思い込みで人を傷つける事もあるから気をつけないといけない。表紙の観覧車に乗ってる3人が良い。
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*シェイクスピアに心酔する小劇団主宰者の大輔と、その連れ合いで無性愛者の瑞穂は、児童養護施設で暮らす演劇少女ひなたの週末里親になることに。ひなたを特殊な人材派遣業に起用し、試行錯誤の週末家族が織りなす、ワケあり3人が紡ぐ新しい“家族”の物語*
世間一般の「規格外」である三人が、紆余曲折を経て、唯一無二の「チーム」を作っていく。常識に束縛されず、「思い込み」を捨てて、自分らしい方法での生き方を模索するのもいいんじゃない?そんなメッセージが込められた作品。瑞穂が無性愛者と言う設定は不要に思えるものの、様々な「規格外」の自分を少しでも感じる方には、是非。
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小劇団主催者の大輔と便宜上の理由で籍をいれた無性愛者の瑞穂は、母親の育児放棄で児童養護施設で暮らすひなたの週末里親になる。そんな三人が織りなす疑似家族ではあるが、親子以上の絆が生まれていく。
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シェイクスピアに心酔する小劇団主宰者の大輔と、その連れ合いで他人に愛を感じることができない無性愛者の瑞穂は、母親の育児放棄によって児童養護施設で暮らす演劇少女ひなたの週末里親になって、特殊な人材派遣業に起用することになるが―ワケあり3人が紡ぐ新しい“家族”の物語。
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世間に通りやすいようにと便宜的に籍を入れている大輔と瑞穂の夫婦の在りようも、児童養護施設で暮らす11歳のひなたも、週末里親というシステムでかりそめの家族になることも、代理家族派遣業という大輔たちの副業も、すべてが一般的とは言えない要素から成り立つ物語である。それでいて、それぞれの心情や懊悩が見事に描き出されていて、やり切れなくもなる。ひなたを週末だけ預かることにしたそもそもの動機は、ひなたの演技力故だったが、しばらく一緒に過ごすうちに、少しずつ双方の思いに変化が生じ、あたたかいものが通い合うようになる様子にほっとさせられる。みんなが嘘つきで、そしてこれ以上なく正直な一冊である。
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利害の一致した3人だけど、無理に家族になるのではなくてチームというところに安らぎを感じた。私たちはついつい型にはめて安心しがちだけれども、物事にはいろんな形があると再認識。
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最初の方に「無性愛者」という記載があって そういう関連のお話かと思っていたが 、「家族」という世間の「思い込み」ということにテーマをおいているものだった
最初は(子供って扱いにくい」と思っていた瑞穂がだんだんひなたとの付き合い方を構築して行く感じ、無理に(家族」になる必要は無いと感じられる気持ちか芽生えてうまくいく感じが読んでいてとてもいい
大輔との関係も なんともよく、微笑ましい
ひなたちゃん、かっこいい。
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親子だから良い関係とういわけでもなく、だから、一緒にいるのが正解というわけじゃない。一緒にいないほうが幸せということもあるのだろう。
それぞれが自分にあった関係を維持できればいいんだよなぁ。相手も自分と似たような考えの持ち主でないと難しいだろうけど。
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『幸福ロケット』読了後、続けて手に取った本書にも小学4年生が登場。しかも「こんな10歳がいるかよ」と思っちゃうような小学生が。まあ、そんなことはいいのいいの。ウルッときて、ひなた頑張れよ、とエールを贈りたくなるいい小説でした。
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家族でも友達でもない、こんなチームがあっても良いと思えた。
シェイクスピア馬鹿の大輔も、心配性ですぐオロオロしちゃう瑞穂も、誰かに受け入れられたいと願うひなたも、一塊になればなかなかどうして良いチーム。
シェイクスピアの話ばかりを長々とする大輔は、身近にいたらちょっとうざいだろうけどなんか憎めない。すぐパニック起こして動揺する瑞穂を、ひなたが母親のように背中を撫でながら宥める一見逆転しているような関係性も心地良い。
ただ一つ気になったのは、無性愛者だという瑞穂の設定。それ必要だったかな?
二人が結婚する理由に繋がってくるから、必要と言えば必要なんだろうけど・・・。あまり物語に絡んでこないというか、その設定にするならもう少しそれを生かして欲しかったかもと思ったり。
三人がそれぞれ笑いを堪えようと自分の太ももを叩きながら、それでも堪えきれずに大笑いするシーンに、読んでるこっちも楽しくなって思わず笑う。
はたから見たら、だいぶ珍妙な光景だけど。
うん、でもやっぱり良いチームワーク。