投稿元:
レビューを見る
芸術に造詣が深くないと理解できないんじゃないか、最初そんな不安もあったけど全くの杞憂。
読み進めるうちにぐいぐいと小説の世界に引き込まれ、もう早く次の章へ次の章へとページをめくる手を止められなかった。
アンリ・ルソーの絵は見たことはあるけれど、ただどこかで見たことがあるだけで、彼の人生も、彼が描こうとしていた世界も何も、本当に何も知らなかった。なんだかヘンテコな絵だという印象しか持たなかった気がする。
画家の、絵を描くことへの激しい情熱と、描かれた絵をめぐる多くの人々の深い執念とさまざまな思惑がこれほど魅惑的なミステリになるとは。
美術音痴の私でも読み終わった後に誰かと芸術に関して語り合いたくなる、そんな魅力的な小説。
投稿元:
レビューを見る
「永遠を生きる」「絵が、生きている」
ミステリとしても十分面白かったけど、なによりもアートに対する熱い思いが伝わってきて、読み終わって胸がいっぱい。
もう少し長編でも良かったのに、と思うくらいあっという間に読んでしまった。
自分に本読む趣味があってよかった、と久しぶりに感じた一冊。
投稿元:
レビューを見る
ルソーの大作「夢」とほぼ同じ構図、タッチの画を判定するため、伝説の大富豪に招かれたティム。その対戦相手・織絵と共に、7日間ある書簡と向き合うことに。
様々な思惑が絡み合い、誰が敵で誰が味方かもわからずモヤモヤしつつ、
ティムや織絵と一緒に書簡に夢中になり画に心震わせる時を過ごした気がした。
【図書館・初読・2/2読了】
投稿元:
レビューを見る
極めるということ。
深く知ることは、新しい世界へ分け入ることのように思う。
そして、深い世界を共有するもの同士には深い繋がりが生まれるのだろう。
投稿元:
レビューを見る
祝!第25回山本周五郎賞を受賞したそうです!!
楽園のカンヴァス
ピカソ、ルソーの作品をめぐる絵画ミステリ。絵画に全く興味ない人もグイグイストーリーの中に引き込まれます。絵画の描写もまるでカンヴァスを観ているかのごとくイメージが立ち昇り、実際の作品を観てみたいと思わせます。これ以上は書きません。是非読んでみてください。今年度話題になる要素満載の秀作です。
投稿元:
レビューを見る
有名絵画作品をめぐり、その真贋を競う異色の美術鑑定ミステリ。史実に基づくフィクションというけれど、おそらく事実だって小説並みに「奇」なのではないかと思う。
著者のこれまでのキュレーターとしてのキャリアを最大限に生かして書きあげた傑作ではないか。
新潮社の雑誌『波』に掲載された[原田マハ『楽園のカンヴァス』刊行記念特集インタビュー]を読むと、このモチーフは大学三年生の頃からずっと書きたかったものだとのこと。なるほど、紆余曲折があったとは言え、なるべくしてキュレーターになり、さらには小説家になってしまった著者だから言える言葉だ。
舞台は岡山県の倉敷から始まり、いきなり1983年のニューヨーク、そしてスイスへと移っていく。美術館の単なる監視員と思われていた女性が持つ秘密の過去が明らかになると共に、時代を越えた世紀の謎解きが始まる、、、
次から次へと繰り出される手掛かりや、作中話を通して繰り広げられる物語性に非常に知的な興奮を覚える。読み手が予想する結末を鮮やかに裏切る展開が驚きだ。
惜しむらくは、娘との葛藤の行く末が分からぬところだけかな。
投稿元:
レビューを見る
ルソーの世界に引き込まれた。
何だかあまり美術に興味のない私だったケド、
絵画と向き合ってみたくなった。
大人の恋愛。
投稿元:
レビューを見る
あのピカソに影響を与えたアンリ・ルソーを知っていますか?
その名作「夢」。しかし、もうひとつ「夢を見た」という作品があるという。MOMAのキュレーター・ティム・ブラウンに、その鑑定を依頼する招待状が届く。
もう一人の日本人女性研究者・オリエ・ハヤカワと競い、優れた好評をしたものに、その所有権を譲るというものだった。
物語は、2000年の倉敷で、老いた母と未婚のまま生んだ娘と暮らす早川織江が、働く大原美術館から始まる。突然、MOMAからアンリ・ルソーの絵を借り受ける窓口になってほしいとの依頼が舞い込むのだ。引きつけられる冒頭で、一気に読めた。
投稿元:
レビューを見る
久々に読み終わった時に、叫びたい衝動に駆られました。
「誰かに今すぐこの面白さを伝えたい!」
どんどん作品の世界に引き込まれていきました。
作品の中に二人のブラウンが登場します。
MoMAの主任キュレーターのトム・ブラウンと、主人公のティム・ブラウン。僕はそこにもう一人のブラウンを重ね合わせながら読んでいました。
それは、ダン・ブラウン。あの「ダヴィンチ・コード」の作者です。
本を読んでこんなに興奮したのは、「ダヴィンチ・コード」以来です。
謎解きの面白さという点でも、あのベストセラーに決して退けは取らないでしょう。
ルーブル美術館から始まったダヴィンチに対して、MoMA美術館から始まる楽園。
2000年の日本、1983年のバーゼル、そして1900年代初頭のパリを行きつ戻りつしながら物語は展開していきます。
ルソーの絵の中に迷い込んでいくような陶酔感。
いやあ、おもしろい!
一読した後、ネットで作品中に登場してくる名画の数々を確認しつつ、再読しました。
作者の描写力に感嘆します。これ、フォトリーディングのお手本としてもいいかもしれない。
さらに最初は読み落としていた複線に気づいて、これまた楽しい。
断然おすすめの一冊です!
投稿元:
レビューを見る
絵画の事が分からないので、今一つ入っていけなかった。がストーリーは楽しめた♪
2012.2.16
投稿元:
レビューを見る
さすがキュレーター 絵画だけでなく美術界のことが生き生きと描かれている。 今までルソー事あまり知らなかったけれど どんどんルソーが好きになっていく。 ミステリーとしても面白かった。 どこまでが真実なの?
投稿元:
レビューを見る
美術に造詣の深い著者だけあって、改めてルソー(とピカソ)を鑑賞したくなった。緻密なミステリーではないけど、史実に基づく物語として充分楽しめた。織絵の現在はもっと膨らませられたろうし、ティムがもう少し魅力的で、さらに他の登場人物ももっと深く描き込めていたら星5つ付けたかも。これからも時にはこの分野を描いてほしい。
投稿元:
レビューを見る
美術ミステリというカテゴリがあるのなら、この本はアートが秘めるその時代の慣習や背景をすくい取って現代的にアレンジが施されている。ウディアレンのミッドナイトインパリによくよく構図が似ている。これから西洋美術を学びたい人にうってつけの一冊。
投稿元:
レビューを見る
アンリ・ルソーの絵の解釈の斬新さとルソーその人の晩年、アヴァンギャルドの空気漂うパリ、キュレーターの醍醐味等等読みどころ満載。後半はページをめくる手も惜しく、非常に面白かった。
投稿元:
レビューを見る
文句なく おもしろかったです!!
アンリ・ルソーの『夢』
この絵画とそっくりな構図の『夢を見た』。
これがほんとうにルソーの作品なのかという
真贋をめぐるアートミステリー。
美術史に全く興味のない私でも
ぐいぐい引き込まれて
あっという間に読み終えてしまった
という感じです。
原田マハさんは 毎回 違った作風で
楽しめます。次回作が待ち遠しいです。