紙の本
リーダーとして、一生大事にしてゆきたい本です。(特に逆境にある方にお勧めします)
2012/01/24 12:36
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:光の帝国 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これからのリーダーには、西洋型の戦略・戦術論に加え、東洋型の思想・哲学に軸足をおいた、智の融合が求められる。
というスタンスで、リーダーの生き方の指針となる東洋思考について、書かれた本です。
仕事柄、多数の書籍を読んでいますが、この本は、年に数冊出合えるかどうかという、素晴らしい本でした。
東洋思想を、わかりやすく噛み砕いて説明してあり、腹におちる、という感覚が得られます。
一例として、小学生を対象に、「生命(いのち)」について、説明されているやり取りは、子供達にもわかる平易な言葉で、しかも本質をついた語り口で説明してあります。
また、その説明に対する子供達の反応も、とても印象に残ります。
人間と言うのは、子供であっても本質的な話をすれば、きちんと、心が伝わり、「心からわかる」という感覚が得られるのものなのですね。
ただ、わかりやすいからといって、この本は平易なだけの本ではありません。
リーダーという役割を担う方なら、自分自身の仕事に対する姿勢や自分自身の心ときちんと対峙して読まなければ、この本の価値はわからないでしょう。
逆に、現在、壁に当たっている、躓きそうな自分がいる、という様な状態のリーダーには、この本を通じて、たくさんの気づきが得られる事と思います。(私自身が、その様な状態で、この本に出会いました)
私の語彙では、その素晴らしさを十分には説明し切れませんが、
1.わかりやすく、しかも深い。
2.具体的な事例によって、本質的な理解が出来る。
3.今の自分に気づきを与えてくれ、一生の財産になる。
と言う印象です。
最後に、この本で私が、一生大事にしてゆきたい言葉を得ましたので、ご紹介します。
人間としての美しさを持つ、と著者が述べている吉田松陰の言葉です。
「志と良い友と読書、人生はこれだけ」
著者の述べる、自分の天分に気づいて自分なりの「愉快な人生」を生きる。という考え方を通じて、
日本人として、自分の天分を発揮して、頑張って生きてゆく!
という思いが沸いて来る素晴らしい本です。
このような本に出合えた事に、心から感謝します。
投稿元:
レビューを見る
リーマンショック以降、西洋資本主義に違和感を感じているビジネスパーソンは多い。本書は、渋沢榮一や西郷隆盛も学んだ、最強のリーダー養成プログラム「四書五経」を中心に東洋思想をひもときながら、グローバル時代のリーダーの心得、物の見方、考え方を解説。迷ったとき、ページをめくれば、そこには経営の要諦が書かれており、勇気を出して一歩踏み出せるような、リーダーの座右の書となる一冊。
投稿元:
レビューを見る
あるプロジェクトの顧問として参画されていた田口先生。
僕の読まない部類の本であるがここで出会ったのは何か理由があるはず。
その答えが書いてあった思う。
正直自分のマインドは大丈夫かと迷うことがある。しかし、偉人たちと近いマインドがあるんだなと思った。
自分をもっと信じよう!
そして論語に挑戦してみよう。
有能な経営者の人たちは論語や東洋思想に詳しい。俺もそこにいかなくちゃ!と感じさせてくれるそんな本。
現代訳も書いてくれて読みやすく、解説もつけてくれてるにでわかりやすい!!偉そうですが良書!
投稿元:
レビューを見る
仕事をする、いやそもそも生きていく上で、何を規範として、何を自分の軸とするのか。そういった事を考える必要性を感じずにはいられなかった。また、同時に私達日本人が持つバックグラウンドとなる精神性の部分についていろいろと発見があった。"リーダーのため"とタイトルにはあるが、それに限らず、今何か割り切れない気持ちを持って日々を過ごしている人(自分も含めて)に、何度も読んで欲しい。人から借りた本ですが、これは自分で買います。
投稿元:
レビューを見る
◯自己評価:10点中10点
21世紀に入り、世界の政治や経済は、天災も含め混乱・低迷が続いており、特にリーダーには「思考の転換」が求められているのかもしれません。
20世紀型の成長モデルである覇権主義的行動や計数至上主義経営を見直し、これからの経済活動の基本は「東洋と西洋の智の融合」が必要です。そこで、西洋型の戦略・戦術思考だけでなく、長い歴史と伝統に培われた東洋型の思想・哲学に軸足をおいた「東洋思考」を説明してあるのが本書です。ドラッガーやジョブズでさえ東洋思想に大いに影響を受けたそうです。
本書は、渋沢榮一や西郷隆盛も学んだ「四書五経」を中心に東洋思想をひもときながら、グローバル時代のリーダーの心得、物の見方、考え方が解説してあります。
本書のポイントをいくつか紹介。
・「リーダーシップの質」…それは「覚悟と仁愛」
・渋沢榮一、伊庭貞剛、益田孝の賢人経営者のすごさ
・「徳は本なり、財は末なり」
・「先義後利」
・「四書五経」
・「五常(仁義礼智信)」
◯リーダーの心得11箇条
1.耐えられる自分をつくる
2.覚悟を決めて逃げずに挑む
3.不動心-道理と正義で心動かさず
4.立腰-胆力を鍛える
5.慎独-自分を欺かない、自分に嘘をつかない
6.私心を捨てる
7.同義に生きる
8.恥を知る
9.存在こそが説得力
10.有事は平時の備えになり
11.地道に、着実に「何が来ても大丈夫」な自分と会社をつくる
◯リーダーの指針となる物の見方・考え方
・大局観をもつ ・本を務む ・主導権を握る
・緒戦に勝つ ・明徳を重視する ・悟るために働く
・無形を戦略とし、無為を意識する
他にもあまり目にしない吉田松陰の『士規七則』、山田方谷の『理財論』など心の支えになります。
「四書五経」については、大学、論語、孟子、中庸などポイントが抑えられとても分かりやすく解説してあります。入門書としても大いに学べます。
間違いなく、リーダーの方々には心の支柱になる本だと思います。
自分が預かる人々の、人生と生活を守るという覚悟と、幸せを願う仁愛、つまり「覚悟と仁愛」をもってリーダーシップを発揮していければと思います。
素晴らしい本書に出会えたことに感謝。
投稿元:
レビューを見る
心に残った言葉。
先義後利
人間としてリーダーとして恥ずかしくないか
聡明才弁は第三等の資質
大局観は根源的、長期的、多様性から成る。
経済は人格にあり
投稿元:
レビューを見る
筆者は、東洋思想を指導することで経営者たちをメロメロにしている人らしいです(冗談です)。
本書では、『論語』や『大学』といった「四書五経」にとどまらず、近代の吉田松陰などの名文も含めやさしく解説しています。
CDも出ているそうです。
http://www.kankidirect.com/toyo/
★★★
さて、それでは、リーダーに向けた指針で何が一番大切と東洋思考では言っているのかというと、筆者は、『論語』の、
「信なくば立たず」
をあげています。
> 信頼がなければ何をいってもやっても、誰も正しく受け止めない。
> したがってそのようなリーダーは何もできないから失格なのだ。
ふむ。尤もですね。それでは、その「信」は何から生ずるかというと、「道義」から生ずるというのです。 本書では次のように解説していました。
> 「道義」の「道」は道理のことです。
> 道理というのは、社会の秩序安定のために、長い年月をかけて共同体の
> なかで自然発生的にできあがった伝統がつくったルール。
> さらにいえば、この世の真理、あるいは多くの人々の賛同の上に
> 成り立っている人として、ふみ行うべき道すじ。
> 「あの人は道をあやまった」とか「仏の道」などという道です。
> 「義」のほうは犠牲(どちらもいけにえ)からきた文字で、
> 天に身を捧げて、国家国民、会社社員のために働くことです。
> ホームから人が転落したとします。
> しかも、折り悪く電車がすぐそこまで迫っている。
> 助けようとすれば、自分も巻き添えになるかもしれません。
> そんな状況であっても、見て見ぬふりはできないと思わず線路に
> 飛び降りてしまうのが、義に基づいた行動です。
リーダーシップを発揮するためには、信頼を得る必要があり、信頼を得るためには、秩序安定のために出来上がったルール(道)を尊重し、自らの生をなげうってでも社会のため、多くの人々のために正しい行為(義)を貫くことが必要というわけです。
「先義後利」(孟子)という言葉があるそうです。
──まず義を優先すべき、そうすれば嫌でも収益はついてくる。
ビジネスを価値変換のシステムと考えた場合でも、信頼が第一で、そのために法律やルールを守り、社会のためにと私益を横において義を通すことが大切ですよね。
とても良い本でした。
投稿元:
レビューを見る
リーダー像をimage。
リーダー像:仁政の精神。自分<他人
不動心:正義、道徳に基づく。
投稿元:
レビューを見る
利益ばかり追求する経営ではなく、従業員を大切にした経営をしなさい。人格者たれ。子どもの頃、四書五経を学んだ人には人格者が多かった。それに学べという内容。
単に「リーダー」というより、「経営トップ」向け。多少きれいごとに聞こえる。中に出てくるドラッカーも、ジョブズも確かに東洋思想を大切にしたかもしれないが、ジョブズの方は決してここでいう人格者ではないと思う。
後半はエピソード紹介でくどい。四書五経の文章を口に出して覚えようというのがあるが、頭に入りません。。。佐藤一斎の「重職心得箇条」に興味を持った。
投稿元:
レビューを見る
西洋的な合理思考、戦略論だけでは辿り着かない、四書五経などの東洋思想を紐解きながら、現代的かつ普遍的なリーダーの心構えを説く。筆者は平成の安岡正篤先生ということだろうか。
リーダーシップといっても、大組織のトップだけでなく、若者が自分がどのように成長したいのかの指針とする(=セルフリーダーシップ)為にも役立つ。
吉田松陰や西郷隆盛が、どのような書物や文章に触れ、思考し、時代を動かすリーダーとなったのか、それを追体験できるのも素晴らしい。
毎月、雨後の筍の如く発売される”ビジネス書”を何冊も読むくらいなら、この本を何度も読みなおした方がいい。それもできれば音読で。
投稿元:
レビューを見る
MBAのリーダーシップ論は、理論として
学ぶべき点が多い。しかし、「人間観」
や「人としての”情”への洞察」、と
いった見方が不足していると感じている。
東洋的な思考をベースにしたリーダーを
論じた本書は、その不足を補ってくれる。
それと共に、「大学・中庸」、「論語」、
「孟子」などの四書五経のエッセンス
がまとめられており、原典に当たる前
の入門書として適した一冊。