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3月11日の震災で、東京電力福島第1原発で何が起きたのか。政府が言い続けた「大丈夫、安心です」伝えない、伝わらない怖さ。今だからこそ読みたい一冊。
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よくできた話だと思いたかった。
しかし、これはいま起きている話だ。3.11が起きてしまったいま、3.11以前の私たちには戻れない。
ドラマチックに仕立てようとしても、ドラマチックに終われない現実が、ここには真摯に描かれている。
弾丸一発残った拳銃で何ができる?
どこに向ければいいのかわからない葛藤、怒り、悲しみ、すべてが現在進行形なのだ。
本書の中で、東電ならぬ帝電の会長を責めるシーンがあった。会長は、原発の責任者ではない、じぶんには権利がないと主張した。ではどこに権利があるのか、ほんとうのトップは誰なのか。会長はわからないと言う。トップ不在だ、と。
敵が明確であればそれをやっつければいい。しかし敵が不明確であり、かつ、敵となる前は味方だったものに、我々はどう対処すればいいのか。
自分にできることは何か、みんなが考える小説だと思う。
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もはや「知らない」では済まなくなった原発。倉澤の、長田の、黒岩の選択を見た僕は、どうすれば後悔なく生きられるだろうか、と考える。多くの人に読んで欲しい一冊。
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書くべきことは書いているが、現実が現実だけにありきたりな小説に感じてしまう。映像化して演出をきちんとすれば涙くらいは出るかもしれない。
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倉澤は高校生の頃、楽に稼げるバイトとしてF第一原発の放射線除染作業をした。その時の仲間が白血病で死亡した事で原発について調べていくうちに、原発がいかにいい加減な運営をされているのかに気付く。そして遂に原発に復讐し、それを屠るべく立ち上がる。最近は反原発の世論が拡大し、毎週金曜日に行われている総理官邸へのデモには、当初300人だったものが10万人を超える規模に発展し、亀井静香や河野太郎ほか多くの国会議員も参加するようになった。また昨日行われた代々木公園の反原発デモは坂本龍一らと共に17万人が集まった。しかし最新の世論調査でも再稼動賛成派が40%いる。原子力村の恩恵に与らず、逆に搾取されている側の一般市民の多くが賛成しているのには笑うしかない。更に運動を拡大していく必要があると感じる。
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ずっと積読していたが、この本の出版は2012年2月20日。
つまり東日本大震災から1年たっていないのである。
おそらく著者は一気に書き上げたのだと思われる。
そのため、小説としてどうなのか?という部分もあるが、著者の気持ちは伝わる。
おそらく東日本大震災の原発事故に関して、最もストレートに書かれた文章であろう。