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散文のようだけど、読んでみると言葉のひとつひとつが研ぎ澄まされていて、やっぱり詩かなと思う。本人によるあとがきには、詩とされるなら詩、エッセーならエッセーと書いている。
「おにぎり」、「海を見に」が気に入った。
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桑原武夫賞を受賞した詩集です。
〝記憶とは過去ものではなく、むしろ過ぎ去らなかったもののこと〟と、あとがきにありますが、とても納得させられる言葉です。
普段は忘却の彼方にある、どうでもよい、取り留めのないことが、ふと思い出されたりします。大凡のことはみんな忘れてしまうのに、なんでもない些細なことが胸の奥底に眠っていたりするのは、いったいどういうことなんでしょう?もしかすると人は、そんな些細なことの積み重ねで形成されているのかもしれませんネ。
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長田さんの詩は少し説教臭いのが苦手。
しかし本書は詩というよりもリズム感のある随筆といった雰囲気で読み応えがある。
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懐かしいあたたかさを感じた。
20代の今ですら、こんなにも懐古的な気持ちになったのだから、
もっと年を重ねた後に読み返したら
さらに心に沁みるのだろう。
幼い頃の「ジャングル・ジム」、「肩車」。
今の自分と重なる「海を見に」「自分の時間へ」。
「雨の歌」「みずからはげます人」のような感性をもつ大人になれるだろうか。
言葉には無限の可能性があること。
言葉では言い表せない世界があること。
日常の小さな光に気づきながら、一日いちにちを過ごしたい。
(あと、装丁が素敵。)
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なんだか懐かしくて深くて、一人の時間にゆっくりと読みたい詩集。言葉にならない感覚を、文字にしてしまう長田さんのアーティスト的な感受性が溢れている。大好きな詩集。
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この文庫本を買った時、その小さな書店のおやじさんは、とても丁寧にカバーを折ってつけてくれた。
読み終わって本棚に入れる時、たいてい、この紙カバーというやつははずしてしまう(背表紙が見えるように)のだが、この本だけは、あんまり丁寧に折られているので、ずっとつけっぱなしだ。
そんな‘記憶’も含めての「本」なんだなあ。
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タイトルに惹かれ2013年に購入、しかし最近読了。
(10年も放置していたと愕然となります)
記憶は、過去のものでない。それは過ぎ去ったもののことでなく、むしろ過ぎ去らなかったもののことだ。
という後書きにまとめられるように、詩篇を読みながら記憶の中に潜む、忘れかけていた出来事を思い返していくのが楽しかった。
運動会のおにぎり、飼っていた犬、
コーヒーの匂い、雨の音、
よく聞いていた音楽・・・
それは誰にでもある記憶だろう、でもこれは私だけの記憶。
こういう時間を持てたことに感謝。
過去があるからこその現在。
そしてここから先へ進むのに勇気をくれた詩集です。
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記憶とは、流れさった過去のものではなく「流れさるものがそこに映す影像」。幼い頃からの記憶が、丁寧で詩的な言葉で綴られている。祖父の火葬、路地裏の暮らし、かたく握られたおにぎり、、、何気ない日常の中の形なき影像を言語化する能力は、さすがだと思った。
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ひさびさに詩を読んだ。
長田さんの詩には、静かだが確かな時間の流れがある。
遠く子どもの頃みた風景、風を思う。