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ウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネー 1 みんなのレビュー
- 三河 ごーすと (著)
- 税込価格:627円(5pt)
- 出版社:アスキー・メディアワークス
- 発売日:2012/02/10
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紙の本
理不尽にあらがう少年と少女
2015/09/11 16:29
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
第18回電撃小説大賞銀賞受賞作、三河ごーすと「ウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネー」。
電子マネーによるマネーフローが一般的になり、社会は政府に徹底的に管理される様になった。その最たるものが、収入による身分制度だ。年収一億円以上の世帯のみが天空高等民街と呼ばれる上奏世界に住むことが出来る一方で、年収には約万円以下の世帯は太陽の当たらない地下貧民街で暮らさなければならない。ゆえに人々は、隙あらば金を稼いで上へ行こうとする。合法非合法を問わずだ。
地下貧民街で生まれたジェイファもそんな一人。かつて両親が騙され、騙した人間は中流平民街に上ったのを恨んでいる。その恨みを晴らすべく、非合法のパスで中流貧民街に入った彼は、中流の人間を破滅させるべく、豪邸に侵入して強盗を働こうとするも、シャワー中の少女・冬瀬陽月に取り押さえられてしまう。
そんな陽月は、ウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネーという、中流世界で流行している合法バトルの有名選手だった。変幻自在の特性を持つ半液体金属と、それをコントロールする魔術カードの組み合わせで、ファンタジーめいた能力を揮いバトルする大会には、大量のマネーが動く。その大会において、陽月は狂える二律背反の死神(ルナティック・ザ・デス)と呼ばれる無敗のコンビだった。
だが、仮面の強奪者(シークレット・スナッチャー)と仮面の五色魔術師(オールラウンダー)に初敗北を喫し、相棒だった死神の従者(セーフティ・アサシン)こと木崎美紀を半身不随にされてしまった陽月は、戦うことを恐れるようになってしまった。
しかしそれでは、彼女のスポンサーである冬瀬一郎は納得しない。ジェイファの身体能力に目を付けた彼は、ジェイファに冬瀬皿次という名前を与え、陽月のパートナーとしてデビューさせた。だが、ウォーリアーとして何の才能ももたなかった皿次は連敗し、底辺世界の愚者(アンダー・ジ・イディオット)という二つ名をつけられてしまう。それに、勝利には陽月との協力関係が欠かせないのに、ちっとも信頼関係を構築することが出来ない。
そんな彼らは普通の高校生として学校にも通うのだが、そこで、かつて地下貧民街で友人だったレビンこと御陵佳多理と、彼に親しく接する生徒会長・五条明美に出会うのだった。
カードゲームの様な仕様で魔法じみた能力を発揮し戦うバトルものの設定は中二病的に、不平等なっ世界にあらがう少年少女の生きざまを描く部分では青春ラブコメっぽく仕上げられている。頑なに閉じこもる少女の心を、次第に彼女に魅かれていく少年が少しずつ開いていくという展開を柱とし、その中で、世界から押し付けられた社会構造への、正道・邪道での抵抗というエッセンスが付け加えられている。
冒頭の展開は唐突でご都合主義な感があり、スマートな導入とは言えない。しかしそこを受け入れれば、少年と少女のやり取りはほほえましくも感じられるだろう。
バトル部分は、広沢サカキ「アイドライジング!」にも通じるところがある。
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