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今昔秀歌百撰29番に
春日野の雪間を分けて生き出てくる草のはつかに見えし君はも
が,壬生忠岑(古今和歌集巻十一)選者:荻野了子(東京大学大学院生)で選ばれているので本書を手に取りました。
また
有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂きものはなし
の紹介があります。
本書では、どちらも解説して参考になりました。
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この年代の歌は最近、好きと感じるものが多く、忠岑と躬恒も良いなとゆっくり味わえました。鑑賞し易い歌が選ばれています。このシリーズにしては解説文は正統派だと思いますがシンプルですし、1首に対して見開き頁に纏めているので歌を読み進める妨げにならず、先へと繋ぐ良い文章です。
十代の頃は圧倒的に万葉集が好きで、忠岑と躬恒といった古今集の辺りの歌は表面的な綺麗さだけしか味わえませんでしたが、段々、その奥深さと、でも、耽り過ぎない加減が良いと思うようになりつつあります。食べ物と一緒で好みは変わるものですね。
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手元に持っていたい本。いいものだけが選ばれ、載せられているような本。
はるか昔に習ったことのあるものが、こんな年齢になって、すんなり、染み染みと躰に染み入るようだ。
どんな世も、みな、同じようなことを考えて生きていた。生きていく。その証。