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女優を目指して科学嫌いを自称する少女が重大な生物事件の解明をすすめたり、高校に通わず自習で勉強してる少年が「第二のビルゲイツ」と言われるような成果をあげていたり、読み応えがあった。アメリカの底力を見たきになった。
それにしても原題のSience Fair Seasonと比べてなんとつまらない邦題なのか(ーー;)
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子供達に科学の面白さを知ってもらう、科学の研究に触れてもらうことを支援する運動の一つとしてインテルがスポンサーになっているISEF(International Science and Engineering Fair:国際学生科学技術フェア)がある。対象は高校生で世界中から参加者を募り、賞金も総額4百万ドルに加え大学・企業・政府機関等多数のスポンサーからも奨学金制度・賞金が準備されている科学研究の一大イベントだ。本書は2009年のISEFに参加した12名の高校生の研究内容と研究に至る経緯などを紹介したものだ。
研究内容は多岐に亘り、例えば癌治療薬、超小型核融合炉、自閉症児の新治療法、化学工場排水の化学物質濃度検査と除去方法など、めちゃくちゃ高度でありそのまま特許取得するレベルのものや企業化するようなものが多数出展されると聞くと、ため息付くしかないし天才は居るもんだと恐れ入るしかない。
勿論、そうした高度な研究を行うためには高価な実験設備が必要なわけで、ある意味では恵まれた環境にある金持ち学校の生徒の話か、とやや鼻白むかもしれないかもしれないが、手造り感満載のような例としてゴミの山からガラクタを拾ってきて太陽光温水・暖房設備を造りあげたナバホ族の少年の例もある。また巻末にはISEFに日本から参加した女子高校生の手記があるが、彼女の研究内容は「有孔虫による堆積古環境の推定」と云うもので大規模な研究設備の不要なものも同じくらい沢山ある。(「海底ごりごり地球史発掘」と同じだ!)
天才と言えどもまだ若い高校生くらいの年代では一人で勝手に育つわけではなく、興味を持った生徒を正しい方向に導く周囲の大人の助言や協力が必要なことは言うまでもない。本書で紹介される12人の生徒には幸いにして理解のある家族・教師らが決して小さくない役割を果たしているのだが、そこに米国の教育システムなのか社会なのかの奥深さを感じる。
翻って日本においては、一部スポーツなどの世界では才能のある子供を育成するためのシステムが多少なりとも見られるのだが、学校という場において普通の学業成績は芳しくなくとも、ある興味の対象である分野で特異な才能を持つ生徒の能力を開花させるような環境や、そしてまた才能を評価し指導してくれる大人が周囲に果たして居るのだろうか。科学嫌いとか科学に興味を持つ子供が少ないと嘆くだけでは変わらないだろう。
こうした高校生の科学オリンピックのようなものがもっと一般的に知られるようになり、しかも奨学金や賞金を狙うことも決して異端ではないと思われるようになると科学への親近感も湧くのかもしれない。企業も社会貢献ということで無意味な活動に金を使うくらいならば、こうしたフェアに資金を出すのもまた一考だろうとも思う。
小さい頃に、こうした科学オリンピックのあることを知っていれば自分も宇宙物理か数学を目指したのになあ・・・・、微分も積分も出来ないのが玉にキズだけど。
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科学の研究に心血を注いだ中高生が科学研究の学生オリンピックとも言える「インテル国際学生サイエンスフェア」に出場するまで、そしてその結果を追ったもの。
その内容に、日本事情しか知らないからこそ何もかもが驚くことばかり。そしてちょっと涙も出てくる。そして最後は清々しさを感じる。
これが作り話しではなくノンフィクションであることに、この本が出てきた意義がある。つまり、この本に書いている事実(結果)から学び取れることがたくさんあるということ。現役の学生はもちろん、子を持つ親御さんも、いやただの大人であっても。
ネタバレになるのでこれ以上語っては読む楽しみが減るのでこの辺で。絶対に損なし。350ページあるが一気に読める。超オススメ。
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理系全般のコンテストに出場した学生のエピソードを綴ったノンフィクション。
ホントにアタマがいい人って、もともとの素質なんだなあ。確かに勉強しないと学力は伸びないけど、この本に出てくる人たちは根っからの理系の子。それプラス彼らを支える周囲の人々の協力によって成功がある。
やっぱり人間って一人じゃないんだよなあ。
一番びっくりしたのはこの本に紹介されてる話は事実ということ。マジびっくりした。
おもしろかったです。
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インテルISEF(International Science and Engineering Fair:国際学生科学技術フェア)へ挑む少年少女たちの記録。
自分の興味のままに、何かに没頭できる者達はきっと濃密な時間を生きているんだろう。
そしてそれを支える大人たち。自分の子供が危険なことに熱中しているのを応援できるだろうか。
本書では2009のインテルISEFとその後までしかないが、14歳にして核融合炉を作ったテイラー・ウィルソン君、 2011年のインテルISEFではインテル青年科学賞を受賞してるじゃないか!
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人に本や映画をすすめるのは難しい事だと思う。特に気に入った作品をすすめるときには、その作品に感情移入し面白さを熱心に説明するあまり、結果としてその作品のハードルを上げてしまう事になる。すすめられた人も、その作品に対し過度の期待をしてしまうため、「それほど面白くなかった」という感想になりがちである。しかし、あえてこの本をおすすめしたいと思う。
本作はインテル国際学生科学フェアに挑んだ、11組の高校生のエピソードが紹介されたノンフィクション作品である。登場人物のキャラは非常にバラエティに富んでいる、と表現するよりバラエティという言葉を通り越してブッ飛んでいるのである。ひとつひとつのエピソードが映画化されてもおかしくないほど、よく書かれており、久々に夢中になって読める本にめぐり会った。
最近暗いニュースばかりだが、本書に出てくるような高校生が世界中にいると思うと、世の中まだまだ捨てたものじゃないと感じた。彼ら彼女らの研究成果がニュースに出て来る日が楽しみである。
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子供の持って生まれた才能はもちろん、その子の興味や探究心をアシストする能力のある大人がまわりにいることが大事なんだなあ。少なくとも、それらを妨げないように気をつけようと思いました。
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彼らは変わった子なのではなく、ただ単に無償に興味があるだけなのだ。
この本の中に登場する人たちは、そう思わずにはいられないほど自分の心の赴くままに突き進んでいるし、その中に自分の世界感があるようにも伝わってくる。きっかけは数あれど、自分の研究結果がビジネスにつながったり、大学に行くための奨学金というかたちで還元されたりもすることで、彼らにとっては更なる好循環にもなっているのではなかろうか。
この本は、「理系の子」というタイトルとは裏腹に、読むものをつかんで離さず最後まで大いに楽しませてくれる。自分自身がその一人に、またその現場の息づかいを実体験できないのは非常に残念であるが、彼らが見ている景色の一部を感じられるほど中身の骨格もしっかりした著書になっている。
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必要は発明の母、という事がよくわかった。そして、何かに打ち込む若い方達はジャンルを問わず美しい時思いました。
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読んで良かった。久々に電車内で嗚咽を漏らしてしまった。いけない。
もうね。ずっとウルウルしながら読めました。で、嗚咽ですよ。最も
感情的になってしまったのは、ビデオレターで「あいしてるよ」の件です。
私も早くから理系専攻を決めていたが、国際コンペって敷居が高いって
思っていて、思いの外だったのだけど、やってみるだけ、やってみとけば
良かったのに、って思ってしまった。ふむむ。それにしても、とてもとても、
読んで良かった。ブクログ・ランキング、ありがとう。
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アメリカの理系教育が足りないというのは、本当なのだろうか?日本の方が全然足りないのでは?この本を読んで、そう思った。
サイエンス・フェアがこんなに盛んに行われていること、それぞれに高校生にしては大金といえる賞金が出ること、大学の奨学金が出ること、それから学校が生徒の研究に、これ程熱心に協力することを、とても羨ましいと思った。
それに加えて、出展される研究のレベルの高いこと!高校生が核融合炉を作るなど、正気の沙汰ではないと思うけど、それを見守る周りの大人もすごい。
学校ばかりではなく、警察までもが自由研究に本気で付き合う、なんてこと、考えられるだろうか?そしてそれな効果があれば、相手が子供であれ、積極的に導入する。
大体日本の学校は、夏休みの自由研究とか言って、投げっ放しではないか。理科室を自由に使わせてくれるなどということすらない。よっぽど熱心で変わり者の先生に当たれば別だけど。
日本の車メーカーは、若者の車離れだとか嘆く前に、子供達にできることがたくさんあるだろうに。
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これがサイエンス・フェアだ
核にとり憑かれた少年
ゴミ捨て場の天才
わたしがハンセン病に?
鉄格子の向こうの星
ホース・セラピー
デュポン社に挑戦した少女
もはやこれまで
手袋ボーイ
イライザと蜂
ロリーナの声に耳を傾けて
第二のビル・ゲイツ
世界最大のサイエンス・フェア
そして、優勝は…
祭りの終わり
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逆境にもめげずに最後まで諦めないで物事をやり続ける事がいかに大切かと改めて感じました。
偉大な発見は身近にあるものであり、そこに着目し関心を持つことの重要性、一つの事をとことん追求していく学生達の熱意、行動力、生きる姿勢に感銘を受けました。
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科学が心躍るものであるというのは間違いない。でもこの本の面白さの土台になっているのは多分そこじゃない。少年少女が何かに打ち込んで問題を解決したり、逆境を乗り越えたり、成長したり、栄光をつかんだりそういうところだろう。こう書いてみると王道の物語と同じ構造なんだな。科学という対象をこうもドラマチックに描き出せたのが本書の凄いところ。不良大学院生としては、研究にのめりこむ子たちを非常に羨ましく思った。
ただ後書き後の寄稿は間違いなく蛇足だった。玉に瑕。これだけ面白い文章のあとに、参加者とはいえ素人の文章をくっつけるなんぞ正気の沙汰とは思えない。案の定まったく面白みの無い文章であったし。
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成毛さんが褒めていたし、私も理系の子なので、読んでみたが、とても面白かった。
アメリカの高校生達の科学のオリンピックに向かう研究、姿勢、モチベーションなどがとても、おもしろく語られている。核融合炉をつくったりと、日本では真っ先に止められそうなことを、堂々としている。また、バックグラウンドが様々な人たちがどういう科学以外の問題に立ち向かい、出場を成し遂げてきたか。アメリカの底力を垣間見られる気がする。
日本の高校の先生や、親たちにも読ませたい。彼らにはこのような態度で子供たちに接することができるのだろうか。
私も、小さい頃実験などは好きで、よくやっていたが、巻末に特別寄稿で日本の出場者の手記が載せられている。なんと、私の生まれ育った地元での研究だ。中学生当時、この研究主題のようなことも教えられたが、まさか、去年、それで、アメリカまで行ける研究をする高校生が地元にいたとは。