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歴史物を読んでいると、よくその引用文献が示され、気になってしまう。
それらをまとめてくれたもの。
雑兵物語や三河物語は、説明を読んで興味がわいたが、他の本についてはそれほど魅力が伝わってこない。
ニッチな分野を扱ってくれている貴重な本だと思うので、もう少し興味を引くエピソードが多ければと思った。
・甲陽軍艦
これは武田信玄の戦法や考えが軍学経典として、まとめられたもの。本文の7割程度は、直接信玄に奉公した部下によるもの。
・信長公記
・太閤記
太閤記の目的は、秀吉の天下が長続きしなかった原因を探り、その反省を生かすということらしい。
私には意外なことだったけど、信長の配下は素直で正義感があり、武勇の道を堂々と歩み、毅然とした士格があって、重厚で恭しく威厳があると書かれているらしい。
義が大事と説く本である。
・三河物語
徳川の譜代の子孫に対する遺稿。
口先三寸が出世と今に通じる、切なさが漂う。。。
・雑兵物語
実践的歩兵経典。大阪の陣後の歩兵の実践が少なく、それを憂えた殿様が記した経典。
言葉も農民に合わせてあり、当時の武士が心遣いの塊であったことが推測されるよう。会話式。
矢の残りが少ない時の闘い方とか、あらゆる細かい状況への対応法が解説されていて、本にあるように戦場の実際がよく分かる。仲間の救済法まで。自分の背を敵側に向けて、仲間を腹側で抱えて守るなど、ちょっと感動もの。
薪のない時は馬糞を使えとかから、敵地の井戸は当たるから飲むなとか、とにかく実践的。
梅干しは重要で(武田信玄軍師の山本堪助の本でも、枕元に準備すべきと記載)、疲れたら、見ろとある。それでも駄目なら、死人の血や泥水の上の済んだ水をすすれと凄烈。
胡椒は毎日食べれば、冷えや暑けに耐えれるなど、本当に詳細。
・武将感状記 義が大切
・常山紀談 滅びの美学
・名将言行録
加えて各家家訓。