紙の本
いせひでこさんがくれたもの
2019/06/09 08:09
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵本作家いせひでこさんの名前を知ったのは、『ルリユールおじさん』が新聞などで取り上げられたあとだったと思います。
『ルリユールおじさん』の刊行が2006年ですから、そのあたりだという遠い記憶です。
そのあとに、『にいさん』といういせさんが大好きなゴッホと弟テオを描いた絵本や『ルリユールおじさん』の続編のような匂いを感じる『大きな木のような人』といった作品と出会います。
もちろん、多くの作品を描いてこられているので、愛読者の私は本屋さんで見かけるたびに読んできたように思います。
でも、この絵本のことは知りませんでした。
2004年に最初の刊行があったようでしたから、気がつかなかったともいえますが、もしかしたらこの作品はいせさんの原点のような絵本のような気がします。
絵を描く旅に出る「絵描き」。
それはきっといせさん自身でしょう。
そして、旅で出会うのは宮沢賢治であったりゴッホであったり、いせさんに大きな影響を与えた人たちです。
あるいは、風であったり光であったり空であったり、もっといせさんの感性に種をまいたものたちが、この絵本に描かれています。
ページの端々に綴られた文章もまた、いせさんらしい。
「描きたい、と思った。」
「音を きくように、色を きこう、自由に たのしんで。」
絵と文が共鳴しあっているのがわかる。
どうしてかって?
だって、読んでいて、心が震えるんだもの。
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いせさんがなにを思って描いてるのか、とか、でも、わたしにとっても支えになる言葉ばかりで、絵描きのバイブルになるんじゃないかと思った
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旅をしながら、出会うもの。。。
風、空、光を全身で、そして心で感じていくもの。。。
心に感じるままを、キャンバスに描いていく様子が
ありのままに表現されてます。
いせひでこさんの独特の世界観を物語る絵本です。
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絵描きの話。
表現をする人たちは色んな思いと色んな出会いがあるのだろう。
共感を持つ部分が多く、楽しく読めた一冊でした。
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本屋さんで一目惚れ。絵も素敵だし、お話もすごく好き!
景色が切り取られている絵が特に綺麗だと思いました。
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絵を描く人、描ける人はほんとうに憧れの存在です。
そんな描く人が主人公の絵本です。
絵を描くことに対する迷いや悩み、表現することそのものへの迷い、そして、喜びや希望が描かれているように感じますが、それはそのまま、あらゆる人の内なるところでも起こっていることで、悩んでていいんだ、迷っていいんだ、と少し勇気をもらえます。
色合いと描かれている線の柔らかさが、気持ちにも響いてきました。
贈り物にするのもよいかも、と思っています。
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2014.4.25市立図書館
いせひでこさんの絵が好きだなぁ。
画家という人生でだいじなのは色の混ぜ方や写生の技術ではなく、やっぱり人生という旅の中で日々みるもの、感じることの豊かな記憶がねっこのところにあるのだなと思った。
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「記憶が空でつながっている。」
旅と空と。人生に例えられる2つを絵描きとして織り交ぜながら描いている絵本。いせひでこさんが好き。いせひでこさんの表現が好き。文も言葉も絵も雰囲気も全部好き。
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夜空に輝く星、その星たちの1つが太陽。
太陽が地球にもたらした数々の奇跡が絵描きの心を捉える。
地面の上に這い出してきた大木の根。
ふいに出くわし、なぜだか少し怖かった枯れたひまわりの大群。
しかしながら夕焼けの光が枯れたひまわりを星に変える。
天気によって景色が変わる。時と光が景色を変える。
風が運ぶ雲が刻々と空の姿を変えていく。
雪は空から地上で生きるもの達への手紙だ。
昨日と今日はつながっていて、空はすべてのものをつないでいる。
絵描きが見ている世界は凡人にはわかりようがありません。
わかっていないはずなのですが、いせひでこさんの描く絵はなぜかいいんですよね。
それにしても恥ずかしながら、少年が手にしている大きな本の表紙の文字 "GOGH" が "ゴッホ" だったことを知らなかった。
"Chopin" が "ショパン" であることを知った時と同じくらい自分にとっての新発見!
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ああ、ゴッホを好きなんだなあと感じる。
彼の世界はこうだったのかもしれないと思わせる、ちょっと不思議な世界観。
そして、絵描きが囚われる世界。
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10歳からおすすめ。
詩的な作品。好き嫌いが分かれる印象。
一枚一枚の絵に、寂しさ、嬉しさ、驚きなどの気持ちが込められていると感じます。
大人向けかな、と思いました。