紙の本
今の高校生活を追体験
2017/12/09 07:59
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
思春期に、「自分は何者か」というアイデンティティの確立に悩むのは今も昔も変わりません。そんな高校生の心の機微を鮮やかに描いた青春小説です。
5人の登場人物の内、「宮部美果」の話は良かったですし、カーストなる上下関係が学校生活に影を落としていることも理解しました。ただ全体としては、今の高校生活を追体験できたという程度の感想です。
同じ青春小説でも、武者小路実篤氏の「友情」の方が感銘を受けるような私は、本書に登場する「高校生の心に響く言葉を持たない校長先生」の感性に近いのだろうということに衝撃を受けたのでした。
ところで、私自身は、外見はクラスの中で存在感を消す「前田涼也」に近く、内面は目標が分からず苦悩する「菊池宏樹」のような高校生でした。当時はカーストのような上下関係はありませんでしたが、私は全く目立たない存在でした。クラブ活動もしておらず、交友関係は狭く、また特に恋愛にも興味ない。かといって勉強に集中するわけでもない。読書とゲームセンターに嵌まっていました。空虚な毎日を過ごした結果、大学入試に失敗し浪人生活に突入。良い思い出は何もない高校生活でしたが、本書は、そんな自分の青春時代を思い起こすパワーがありました。
紙の本
不完全燃焼
2017/02/03 08:54
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投稿者:akiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルに入っている桐島くんが最後まで出てこないなど、試みとしては面白いと思うのですが、読み終わって、正直「だから何だったんだろう?」と思ってしまいました。訴えたいことがあまり響いてこなかったです。
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桐島が主役じゃないのにびっくり。
でもが部活をやめたことで広がる波紋ってことだけど、リベロの子以外はそんなに?って感じがする。
でも、心理描写が丁寧で読みやすく面白かった。
神木くんが映画でやるらしいけど、誰を主役してやるんだろう。
そもそも神木くんは誰役だ?
あ、前田か。
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朝井リョウ読むとさ、大人になりたくないなって思う。いやまだまだ自分はいやになるくらい子供なんだけどね笑
かと言って、大人がどうとか子供な自分がどうとか、そんな否定的なことを言いたいわけじゃなくって。ただ、制服着て学生やってた頃には、もう戻れないんだなって少しさみしくなってしまった。だってこんなに話に共感できるのに。共鳴して、その頃の思い出も悩みも、簡単に出てくるのに。
複雑な心境になってしまった。まあ考えるまでもなくあたり前な事実なんだけどね。
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「桐島、部活やめるってよ」を読んだ。高校生活を男女の目線で描いた物語。「桐島って誰?」「なんで辞めたの?」と読みはじめ、登場人物の会話、行動、悩みなど高校生の今を凝縮したような内容。所々に描かれる情熱や恋愛要素にテレながらも温かい気持ちになりました♪
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雨の日曜日は散歩も終われば、3時の競馬中継まではやることも無く、本を読むばかり。一昨日買って来たこの本、サクサクと読めてもう読了。
田舎の県立高校に通う5人の高校生活を描く連作短編で、部活を中心にリンクする物語。
いわゆる“スクールカースト”みたいなものがあって、それぞれの立ち位置があって、それぞれの事情でイラつき悩む若者たち。
自分も彼女もそこそこイケてるユーレイ野球部員、桐島がやめたことで試合に出られるようになったリベロ、放課後に好きな男子がバスケをしているのを見るのが好きだったブラバンの部長、地味で目立つことを避け続ける映画部員、精神のバランスを崩してした継母と暮らすソフトボール部の女子生徒。
う~ん、同じ境遇に身を置き、同じ映画や音楽を嗜好し、同じ不安や苛立ちを感じる、彼らと同じ年頃だったら、また感想は違うと思うのだけど、もはや私の歳でこれを読んでも、大人になったらもっと些細でつまらなくってどうしようもないけどリアルに悩まなくてはならないことがあるんだよという感じかなぁ。
いや、それ以前に私たちの学生時代ともはや時代が違うかねぇ。ちょっとミスマッチでした。
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著者本人が、どこかのメディアで「豊島ミホが好き」と言っていたとおり、雰囲気がそっくりの小説。ただわたしはこの「そっくり」が嫌いではなくむしろ好きで、読んで良かったなぁと思ったしだい。具体的には豊島さんの『初恋素描帖』に似ていますね。
内容について言うと、この著者の言葉のえらびかたが好き。風景も心理も、描写が上手いと思った。
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いやあ、おじさんが読むにはちょっと気恥しいかなあ。
でも文句なく面白い。
十代、もしくは二十代前半に読んでみたかった。
読み進めれば、ん十年前の高校生活ががっと蘇る、
そんな一品。
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読んでるともやもやします。
が、このもやもやが青春だなぁ、と思う。
http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-876.html
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桐島がバレー部やめることと、登場するほかの子たちとどうつながっていくんやろう?と思って読んだからか、そこのつながりは思ったより薄いなあという印象。でも、それがいいんかも。薄いけど、ちょっとだけ・・・っていう感じ。
実果の話がいちばん考えさせられた。女子ならだれでもとおってきた道で、だれでも感じたことのある感情がたくさん。
宏樹もそう。何かに本気になるのがこわい、という感情も、高校生くらいならみんな経験したことあるやろうな。
高校生たちの心情・行動がほんっまにリアルで面白く、さらっと読めた。
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音の表現が瑞々しい。高校時代の記憶を呼び起こさせる。ちょっぴりほろ苦さもともに。高校という狭くて独特の世界観。若々しくて、爽やかで、かつ残酷。
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文庫になっていたので、とりあえずどんなものかなと読んでみたけども、ちょっと私の好きな部類ではなかった。
セリフやモノローグが全部軽い。というより、背景描写が少なくて全部セリフやモノローグですすんでいるから、場面がわかりづらい。
でも、邦画タイトルが幾つか作中出てきて、あ、それは知ってる、と嬉しい気分になったり。
みずみずしい感性とも思うけど、深みがないなとも思う。
部活をやめた男の子によって、少しずつ影響される男女のお話。部活をやめた本人の話はない。
構成は面白い。今後、この平成生まれの作家さんはどんなふうに進化するんだろう、と楽しみにはなる。
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タイトルから想像する内容とはちょっと違って驚いた。
結局、桐島がどうして部活を辞めたのか、という本人による説明は無く、
風助の考えでしか、読み取れない。
が、それはそれで奥ゆかしい感じ。
登場人物の述懐が、美化もされず、かといって卑屈すぎず…
高校という社会においての、独特のキラキラとキリキリが乗せられていて
青春を思い出させてくれる。
出てくる子はみんな印象に残るけど、中でも宏樹の“なんだか、イライラする”は格別に印象的。
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映画化されましたね。
見に行きたいです。
そのくらい気に入りました。
登場人物の中に自分がいる、と思った人は、きっと涙が出るくらい嬉しいんじゃないかな。私はいなかったけど、自分も高校の頃こんなこと考えたとかこんなやついたとか思いながら読みましたので、私みたいに読める人は多いと思う。
でも小説でも映画でも「ぜんぜんわかんない」と思う人も、やっぱりいるはず。そしてそういう人と私は、あまり本音で話せないかも、とぼんやり思う。
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重松さんのように人の内面、気持ちの奥の部分を上手に丁寧に書ける作家さんだなぁと思いました。
タイトルにあるように「桐島くんが部活をやめること」がどうこうの作品じゃありません。結末が見えるようなそういう話でもありません。
誰しもが高校時代にこういう葛藤の中を通って大人になっていくのだと思います。だからこそ、知っておいて欲しい。読んでおいて欲しいなって思える作品です。