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とにかく時差ぼけを直すために、読書を続ける。
この本は、職場の本屋でみつけて、購入。
歴史から、交通など幅広い分野で、都市計画について、写真をたくさんつかって記述している。個々の記述にまったく違和感はない。
もっと、直截にいってもいいのにと思う記述もある。
(1)ある意味では、これまで狭い路地を潰し、広い街路を築造することが、近代都市計画の理想として掲げられてきた。しかし、あくまで自動車偏重時代の遺物なのではないか、との意見も台頭してきた。それは新たな時代への転換点の幕開けなのかもしれない。(p269)
だめですよ。腰ひけてちゃ。まさに路地はのこすべきもの。幹線道路は別にすれば、むしろ路地を残したうえで、防災性、耐震性をどう建物側、ソフトの訓練、防火水槽の設置などで対応するかの時代だと思う。
全部、区画整理で6m以上の道路にするなんていう発想は、まった時代おくれ。役人でもそう思うのだから、先生はもっとはっきり言ってくださいよ。
おもしろい事例。
(2)札幌大通りや北九州の小倉勝山橋では、あえて道路から公園に管理をかえて、柔軟な利用を可能にした。(p146)
これは、警察庁所管の道路交通法をのがれるための便法としては使える。そうしたら、ボラードとか、ゲートとか、もっと機動的な仕組みで、軒先交通だけに限定した歩行者空間をつくれる。
その他。
(3)建築家の立場だけでなく、実際にビジネスを成り立たせるためにどうしたらいいか、そのためのインセンティブを生むような助成の仕方はどうか、といった経営的なセンスも、特にまちなかの再生には必要だと思う。
それを、都市環境デザインという中でくくるべきかはわからないが、従来の補助金べったりの商店街行政自体も転換を求められているという意識ももっておく必要がある。