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豊臣・徳川の時代に生きた武士の話。時代物は大抵読みにくく、内容を理解するのに苦労するが、本作は比較的容易。
大きな展開はないものの、昔は生活のすぐ隣に死があったんだなぁと感じた。
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「オール讀物」に掲載された6話の単行本化。
戦国末期から江戸初期にかけての在地領主の生き生きとした姿
を描いていてなかなか面白い。
安房里見家の百人衆(半農の郷士)の金丸強右衛門(八犬伝を
思い出させる!)は、家人を抱え、戦では馬に乗って馳せ参ずる
立場だが、平時は農業に励み、自前の船も持っていて交易に出
かけて稼ぐという面も持っている。
秀吉の北条攻めに主家に従って船で参戦するが、秀吉によって
主家の領地が減らされたため金丸家の領地も削られ、太閤検地
によって、今までの在地支配が変わる。
徳川の江戸入りによって人口が膨張し、商いのチャンスは広がっ
たが、秀吉の城下に屋敷を構える普請にかり出され、朝鮮出兵に
動員され翻弄される。
最後は、関ヶ原の合戦で勝ち組になったものの、関東から外様を
追い出すために里見家は難癖を付けられて改易され、家臣は散り
ぢりになるが、殿様からもらった土地ではないから金丸家は農業と
船の交易で生き続ける。
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時代小説。戦国時代、里見家家臣、金丸強右衛門の苦悩を描く。
半分武士半分農民として里見家に使える強右衛門は、里見家家臣として小田原北条家との領地争いをしていた。
しかし、秀吉の登場で北条家は取り潰し、里見家にも秀吉の支配が及び、今までとは全く違う世の中になっていく。
領地を減らされ強右衛門の家計は火の車、合戦で生死を共にした家人に暇を出すか、側女を諦めるか、子の学費や結納金は・・・
妻の志津にも小言を言われ、強右衛門の悩みは深まるばかり。それでも母が来て先祖に手を合わせれば不思議と収まる夫婦喧嘩。
武士として生きるか、農民として生きるか、それとも商人として生きるか・・・時代の変わり目の中を生きる金丸家の物語。良書。
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2023.6.16完了
里見家家人、半農半士の金丸強右衛門一家を描く。里見家と生き抜く金丸家を追うが、実際は里見家は世間に流されているだけ。実際もこんなものだったろうと思わせる。
岩井氏外さないから好き。読み易い。