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1995年の國松孝次警察庁長官狙撃事件についてのノンフィクション小説。
真偽の程は判断できませんが、当時の捜査状況がわかりました。ちょっと文量が長かったな…。
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国松警察庁長官狙撃事件の真犯人が居た!あれだけの秘密の暴露がありながら警察は逮捕しない。あまりにも不条理。本としては力作であるが中盤以降は拳銃にまつわる話が多く読んでいてややだれた。
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うん、面白かった。しかし日本人で孤高のテロリストってなんか違和感があるな。著者はN氏が真犯人とするけど動機がいまいちな気がする。
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これぞノンフィクションという感じ.1995年の国松孝次・警察庁長官狙撃事件について興味ある人は是非.
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特別義勇隊を自称する謎の老スナイパー。コトの真相よりも保身がすべての警視庁・警察官僚。上層部の思惑とは別に地道な捜査を続ける現場の刑事たち。公安により何度もでっちあげられる狂った証言。メディアに「公開」される情報の裏で握りつぶされる、犯人にしか知りえない「秘密の暴露」の数々。そしてすべては闇に。
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オウム真理教による集団サリン事件に揺れる中で起こった国松警察庁長官狙撃事件。日本の司法のトップを狙ったこの大胆な犯行は、当然のようにオウム真理教による陽動だと思われた。警視庁公安部はオウム犯行説に固執するが、物証も自供も得られずに迷宮入りの様相。
そんな中、刑事部は中村泰という老スナイパーから詳細な自供を得る。
結局、自説に拘泥する公安部並びに米村警視総監らのメンツを守るために、この事件はオウムの犯行を思わせるが立件できない、という恥辱にまみれた幕引きとなる。
それにしてもこの中村泰という人物の特異さには驚かされる。
頭脳明晰にして、東大に現役合格するが、共産党に入党、暴力革命を志し中退。その後は革命のための資金集めのために武装強盗を繰り返し、巧妙な手口でアメリカから大量の武器を買い付け、蜂起の時を待つ。
しかし思うように同志は集まらず、革命の機会を失ったまま歳を重ね、革命戦士としての自分を全うできない事への焦りが募ってくる。
そしてオウム事件に対する警察の対応のまずさに対する怒りを、警視総監狙撃という凶行によって社会に知らしめようとする。
この異様な執念。日本において既に死に絶えたと思われた革命思想と、おそらく他に類をみない武装能力。もしも仲間に恵まれたなら、日本赤軍以上の戦闘集団になっていただろう。
フォーサイスの「ジャッカルの日」をも上回るような、テロリストの物語。しかもこれは実話なのだ。
不謹慎だが、面白い。
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現実は小説より奇なりとはよく言ったもの。
当時、なんとなくオウムの犯行だと思っていた、長官狙撃事件の驚愕の真犯人と裏。
このようなテロリストが存在したことにも驚きだが、真相を面子などの為に隠蔽した、当時の警察上層部にも驚愕する。
こんなことがあっていいのか?
暗澹とした気分になる。
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別の事件で大阪拘置所に服役中の老スナイパーは、警視庁刑事部捜査一課の刑事に、こう供述しはじめる「私が長官を撃ちました」と・・・。2010年3月30日をもって時効となり全容解明されないまま迷宮入りとなってしまった国松警察庁長官狙撃事件。
本書は、オウム真理教だけしか見てこず捜査を固執し続けた警視庁公安部は15年間、一体何をしてきたのか。もうひとつは、重要参考人に浮上しながらも黙殺された男の長官事件における極めて高い容疑性を詳らかにするという執筆の意図が記されている。様々な捜査報告書を提示し著者と男の面会や書簡のやりとりを交え闇の部分に迫ったノンフィクション。
公安部と刑事部の確執とか自己保身とかメンツの為に 汲々とする警察上層部が垣間見える。刑事ものの小説でよくこんな事が描かれているが、あるんだろうね実際に(?_?)。
そして、かつて犯罪に手を染め東大を自主退学し、ゲバラに傾倒し特殊工作員としてテロの道に生きることを選んだ男。巻末の参考資料読んで思ったが、歪んだ正義感って云っても良いんだろうか?齢80にもならんとする謎の男。まさに事実は小説よりも奇なりというけれど、果たして犯人だったのか?ミステリアスな部分を秘めていて興味深く読んだ!
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國松警察庁長官射殺未遂事件もすっかり風化したかに思われたところで手にした一冊。物的証拠以外は真っ黒け。情況証拠だけでも十分立件できるだろうに、、、歯がゆい思いで読んでいると、そこには全くもって醜い上層部のメンツをめぐるゴタゴタがあったというね、いやはや。
ただ、この中村という男も、立件してくれと意気がる割りには、肝心な点については一切口を閉ざすという不可解さ。
どうも後味の悪い思いをした。
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森達也の「下山事件」的な本かと思ったら違った。英雄になりたかったけど、結局テロリストにもなれなかったおじいさんの話。記述はわりと主観的だけど、説得力のある部分も。いろいろと後味良くない本。
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執念ともいえる長年の取材活動の末にたどり着いた結論がいとも簡単に当事者の保身のために葬り去られる。
メディア情報を懐疑的にみているつもりでもやはり相当影響を受けてしまうことがあるんだと改めて痛感。
久しぶりにものすごく引きこまれた一冊でした
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著者の無念が滲み出ていて、読者としてもいたたまれない気持ちになる。本当にここまで真実が強く推定される状況でも司法手続きの壁は立ちふさがってしまうものなのか。そうであるなら、警察はもちろん、、検察にも期待できそうにもない。そのための検察審査会も、制度として効果的なのかには大きな疑問がある。
司法制度を、民意を基礎に構築するのは歴史に照らしても失敗が強く推定されるが、この場合は参考にすべきところも多いのではないか。
警察、検察のメンツや組織維持のための司法制度になることを防ぐ手だてを、もう少し検討する必要があると感じた。
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気になった人物や事件についてかかれたノンフィクションを時々、読んでいます。
この本は、平積みされていた文庫のタイトルと表紙の写真が気になり、事前知識はなかったのですが、読んでみることにしました。
1995年3月に起きた、国松警察庁長官狙撃事件。
この年は1月に阪神淡路大震災が発生し、その後の一連のオウム事件で、騒然としていた日本。
「これもオウムの仕業か」と、大きく報道されたことを今でも記憶しています。
しかしその後、この事件関連の続報は減り、ついには2010年に時効を迎えてしまいました。
オウムによる他の重大事件がほぼ、(司法手続き上)解決したのに対し、警察組織のトップが狙われたこの事件が解決しなかったことを、僕も疑問に感じていました。
この本は、この事件について、大きく2つの視点から描写しています。
ひとつは、「なぜ、警察はこの事件について、誤った捜査をしてしまったのか」ということ。
そしてもうひとつは、「この事件の”真犯人”はいかに、この事件を起こしたのか」ということ。
前者についてはまず、一連のオウム事件で刑事部が人手不足になり、公安部が捜査を担当したことを発端として挙げています。
そして、警察トップが介在する事件の「見立て」により、間違った方向に捜査が進められていった経緯が、関係者の証言を交え、描かれています。
後者については、別件で逮捕された容疑者が、長官狙撃事件につながる決定的な証拠、証言を残し、それを警察も認識しているということが、本人へのインタビュー、書簡交換も含めて綿密に、繰り返し書かれています。
別の事件に関する本でも感じたのですが、警察の捜査というのは、客観的な証拠を集めて科学的・確率的に絞り込んでいくというのではなく、かなり早い段階から仮説を立てて、それにそった証拠・証言を集めるという手法を取るのですね。
この本でも触れられている世田谷一家殺害事件や八王子スーパー事件等の重大事件でも、同じようなことが起こっているのではないかと、心配してしまいました。
この本自体が、一方の視点で書かれているため割り引く必要はあるかと思いますが、使用された凶器に関する調査等、オウム犯人説には無理があるのは間違いなさそうだなと、感じました。
”真犯人”の動機の部分等、本書を読んでも理解出来ない部分はありますが、この事件についての経緯と、警察組織の捜査の進め方の実情を伺い知ることのできる、興味深い一冊でした。
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国松警察庁長官が撃たれたあの事件は、一連のオウム真理教の事件で騒然とする世の中にさらなる衝撃を与え、何かとんでもないことが起きたんだなとまだ中学生だった自分にもしっかりと感じられた事件だった。てっきりオウム真理教の犯行だとばっかり思っていたがどうやら違うらしい。まさに公安のプロパガンダに乗せられていたわけね。
立花隆がオススメするだけあってなかなか読み応えがある本。
思い込みと保身がどれだけ害悪かよくわかる本。
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最初に頭に浮かんだのがデ・ニーロ演じる『タクシードライバー』の孤独な主人公。読み進める内に、戦争でも始めるかのような人間武器庫振りに“ランボー”の原作『一人だけの軍隊』を思う。それなら、その謎に包まれた地下活動と卓越した射撃能力はゴルゴ13か?但、本書は純然たるノンフィクションであり、彼も銀幕のヒーローではなく、一介のテロリストかつ犯罪者に過ぎない。銃器密輸と要人テロを完璧にやってのけるにも拘わらず、寄る年波に勝てず接近戦には弱かった。東大中退でノーベル賞級の頭脳を持ち、チェ・ゲバラを夢見た老詩人の半生。