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中里均 (著)
統合失調症の患者が現代社会に適応できないのはなぜか。効くと思われている治療は本当に効くのか。効果ばかりを強調した様々な治療技法についてシニカルに再検討。“健全”な生き方を問い直す。
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考えさせられることが多い
現代社会に適応できることが
良いことでそれ以外は病
今生きるこの世界に適応できないことは、さぞ生きにくかろう
時代が異なれば、社会が異なれば
今とは違った評価をされるであろう人たちがたくさんいる
統合失調症と診断される人々もそのうちのひとりなのかもしれない
為政者や今の世界で成功することができる人々にとっては
都合の悪い意病ではあるかもしれませんね
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統合失調症の概念や成り立ちから発して、その治療法や精神病院、精神科デイケアなどについて統合失調症と精神科、精神病院周辺について論考した1冊。読んでとにかく驚きの連続でした。現代は農耕文化の社会であり、S親和者は(統合失調症に親和性のある人々のこと)それに上手く適応できないことで失調を来すのではないかと著者は言います。精神病院やデイケアなど、どのように作られ、発展していったのかにも触れていてとても興味深い。統合失調症患者の差別についても述べられているけれどもつい最近、約30年前まで医療者の間でもかなり不当な扱いをされていたことには胸が痛む。今は流石に医療者間では差別はなくなっただろうけれど、巷ではまだ偏見が残っているのは私も感じるところだ。これは統合失調症に限らずだけれども。メンタルヘルスについて正しい理解や社会的支援の整備が更に進むことを願ってやみません。