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福島原発事故の記憶が新しいときに出た本ではあるが、単純な反原発を説くような構成ではなく、その時、科学者は何を考えていたのかといった内容である。何かハッキリした結論を引き出したいという人にとっては消化不良と思える内容かもしれない。なお著名な科学者のエッセーがメインになっているが難解な理論等には触れておらず、誰でも読める本であると思う。
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科学の目的は、自然法則を知るためだけのものではなくなっています。
科学はこれまで発展を続け、文明という形で自然を変えることによって、これまでにない豊かな生活をもたらすものになっています。
それでは、科学はただ単に良いものとして考えていいのでしょうか。
本書は、人類が原子力という科学に手を出したことに対する苦悩を描いたものです。
「原子力発電所が造られる初期段階にて、科学者たちはどういった未来をみていたのか」など、3.11を知る日本人であれば読む意義のある内容となっています。
さらに、本書では原子力を原罪と喩え、科学のあるべき姿についても言及しています。
本書の著者、朝永振一郎氏は、筑波大学の前身校である東京教育大学の学長を務めており、その後1965年にはノーベル物理学賞を受賞しています。
このような経歴から、筑波大生には読んでいただきたい一冊です。
(ラーニング・アドバイザー/物理学 KOCHI)
▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?bibid=1457243
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何万年経ってもタッチ出来ない廃棄物を産出し、それを後世に残すことには全く罪悪感も感じず、その一方で明日の電力量や数年後の経済国家として生き残れるか否かだけに疑心暗鬼になる現在の私達こそ、本当の人間性を思い直すべきだろう。
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朝永振一郎著作集から原子力関係のエッセイを江沢洋氏が編集したもの。
まさに、原子力研究開発の黎明期の話である。
科学者の社会責任というか、科学の本質論(ファスト的なものを含んでいる)というか。