紙の本
未来より過去
2022/08/01 20:16
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投稿者:セパサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人の数だけ幸せの感じ方が違っていいはずなのに、それがなくなってしまったところに、いまの世の中の不幸があります。との著者の言葉にまず考えさせられました。
そして、
いまを大切に生きて、よい過去を作ること。
よい未来を求めていくというよりも、よい過去を積み重ねて生きていくこと。
は、先ばかり見てしまいがちな自分を見直す大切な学びになりました。
人間の真価は態度に現れるというのも気をつけていきます。
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投稿者:ぽにょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
漱石を読めばもっと共感できるのかな。でも読んで無くても共感できるとこは多かった。悲観的でいろというよりは、常に考えるということがこれから大切になってくるということを言っていると感じた。
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後半にかけて畳み掛けるような展開。フランクルの言う人間の3つの価値とは、創造・経験・態度。3つ目の態度がポイント。相手のありのままを、そのまま丸ごと受け入れることが「愛する」ことらしい。相手が何を考えてるか知りたいうちは、自分だけを愛しているに過ぎないと。深いわ。人間の器のことを言ってるのだろうか。夏目漱石は小説の登場人物たちからこうした人間の本質を説く。
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悩んで悩んで突き抜けた!続編。社会学者・マックス・ウェーバー、心理学者・ウィリアム・ジェームズ、精神医学者・フランクル、そして夏目漱石の作品の主人公たちに触れ、幸福とは何か・・・?問いかける。
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【読書その89】現代人の苦しみを夏目漱石とM・ウェーバーをヒントにした生き方を提唱しベストセラーになった東大教授の姜尚中氏の「悩む力」の続編。
本書を読んで特に心に残ったのが、著者が本書を通じて多く引用されたV.E.フランクルの言葉。第二次世界大戦中、ユダヤ人であるため、強制収容所に送られ、収容所で想像を絶する迫害を受けた。フランクルは、それをくぐり抜けて生き残り、大戦後は自らの過酷な経験を活かして、この体験をもとに「夜と霧」を著すなど、人の心の闇と生きることの意味を解き明かす仕事に死力を尽くした。
本書の中で特に印象に残ったのが、フランクルが本のタイトルに使った「それでも人生にイエスと言う。」という言葉。この言葉は、ナチスの迫害を受け収容所に収監されたユダヤ人たちが過酷な日々の中で作った歌に由来するもの。彼らは、明日の命の保証もない極限の状態の中を生き、それでもなお、人生をあきらめまいと、この歌を作り、これに望みを託した。自分を超えた世界からの要求に対して、責任をもって答えていくこと、それをフランクルは「態度」という。
著者は、これらのフランクルの言葉を手掛かりに、これまでの価値基準で測られる幸福論ではやり過ごすことができなくなった現代社会において、むしろ苦悩や受苦に目を向け、その意味についてより深く掘り下げ、受け止めていくことが必要と論じている。
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夏目漱石とマックス・ウェーバーから学ぶ。
悩むことは自分の人生を生きること。
人間の三つの真価は「創造」「経験」「態度」である。
人は悩んで悩んで、悩み尽くすことが重要。
悩みを突き抜けたところに、生きることへの意味がある。
この本を読んで、夏目漱石の「それから」「明暗」をもう一度読みたくなった。
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「悩む力」を読み直そうかなと思っていた矢先に、「続・悩む力」が刊行されたので読みました。
テーマは幸福について。
3.11東日本大震災に触れながら、グローバルでソーシャルな世界を生き、幸せを得るにはどうすればいいのかが述べられていました。
姜尚中さんの考え方は、僕にとって相性が良いので腑に落ちます。
詳しくはブログでまとめよう。
タイトルは…「幸福あれこれ~大切なことは~」にしよう!
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ジュンク堂でサイン会があるってことで購入したミーハーです。
夏目漱石、マックス・ウェーバーの著書から自意識にとらわれて悩み続ける現代人の性を説いて、まじめに悩み抜くの大切さを主張した前作『悩む力』の続編です。
今作でも文学者である夏目漱石、社会学者であるマックス・ウェーバー、精神医学者であるV.E.フランクル、心理学者であるウィリアム・ジェイムズなどの著書から現代に通じる人の悩みの底にあるものが説かれています。
現代社会のなかで感じる不安感について社会の構造的な問題、現代人が陥ってしまいがちな思考などが指摘されており、個人的に今まで原因がわからずにモヤモヤしてた思いを新たな視点で考えるきっかけになりました。
とても勉強になる一冊でした。
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実は「悩む力」を読んだ事がなくいきなり「続」から読み始めました。姜尚中さんは「AERA」で毎週お世話になっていますが、この人の著書を読むのは初めてでした。
「人間とは何か?」や「幸福論」について、「マックスウェバー」や「夏目漱石」と言った過去の偉人達の作品を通して語られています。特に宗教と科学の対比で科学が宗教に限りなく近い地位を占めるようになったとある点がとても興味深かったです。確かに、3.11の大震災で原発の安全神話など脆くも崩れ去りましたが、東京スカイツリーを立てた日本の技術力などを誇る報道をみると科学に対する信仰はまだまだ強いのではないかなと思います。科学に失望する事もあれば逆に励まされる事もある。過信せずにいる事が大切なのだと思いました。
人が一つになるのに宗教は欠かせない面を持っていますが、宗教によって人同士が争うのも事実だと思うと決して万能ではないのですね。でも、傷ついた人を救うのは人であると考えると、その根本にあるのも宗教なのかな。
未来よりも過去を大事に。未来は0なのだから。その言葉もしっかり踏みしめたいと思います。
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姜尚中の眼差しは温かい。いつも、本を読むとそう感じる。
「悩む力」は「生きる力」であるという。本書も、現代の矛盾を説きつつ、あくまでやさしい眼差しで背中を押してくれる本だ。
今の社会は、あまりにも「成長」を求め、死を忌み嫌い、生を謳歌し、資源を蕩尽することに夢中になってきた。例えば、雇用に関していえば、失業を生み出しても、経済的な価値を極大化することが最優先課題になっていないかと問いかける。
つまり、市場経済は社会が崩壊しない程度にまで失業率を高める方が富が極大化するメカニズムになっており、一方で、失業は社会の問題ではなく、あくまでのその人の能力の問題だということに帰している。仮に失業した人が「わたしの仕事がなくなったのは、社会にその仕組みがないからだ」などと言おうものなら、「甘えるな!」「人のせいにするな!」と一蹴されかねない。
成長し続けるという神話、死を遠ざけたことで生をも遠ざけた現代。いつのまにか変容し、逸脱してしまった資本主義。
姜尚中は、テイラーがいう、個人的共鳴(パーソナル・レゾナンス)とう言葉に、これからのわれわれが生きていく上での一つの手ごたえを感じるという。これを、どのように思想化し、言語化し、具体的な行動を盛っていくのはこれからの課題だが、人が互に響きあい、投げ出しあい、信じあえるような共通項を見出していくことは、必ず必要になる。
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不確実で拠り所のないない現代でどう「幸せ」に生きるか、著者自身の悩みの過程を著した本。幸せとは、結果であり、自分の人生に対する態度が重要という結論は納得。悩む力のほうがより鋭い主張だったように思う。
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悩みマスター・姜尚中さんの新書。
人生を送るなかで、どこに幸せや知見を設定しておくか、という話、かな。僕はそっち方面の悩みを持っていないので、遠巻きに読みました。「第三次ホンモノ探し」ブームがやってきて、みんな疲れすぎちゃうよ、という本。もともと漱石とウェーバーを引合いにする本であるのに加え、誰がなんと言っていた、ということばかりで展開して、どうも著者の本、という気がしない。前作は、とても良かったのだけれど、僕の悩みのタイミングとの差か?
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<内容>
前巻の続き。前回の悩みとは何かという本質をさらに、①金、②愛、③家族、④自我の突出、⑤世界への絶望という大きく5つの視点から述べている。そしてそのような中、如何にすれば幸せになれるのか、幸福という面について結論づけている。
<レビュー>
今回も前回に引き続よかった。特に5章の「ホンモノはどこにあるか」に述べられている内容が、まさに自分の状況と当てはまっており、すごい納得しながら読めた。そして最後の、「未来よりも過去に目を向ける」という内容のものが、今までになかったので、印象に残った。
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幸福の方程式が崩れ、合格基準さえも満たされない現代において、「幸せとは何か」を問い、夏目漱石やウェーバー、ジェイムズ、そしてフランクルから、ひとつの解を見つけようとしている本。
「未来」を追い求めるよりも、「過去」を大切にする、という話が印象的。
先へ先へと焦るよりも、過去を懐かしんで、味わいながら、ゆっくりじっくり今を歩んでいこうと、姜さんの落ち着いた声で言われている気がする。
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この著者は政治学者、哲学者とジャンルも広いうえに、考察が深い。それでいて、語り口が丁寧、自己満足や独りよがりなところがない。生きる意味について、過去の偉人の作品を洞察し、現代に反映させるという手法には、恐れ入りました。