紙の本
実在の人物ではありませんって書いてよね
2013/06/14 00:53
25人中、19人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:LR45 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人によってはネタバレと思われるかも知れない内容が入っているかもしれません。
予めご承知おきを。
相変わらず読みやすかった。
石油の専門用語とか、外貨がどうとか、そのへんが少し分かりにくかったけれど、本筋ではないのでスルーすれば問題ないかな。
問題なのは、この国岡という主人公に対して、魅力を感じなかった部分。
どこが魅力的なんだろうか?
上巻初っぱなのシーン、終戦で何もかも失った国岡が従業員を一人もクビにすることなく、やれることは何でもやって這い上がろうとする下りは確かに魅力的だった。
こういう人たちが戦後の日本を作ったんだろうなぁと。
が、上巻後半の国岡の青年期、創業期を描き始めた辺りから、だんだん読むのが辛くなる。
大体作品を通してこの主人公には、次から次へと「いかにも」な敵が現れてそれを国岡が一喝して解決する(まるで黄門様のように)、それが一段落するとまた次の新しい「いかにも」な既得権益集団が現れる、それを・・・の繰り返し。
バイキンマンと戦うアンパンマン、あるいはなんとかレンジャーと同じ構図。あまりに単純。もっと言えば幼稚。
会社はとにかくたくさん働くことが美徳、という価値観。
当時はそれが美徳だったんだろうが、ワークライフバランスと言われる現代にこの価値観を伝えたいという意図もよくわからない。
「人間本位だから定年もないし出勤簿もタイムカードもない」と言えば聞こえはいいが、見方を変えれば労働基準法なんて眼中にない無法会社。
そんな会社がイチイチ法律に逆らおうとする矛盾。
自分に都合の悪い法は悪法というご都合主義。
自分の主張が通らないとヒステリーを起こす主人公。
その一方で、国岡のどこに惹かれたのかよくわからない支援者が現れて大金を国岡に無償でくれたり、国岡の離婚すらを美化したり。
何よりも決定的(多分これが全て)なのは、この小説の主人公である国岡鉄造なる人物は実在しないんだってw
なんだそれ。
出光の創業者出光佐三がモデルになっているようだけれども、「永遠の0」でも使われていた、実在人物と架空人物をごっちゃにして登場させるという手法のよう。
あのね、そういうことはどこか帯なり冒頭なりに書いておいて欲しかった。
株式会社の下りもどうもフィクションのよう。
戦前戦後に石油界で活躍した出光佐三にインスピレーションを受けて、都合のいい部分だけ事実のエピソードをいただいて都合の悪いところはでっち上げを含む脚色をしてパラレルワールドを作ってみました。こんな戦後の日本どうですか?ってことでしょ。
いかにも出光佐三を追った本のように売り出しておきながらそりゃねーぜとっつぁん。
いつ出光興産が出てくるかと期待して読んでた自分がバカみたいだ。
読みやすいのは読みやすいんだけど、とっても腑に落ちない内容。
後半に進めば進むほど国岡出て来なくなるし。。。
子母沢寛は、自分は歴史を書いているわけではないと言ったそうな。確かにそうだろう小説は作家が作った創作なんだから。
一方で、船戸与一は今刊行中の本のあとがきの中で、歴史小説を扱う作家の心構えとして、歴史は作家のおもちゃではない、作家は歴史の奴隷ではないと言っている。
この本は歴史をおもちゃにしてるようにしか思えませんでした。私には。
「この本は実在の人物をモデルに構築したパラレルワールドを描いた作品です」
この一言に尽きる。
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敗戦後、自身の率いる石油会社を再建していく男の物語。(実在のモデルは、出光興産の創業者らしい)
彼らが、いくつもの困難を超え、どん底から立ち上っていく様子を、現在の震災後の復興もこうありたい、と重ねているようにも感じられた。
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かっこよすぎる国岡鉄蔵。永遠の0の宮部がちらっと登場してなんだか泣けてきた。
まさかこの作者がこうゆう書き方をするとは驚きでした。できれば会話してほしかった。
きっと今の時代でいうネットが今後必要になってくると何十年も前から予想していたような話なんだと思う。
情報がアナログからデジタルに変わるように石炭が石油になるんだと強く信じ行動しつづけ。お金を出してくれる人に巡り会い。会社を成長させ戦争ですべてを奪われる。やっぱこの作者すごいな。
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あっと言う間に物語に引き込まれて一気読み。
出光興産の創業者をモデルに、百田尚樹が書き上げた作品。
戦前・戦後に、石油を巡り、欧米メジャーからの外圧、国内同業者の内圧と戦いながら、利他の商売を貫く主人公と、その社員。
色んな意味で感情移入がハンパない。
「愚痴をやめよ」 国岡に耳元で怒鳴られた気がした。
一文一文に、何度も震えた。
下巻を早く読みたくもあり、取って置きたい気すらする。
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いつもばばばっと読んでしまう私にしては珍しく
少しづつ少しづつ丁寧に読んでいます。
つまらないから読み進まないのではなくじっくりじっくり読んでいます。
感想は下巻読了後に。
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明治生まれ
門司で出光商店を立ち上げ
大正、昭和にかけて
石油業界に君臨した
異端児的経営者 出光佐三の生涯
日本にとっての石油業界の
成り立ち、戦前戦後の経済
社会生活をリアルに感じられる
史実のようなノンフィクション
日本と従業員のために
自分の全てをかけた情の深さと
経営者として
ずっとぎりぎりで戦っている
経営判断と意思決定の
激しさと厳しさ深く感じます
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とてつもない公の精神の持ち主の主人公とその部下たちの物語。怒涛の大正、昭和の戦争終結までが描かれている。これほどの日本人たちが今もいたなら、今の困難など乗り越えていける。
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これまで『永遠の0』が百田尚樹の代表作であったが、この作品はそれを超えたのではないか。本当に素晴らしい作品である。
史実に基づいているノンフィクション小説と唱っているが、完全なノンフィクションではなく多少の脚色は行われている。上巻の終盤には作者の遊び心というか、読者に向けたプレゼントのような演出がされており、思わず「おぉー」と声をあげてしまった。
余談だが、Twitterで「もしこの作品が直木賞を受賞しなかったら、選考委員は全員クビw」とツイートしたら作者本人からリツイートされた。
2012年下半期、絶対に読むべき作品であることは間違いない。
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はやく下巻がよみたい
時系列が上巻の前半後半で逆転するのは
読ませる感じとしてはいいと思ったが
登場人物や団体が多いので
あれ?この人は戦後の話でどこから登場してたっけ?どこに繋がるっけ?
となりやや分かりづらい
地図をのせるなら人物の表もつけて欲しかった。
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久々に興奮しながら読んだ。
➡「ならん、ひとりの馘首もならん!」--異端の石油会社「国岡商店」を率いる国岡鐵造は、戦争でなにもかもを失い残ったのは借金のみ。そのうえ大手石油会社から排斥され売る油もない。しかし国岡商店は社員ひとりたりとも解雇せず、旧海軍の残油浚いなどで糊口をしのぎながら、逞しく再生していく。20世紀の産業を興し、人を狂わせ、戦争の火種となった巨大エネルギー・石油。その石油を武器に変えて世界と闘った男とは--出光興産の創業者・出光佐三をモデルにしたノンフィクション・ノベル、『永遠の0』の作者・百田尚樹氏畢生の大作その前編。
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本書は、出光佐三を題材にしたもので、登場人物のなかには実名の人もいる。自社の社員を家族同然に愛する創業者であると同時に戦後の日本復興に寄与した人物の一人である。『永遠のゼロ』同様、日本人として日本を改めて見直し、日本人に勇気を与えてくれる、百田尚樹氏には感謝!
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読み応えあり。戦争時代の事情がわかりやすく整理されていて、勉強になった。石油についても、知らなかったことばかりで楽しく読んだ。下巻に感動の予感。
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永遠の0の宮部が出てて何か嬉しかった。
国岡鐵造は凄い。だけどそれを支えた人達、日田、長谷川とかユキ含め周りの人も格好いい!!
下巻はセブンシスターズ登場みたいだから早く読みたいです!
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主人公(出光佐三がモデル)の生き様がそのまま反映されているかのような、判りやすくて勢いのある作品だった。作者自身が筆を執りながら幾度も涙したというが、たしかに泣ける、胸が熱くなる。日本人としての誇り、人としてのあるべき姿を、なんの迷いもなく体現した主人公と、登場人物たちに、何度となく胸躍らされた。未曾有の天災に見舞われ、様々な内憂外患を抱える今の日本、日本人にこの一冊は力を与えてくれるに違いない。
出光という会社も、30代の前半に取引先としてお世話になったことがある。この本の中で語られているように、民族資本の非上場で(当時)タイムカードも定年もない独自のイズムに貫かれた会社で、一見異様な雰囲気を漂わせている印象をまず持ったが、個々の担当者は、確かに一騎当千の人物が多かったなと。この本の書かれている内容が100%でないにしても、ある程度の実像を表わしているとしたら、さもありなんと、いまさらながらに納得。
「永遠の0」「風の中のマリア」「モンスター」と、まるでジャンルの違う世界を扱う著者であるが、都度思うのが徹底した調査で集めたであろう情報や事実を、巧みに物語に織り込み昇華させる能力の高さだ。今回、歴史ノンフィクション小説というカテゴリーでもいかんなくその手腕が発揮されていて、気持ちよく感動させてもらった。清々しい気持ちになると共に、よーし、やるぞ!と思わせてくれる一冊(いや上・下巻の2冊)、オススメ!
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出光興産の創業者である出光佐三(さぞう)をモデルとした経済歴史小説。実話ベースでありながら(小説として多少の装飾はあるだろうけど)絵に描いたような「山あり谷あり」には思わず手に汗を握ります。「永遠の0」の「宮部」がちらりと(ホントにちらり)登場するのには笑わされました。それにしても、すごい男がいたものです。