紙の本
編集部のバトルロイヤル
2020/04/09 20:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
クールな編集者・鳴木戸と、肉体派の連載作家・守口とのコントラストがきまってます。正反対のふたりが、反発しながらも絆を築き上げていく過程にも共感できました。
投稿元:
レビューを見る
はじめからぞわぞわした。西さん進化しすぎ。嫌な感じに鳥肌立つ小説だった。
サディストで変態作家であったマルキ・ド・サドをもじってつけられた鳴木戸定(ナルキドサダ)。性別女。父は紀行小説家であり、あらゆる民族の秘部の形を記したりする変態でもあり、定は人肉を食べた娘として有名になる。母も死に、父も死に、乳母である悦子に定は面倒をみてもらう。定は幼いころから感情を出さない娘だった。が、四歳のときにふくわらいをしたときに笑い、ふくわらいにどっぷりはまる。大人になり編集者となり、引きこもりの作家や、初老作家、プロレスラー作家の担当、さまざまな人に触れ合い感情が溢れ出す…!!
最後泣けたよ。守口の暗誦とか、ほんと泣けた。好きなことをちゃんとやろう、うん
投稿元:
レビューを見る
肝心なことや伝えなきゃだめなことに限って、何も話せなくなってしまう。
びっくりした。
実は弱いこと、今のこと、先っちょのこと。いろいろ考える。
強烈な描写だからこそ、対極にある繊細な部分がより鮮明にストレートに伝わる。
投稿元:
レビューを見る
なんて、力強い。
ものすごく、生きている、ということが伝わってくる。
なんでかわからないけど、涙が出てくる。
そういう本でした。
投稿元:
レビューを見る
タイトルのほのぼのした雰囲気からは全く想像できない、生々しく血なまぐさい「生」の力強さに圧倒された。普段私たちは今ここにいる自分、私という人間、そして生きている実体、などというものを感じずにいる。何気なく見ている鏡、そこに写っているのが自分である、と思い込んでいる。
何の違和感もなく、何の疑問も持たず。でも、自分という存在に対して、また自分が見ている世界に対して「実感」という形で受け止めることのできない人もいるのだ。
あるべきものがあるべき場所にない、それは面白さと同時に不安も内包している。ふくわらい。考えてみればこれはものすごく残酷でものすごく恐怖に満ちた遊びなのだ。
特殊な環境で育ってきた定。律儀でマジメな彼女がその特殊な籠の中から飛び出し「まるごとの自分」をさらけ出し受け入れ統合するためには「ごくごく普通の同年代の友達」と「異常な感覚の持ち主たち」と同時に接する必要があったのだろう。
己の感情さえ放棄した定が「人間性」を取り戻した瞬間、私も激しく感情を揺すぶられ動揺し、そして泣いた。定のためでなく、自分のために。生きている実感がないから、と己を傷つける誰かがそばにいたら、これを読めといいたい。そして泣け、と。
生きているんだよ、人間は。生きていくんだよ、死ぬまでな。と、言いたい
投稿元:
レビューを見る
放浪作家とその娘の話。
旅先で人の肉を食べたことから日本に帰ってからも周りから遠巻きにされる主人公(娘)と彼女に集まってくる人達がみんな魅力的で読んでて楽しくなる本でした。最後の方はあの人とはどうなるのだろうと、ドキドキしつつページを進めました。
投稿元:
レビューを見る
25歳の不器用な女性編集者のお話。著者の描く人物は規格外がほとんどだけど今回ははんぱなかった。主人公の心が開放されていき強烈なラストはビックリ唖然。生きてるから好きなことしてるのか…自由だ。これぞ読書の醍醐味…面白かった!
投稿元:
レビューを見る
なんていうか不思議なあたたかさに溢れた本でした。
良い言葉が思いつかない(汗)
けっこう、エグイ表現とか、うぅ〜〜って表現もあるんやけど、でも深ぁ〜い愛に浸ることができました!
両親の愛も主人公の愛も、一般的ではないかもしれやんけど、斬新でグイグイ本の中に引き込まれていきました。
言葉の重みとか、人の死とか、難しい内容もあるにも関わらず、読みやすくて、あっという間に読めてしまいましたww
読み終わった後に、優しい気持ちになれました。
が、読み返すと又、色んなことを考えさせられてしまう、不思議(←コレ重要w)な魅力のある本でした♪
この独特な雰囲気を…独特な気持ちをぜひ体感してみてください(笑)
今まで感じたことのナイ読了感、そういう意味では☆4つかも?!
投稿元:
レビューを見る
面白くはあったけど、内容がまとまってない感じがしました。
他の西さんの本にある魅力がこの本にはなかったかな。
投稿元:
レビューを見る
読み初めて「なんでこれを読むのを後回しにしていたんだろう?」と後悔した。
本に書かれているあらすじからは想像もできない展開(いや、まちがってはいないんだよ)。主人公の定とまわりのみなさんが、あまりにもむき出しでほほえましい。
面白かった。久しぶりに読み終えたくないと思った。
投稿元:
レビューを見る
突飛な事も、真っ正面から向き合えば受け止められる。
西さんの中にあった「言葉」と「身体」にケリがついたのかな。
とても素敵な正直な恋の話だったよ。
投稿元:
レビューを見る
私はてっきり定は守口のことがスキなんだと思ってたー!
途中から定のことを愛おしくなってきて、私も友だちになりたいと思った。
守口に会いたいと思った。
武智さんへ“先っちょから未来へ!”と声をかけたいし、小暮と定と女子会をしたい。
西加奈子さんの作品はいつも登場人物がキラキラしてる。
最後はガーーーーッと読み上げた。
感動。
投稿元:
レビューを見る
去年のベスト1かな、と思っている「円卓」のこっこちゃんをより強烈に、より哀しくした「ふくわらい」。
こっこちゃんは、いわゆる空気の読めない小学生だったけど、西さんの描き方は全然痛くなくて…。彼女のことがとても好きだったし、家族からは溺愛され、クラスメートからも深い理解を得ているという状況がホント嬉しかったんだよね。
「ふくらわい」の主人公・鳴木戸定は、こっこちゃんより手ごわい。初めて人生で大笑いしたのは4歳の時。お正月の福笑いで、人の顔、外界、社会というもの、人生、を一挙に学んでしまった定。
人の顔は取り変え可能なパーツを持つ平面と認識、そして、その面白さゆえに他人にも興味を示すようになったのは、いいこと、だったんでしょうね。
長じて、編集者になった彼女は、その独特の社会感ゆえに、人との交わりは上手ではないながら、優秀な社員としてやっていけているところが素敵。
浮く、ことを気にせず、(というか、気にする術を知らず)淡々と日々を送る定の前に現れる猪木を心から愛する悲しいプロレスラー兼エッセイストの守口、同僚の木暮しずく、乳母、冒険家の父、「先っちょだけ」を懇願する武智次郎・・・。
父に連れられ世界を放浪、死肉を口にした経験まである定の、外界との関わり方は型破りではあるけれど、それがなんとなく許されてしまっている物語の優しさを心地よく読みました。(*^_^*)
投稿元:
レビューを見る
西加奈子はやっぱりとんでもない人だと思う。読みたくない描写もあったけど読ませてしまう。わけわかんない本に思えて、意外と大事なこと書いてる。先っちょとすべて、については考えさせられるものがあった。
投稿元:
レビューを見る
最初から最後まで強烈だった。
ちょっぴし、本で良かったと思った(特にラストが)
ロボットのような定が、守口や武智、小暮しずくと関わって行くうちに人間らしさを取り戻していく過程が、じわじわくる。
一番好きなのは、水森の奥さんの手紙のところだった。
こんな風に愛せる人間がいることだけでもすごいと思う。