紙の本
好きになれず
2018/08/02 13:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
751ページの大作です。
多分かなり史実に基づいた水戸光圀像なのでしょう。
正直読んでいてその主人公たる光圀が嫌な奴にしか思えなくて、
特に1章2章あたりで読むのをやめようかなと思いました。
3章以降はどうにか冷めた感覚に徹することで読み終えることができました。
まぁ、江戸時代の侍、それも支配者階級の思考を今の時代の価値観で判断すること自体が無意味かもしれませんが、小説として今の時代の作家が今の時代の読者に向けて書いたものであるなら、その良し悪しを或いは好き嫌いを私などが感じるままに判断するのも許されるのではとも思います。
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気骨稜々に終生義を問い、史を編む。
有名すぎて実は知らなかった水戸光圀公。
読み終わって、また読みたいと心を惹きつけてやまない魅力がある。
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いやあ、これは大作であった。かの大作、天地明察を凌ぐボリュームでありながら、一気読み必至であり、読み進めるにつれ、話が終わることが惜しくなるのは久しぶりである。人の一生を描く伝である以上、その誕生から死去までの全てを、偉人とはいえ、今は亡き過去の人間像を深堀した話を紡ぎだすための取材と知見は、一体、如何程であったであろうかと思うと、素直に脱帽である。何故、自分なのかというレーゾンデートルに悩む幼少期と青年期から、それを義として見出し、それを助ける伴侶と友人を得た以降の壮年期が圧巻である。話は時間軸とは別に己の回想を交えながら進行するが、その回想に大きくかかわる、お手打ちに至るまでの伏線は武蔵の時代から延々と張り続けたせいか、その結末は少々、拍子抜けに終わったが、それも又、良いだろう。それにしても煌びやかに登場する歴史上の人々を生き生きと描き、まさしく人が生きたことを後世に残すという意味においては、光圀の想いに通じるものがあるだろう。いやあ、まいった。これでは、万能兵器たる鼠の物語や、天かけ地を駆る妖精達の続きを、一体いつ書いていただけるのか、でも歴史ものも読みたい、どれでもよいから早く次回作をお願いしたい。
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「義」を貫くため、不器用なほど真っ直ぐに生き抜いた光圀の一代記。
751頁の大作ながら、飽きることなく読ませる筆力は「天地明察」から一段と上がったような気もする。
テレビドラマのイメージが強いため、晩年は好々爺の諸国漫遊の世直し旅をしていたと思われがちだが、晩年までの精力的な働きっぷりを読む限り、そんなことをする暇はないだろう。
「天地明察」の映像化にあたっては、作品の深い内容を2時間余りにまとめるには無理を感じ得なかった(それに恋愛映画みたいになっちゃってたし…)。本作がもし映像化されるにあたっては大河ドラマとか、じっくり時間をかけて見せる映像にして欲しいものだ。
あるインタビューで「次作は清少納言を書いてみたい」と言っていたが、著者がどう平安時代の女流作家の生涯を描くのか楽しみである。
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圧倒的。光圀のこと、史書のかとをなにもしらなかった。ドラマ水戸黄門は、この光圀をして生まれるべくして生まれたドラマかも知れないけれど、それ以上に知ろうとしない流れを作ったかもしれない。大政奉還に繋がる筋立ても見事。
いつかNHKに渾身のドラマ化を期待したい。
沖方丁、素晴らしい!
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面白かった~!(長かったケド・・・)今更ながらに、知ること多し。わからないことも多数だけど・・・今までより更に(ちょっとは)興味深くなった感じ。『天地明察』の映画を観たせいで、水戸光圀 - 中井貴一、保科正之 - 松本幸四郎のキャストで読んでしいました。だから、読めたのかも(笑)
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義に生き義に死んだ1人の男。
あまりにも有名なこの男の真の姿を、私たちはあまりにも知らなさ過ぎたのではないか。
水戸光圀、ヒゲと印籠はその一部分でしかない、その当たり前の事実の前に立ちすくむようで。
己の力では抗いがたい「宿命」に逆らうことなく流されることなく。それでいて諦めることを知らぬ男の、まさに「益荒男」の生き様に、今の日本に足りない大切なものを見た気がした。
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水戸光圀の生涯を描いた作品。実兄ではなく何故俺が世子なのかという疑問と、文人として天下をとること。この二つが大きなテーマ。光圀の大義は果たして…?
光圀に関しては詳しく無いので時代考証はわからないが、文量の割に読みやすくて良かった。(wikipediaによると、だいたい正しい)
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水戸黄門はフィクションと分かっていたが、水戸光圀とは何をした人なのか、よく知らなかった。
義を大切にし、そのように生きた。
別れも多く経験する。
熱く、切ない物語。
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水戸黄門のイメージしかないひとに是非読んでほしいなと思う一冊。
「誰もがいずれ去らねばならない。だからこそ世にあることの義を思って生きるべき」
冲方さんがなぜ光圀を選んだのかが納得できる、とても魅力のある御方でした。
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明るく奔放な、しかし終始陰を背負った物語。
「我が今生の大いなる務めは、弔いの喪主か」という光圀のつぶやきの通り、彼が近しい人を見送り、それを無にしないために大義をみつけ、歴史編纂の大事業へと向かっていく話である。
「天地明察」ほど登場人物がマンガ的だとは、今回あまり感じられなかったが、それでもキャラクターは話に都合よく作りすぎなんじゃないだろうか…泰姫とか。そういうキャラ立てのおかげで快調に読めたというのも、確かなんだが。
でもやっぱり面白かったことには間違いないので、この調子で次は保科正之あたりを主人公に書いてほしい。「マルドゥック・アノニマス」が出た後で。
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・・・・・・
やっぱ書けないやレビュー、大作すぎて
断片的にしか知らなかった光圀公の生涯が
本の重さとともにずしりと伝わってきました。
泰姫がステキでした。
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若い世代に読んで欲しい本だと感じました。主人公の抱えていた世子問題、困難を乗り越えて行く様は参考になると思う。
単行本で750ページもあるのは若者からは避けられてしまうのではないか?願わくば高校生以上の男子に読んでもらいたいです。
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光圀がとことん魅力的!
苦悩しつつも義を見出し、義に生きる…まさに“美事”な人生である。
子どもの頃から大好きだった水戸黄門を、鮮やかにそして力強く書いてくれた作者に感謝。
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内容(「BOOK」データベースより)
なぜ「あの男」を自らの手で殺めることになったのかー。老齢の光圀は、水戸・西山荘の書斎で、誰にも語ることのなかったその経緯を書き綴ることを決意する。父・頼房に想像を絶する「試練」を与えられた幼少期。血気盛んな“傾奇者”として暴れ回る中で、宮本武蔵と邂逅する青年期。やがて学問、詩歌の魅力に取り憑かれ、水戸藩主となった若き“虎”は「大日本史」編纂という空前絶後の大事業に乗り出すー。生き切る、とはこういうことだ。誰も見たこともない「水戸黄門」伝、開幕。