紙の本
ダークゾーン
2012/11/28 15:49
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジュンジ2771 - この投稿者のレビュー一覧を見る
貴志の作品の中にはこのようなアクションゲーム的要素のある系譜がある。こうしたストーリーは「ハンガーゲーム」のようにただプロットだけを純粋に楽しむしかない。さながら アクションゲームを自分が行ってるいるような 高揚感だけで 最後まで読み続けるしかない。おそらく 貴志自身が この本をゲームをしている感覚で楽しんで書き上げたのだろう。
売れている作家にはこうした「遊び」感覚の作品でも出版できるのだろう。
ある意味 よくできた ゲーム本である。
投稿元:
レビューを見る
2012/09/04読了。好きな作家さんなので文庫化を待たず、ノベルズ版買ってしまいました。期待を裏切らない面白さで一気読みでした。
出だしから異次元ワールドで、いきなり"一つ目"とか"火蜥蜴"とか出てきて、なんじゃこりゃ?と思いましたが、読み始めて20分くらいでどっぷりハマってしまいました。
ダークゾーンで繰り広げられるのは、相手の王将を倒したら勝ちという将棋やチェスのようなルールで赤軍と青軍が戦う七番勝負。チーム編成は6人の歩兵、6人のディフェンダー、特殊能力がある5人の役駒、そして王将。戦いの舞台は軍艦島。
主人公は赤の王将、現実世界では将棋のプロを目指している大学生。青の王将は、現実世界での主人公と同じく将棋の三段リーグに所属するライバル。
小説を読んでいくと、ダークゾーンでの勝負が一回終わるごとに、現実世界での短いエピソードが挿しこまれてきます。最初はダークゾーンの戦いのほうに夢中になって読んでいるので、現実世界の部分は退屈だなぁと思ってたんですが、後半になると、現実世界とダークゾーンとの関係が少しずつ見えてきます。
どっぷりハマったポイントはダークゾーンの世界観と、王将とるかとられるかの緊張感でした。駒の能力設定であったり、一定ポイントに達すると昇格してパワーアップ(将棋で歩が金に成るような)だったり、戦いのルールがまず面白い。それぞれの駒は、妖怪とか化物みたいな外見になっていて、文字から映像を思い描くには非常に想像力が必要でした。というかぼんやりとしか想像できてません。映像化されたらいいのに!
軍艦島にも行ってみたくなりました。軍艦島の実物を見てからもう一度読んだら、より楽しめそうです。
投稿元:
レビューを見る
ゲーム要素が強いので、イメージする力が必要かも。
マス目の考え方とか、実際に戦略ゲームしたことなければ
ちょっとイメージしづらい。。
7番勝負にはいろいろアイディアもあったが、
長く感じた。
投稿元:
レビューを見る
読みやすい。最初から最後まで、止まることなく一気に読むことができる。
ダークゾーンというゲーム?の裏側にある真実がメインの話しかと思って読んでいたが、最後まで読んでみると、主はダークゾーンにおけるプレイヤー同士の戦略や戦術の立て方を楽しむことであるように感じた。
投稿元:
レビューを見る
格闘シーン、策略に引き込まれる。西尾維新の戯言シリーズの楽しさも思い出した。ドイツゲームでは、ラベンスバーガーの「キングアーサー」的魅力あり。漫画ではベルセルクか?!
投稿元:
レビューを見る
はっきり言ってしまえば、ファンタジー色のある小説は貴志には向いていないのではないかと思うような、ちょっとアレな感じ。
ファンタジー色のあるパートの舞台を軍艦島にしたことが、あまり効果的じゃない、というか、変に現実に戻されて興が冷めるし、そもそも、七番勝負って緊張感なさ過ぎ。いっそ、ファンタジーじゃなくてサバイバルゲーム的な設定の方が面白かったんじゃないかと。
美味くやれば、ちゃんと将棋にも絡められそうでしょ?
あと、断章のペースが速すぎる気がします。
断章を読まないでおいて、一番最後にまとめて読んだ方が面白いかも。
どうも、この作者の本って外れを引く傾向があるなぁ。
投稿元:
レビューを見る
将棋をテーマにした殺し合い。登場人物は様々なモンスターに変貌し、頭脳戦を繰り広げる。シンクロする現実世界が切ない作品。
投稿元:
レビューを見る
異界で繰り広げられるバトルでは、心理戦に始終ハラハラしたのですが、合間に挿入される現実でのエピソードが不穏な終末を予感させ、ラストはその予感通りの後味の悪い物語でした。
勝負師の熾烈な性に、果ては人間の貪婪な欲望に悪酔いしそうになります。
投稿元:
レビューを見る
7番勝負ということで、最初はまったく情報がないまま、戦っていくうちに、勝ったり負けたりしていくうちに、色々な手筋、方策を巡らせ、展開されていくのはすごく面白かったし、その駒自体が主人公たちとゆかりのある人物だらけで、そういった部分を加味したやりとりがあるのも深かった。逆に一定のキャラクタだけは人間としてしゃべり、あとはモブというか指示に従うだけっぽかったのは、惜しかった点。
戦いの合間に断章として、塚田の回想が入るのだが、これが最初はだるい。戦いが面白いだけに、読み飛ばしたくなる気もするが、たいてい本編に関わる情報があるので、見落としのないように読む。するとやっぱり3回目くらいの断章で驚かされて、ある意味でもう一つの本編だと気づかされる。
レビューによっては将棋がわかれば、なんてありますけど、「種類の違う駒を動かしていき、相手の王をとったほうの勝ち」とさえ知ってれば十分。
駒自体はグロテスクなので想像はないですが、盤上の光景がありありと目に浮かんだので、エンターテイメントとしてとてもよかったです。
投稿元:
レビューを見る
どこか分からない場所での人間将棋のような、ゲームに飛び込んだような。
繰り広げられる勝負と、その合間に徐々に明らかになる現実の真相。
頭脳戦や心理のかけひきなど読みどころが多い。
投稿元:
レビューを見る
大好きな作家さんの作品。ようやく読めました。
この作家センセの作品は、大雑把に分けると、サイコホラーか、ゲーム系かに分かれる印象ですが、今回はゲーム。人間的な深さは求めず、そのゲーム性だけを楽しみました。
私自身は将棋はちょっと勉強はしていたんだけど、モノにならず‥。でも、楽しめました。
ゲーム系の話の場合、あまのじゃくなもので、敵を味方したくなったりするものですが、今回は主人公を応援してました。
投稿元:
レビューを見る
戦いが終了するごとにリセットされるので、読むのにかなり忍耐が必要でした。駒のなまえにもなかなか慣れず、苦痛すら感じてしまいました。
でも、これだけの作品を作り上げる作者の力量には感服しました。これだけのゲームを作り上げるなんて、すごいの一言です。ラストからまた対局が始まるところは余韻があって印象的でした。
投稿元:
レビューを見る
7戦は長い。
最初は面白いが中盤で飽きてくる。
後半は現実世界の背景などが分かってきて物語が加速するが、結局最後まで大きな驚きも無く消化不良。
貴志祐介さんの作品は好きで、大体読んでるのですが、
ダークゾーンに関しては微妙だったと言わざるを得ない。
投稿元:
レビューを見る
貴志祐介の安定のおもしろさ。異次元の世界の章と現実世界の章が交互に進むから、異次元での緊張マックスの戦いもそこまで疲れずに読めた。戦いの隙間に伏線がちらちら出てくるので異次元と現実がどうリンクしてくるのか気になり読むスピードが加速する。終わり方も私は好きです。
将棋については、駒の動かし方と将棋漫画を読んでの知識しかなかったけど、さほど困らなかった。
投稿元:
レビューを見る
以前から行きたいと思っていた軍艦島が舞台で、しかも貴志祐介の作品!ということで、即買いした。
貴志祐介の作品は設定が細かく、まずその土台を掴んでいくことに苦労するのだが、今回もゲームで用いる駒の名前や特性、ルールを覚えるのに少々苦労した。しかし、それも最初だけで、とにかく読み進めていくと止まらなくなり、途中で挟む断章とも相まって、とにかく結末が気になって仕方がない。読者からするとバッドエンド?もしくは勝者となったのにあまりスッキリしない感じがあるのだが、主人公からすると最後の終わり方はハッピーエンドとして迎えられたのかもしれない。