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日経新聞朝刊 8/22/2012 文化欄
「仏精神医療の現場撮る 患者との垣根ないラ・ボルト病院の豊かな時間」
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写真集。
本を開くとしばらく、白っぽい、光を当てすぎたような写真が続く。
それからエッセイ。写真があって、またエッセイ。
説明がないから、どんなテーマの写真集かわからない。
文字を読んで、徐々にこの場所がわかってくるけれど、やっぱりそんなに詳しくはわからない。
私は何の写真か知った上で手に取ったけれど、これは先入観なしに見てほしいという事なんだろうか、と考えながら読み始めた。
これは、フランスの精神病院で撮った写真集。
地の文では「病院」とあるけれど、これ病院かな?
医療つきホームというか、暮らす場所だと思うんだけど。
著者は精神医療関係に詳しい人ではないらしいので、本当にそうなのか誤解なのかよくわからない。
最初の白い写真も、エッセイも、この場所を異形として写す。
「美しく純粋な障害者」に癒されたがるマジョリティが作るフィクションみたいな世界観。
ゲテモノ趣味でこそないけれど、ユートピア的なファンタジーになってしまっている。
ここがこの人たちには日常の場なんだってことがわかってない。
でも、「見に」ではなく「会いに」行ってるし、相手に感情があると体でわかってる。
精神病と遠い場所にいる人が、写真を撮るためにフランスまで行っちゃうってのはなかなかすごい。
だから、なんか的外れなこと言ってんなーと思うけど嫌悪は湧かなかった。
この場所が「特別」なものとして描かれることは最後まで変わらない。
でも、「特別」の意味が、「わけのわからない特殊な場所」から「知っている愛着のある場所」に変化している気がした。
そうだといいなあと思う。
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